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INTERVIEW

Japanese

HOWL BE QUIET

 

HOWL BE QUIET

Member:竹縄 航太(Vo/Gt/Pf) 黒木 健志(Gt)

Interviewer:沖 さやこ

原点回帰が劇的な進化を生んだ。HOWL BE QUIETのメジャー第1投となるシングル『MONSTER WORLD』はまさしくそれである。彼らが本来持っていた"歌で感動させたい"という強い想いを3曲それぞれ異なる音楽性で、春風のように華やかに我々を巻き込んでいく。ロック・バンドよりも精神性はロックだと思うが、彼らはもうロックという小さいところも飛び越えて広い"音楽"を見据えている。メジャー・シーンに飛び出たHOWL BE QUIETの現在のモードとは? フロントマンの竹縄 航太とギターの黒木 健志がメール・インタビューに答えてくれた。

-2014年に1st EP『BIRDCAGE.EP』をリリースしてから、メジャー・デビューが決定するまではバンドにとってどういう期間でしたか?

竹縄:バンドとしても、個人としても、一度ゼロに立ち返る期間だったというか、自分たちの根源を改めて、再確認する期間ではありました。

-メジャー・デビューの発表とともにYouTubeで公開されたTrack.1「MONSTER WORLD」のMVを見たときに、音楽、ヴィジュアル共に今までと異なる表現方法で驚きましたが、バンドの核はまったく変わらず、むしろちゃんと照準が定まっていると感じました。どういう気持ちのもとに生まれた曲なのでしょうか。

竹縄:自分たちのバンドの歴史の話にもなるんですが、2013年12月に初めて全国流通盤として『DECEMBER』というアルバムをリリースするまでは、主に自主制作盤という自分たちだけで作った音源をライヴ会場限定で手売りする、という活動を行っていたんですね。つまり、目に見える範囲に音楽が届いていたんです。僕たちのライヴを観てそれに反応してくれた人が、音楽を持ち帰ってくれる。それが全国流通盤になると、いい意味で知らない人にも音楽が届くというわけで、その事象自体はものすごく嬉しいことなんですが、その反面、勝手に印象を決めつけられてしまう怖さもあって。事実、『DECEMBER』を出した当時は"泣けるバンド"というカテゴライズをされることが多くて。おそらく、「GOOD BYE」や「Merry」というバラードをMVとして打ち出したことがひとつの要因でもあるとは思うのですが、そういうふうに"このバンドはこういうバンドです"というカテゴライズのもと、自分たちの存在がひとり歩きしていくことに対して、すごく辟易してしまって。そういうことがあって、もっとわかりやすく、なおかつ、ライヴという場でよりお客さんと繋がることができるように、という思いで作ったのが『BIRDCAGE.EP』でした。リリースしたときは、やはりライヴでお客さんのリアクションを見ることで、『DECEMBER』を出したときのカテゴライズを払拭できたかと思っていたんですが、今度は"ロック・バンド"としてカテゴライズされ始めて。正直そのカテゴライズにも僕ら自身しっくりきていなくて。今の音楽シーンって四つ打ちシーンじゃないですか。それがすごくつまらないなぁって。みんな同じくらい速いBPMで、ハイハットをオープン・クローズして、ライヴを観に行けばお客さんが演者に背を向けて楽しんでいて。もうよくわからないなぁって思って。音楽を楽しみに来てるのか、その場にいることを楽しんでるのか。自分は歌に感動してきたし、"歌で感動させたい"という想いが強いぶん、余計にそのシーンに対する嫌悪感みたいなものは増えていって。そんな中で、一度ゼロに立ち返ったんです。"音楽の何に感動してたっけ?"とか"どうして音楽を始めたんだっけ?"、"何を表現したかったんだっけ?"とか。その結果"何にもカテゴライズされずに、本当に自由な音楽をやろう"と、そういう本当に純粋無垢な気持ちになれたんですよね。

-竹縄さんが「MONSTER WORLD」を持ってきたとき、他のメンバーさんはどう感じたのでしょうか?

黒木:"MONSTER WORLD"というタイトルに驚き、歌っている内容や曲の世界観が竹縄のポップ・センスが全面に出された曲だなと思いました。竹縄がもともと持っているバラード曲における美しい旋律が、こういったアッパーな楽曲に昇華されているのも新たな一面として感じました。

-『BIRDCAGE.EP』は"最近のバンド・シーンなんてどうでもいいから、自分たちは自分たちの音楽を切り拓いていくよ"というスタンスも表れていた気がしたのですが、『MONSTER WORLD』は"バンド・シーンをぶっ壊す! この世の中を自分たちの色で染めてやる!"というくらい、ものすごい野心がバシバシと迸ってるな、というのが私の印象でした。そういう気持ちはありましたか?

竹縄:もちろんそういう気持ちもありましたけど、もう自分たちはそこじゃないな、ということも思ってるので。"比べるまでもない"ということは思ってます。バンド・シーンがどうこうというよりもっと広いこの日本の音楽業界に対して、いかにして自分たちの旗を立てられるか、という想いの方が強いですね。

-メジャー・デビュー前にみなさんが答えていたインタビューをいくつか拝見しましたが、どうやらバンドの今後の活動において"アイドル"がキーワードになっていたようですね。

竹縄:日本における"アイドル"って言葉がまた特殊な概念だとも思うので、僕らにおける"アイドル"という話になるんですが。アイドルは音楽ジャンルのひとつだと思っていて、音楽に対しての余計な足枷が何もないと思うんですよ。音楽に対して、本当に純粋というか――EDMもあれば、合唱曲もあるし、J-POPな曲もある。そしてそのすべての音楽に対してのMVやファッションも含めた表現がある。僕はその表現すべてが本当にかっこいいなと思っていて。海外でいうなら、ONE DIRECTIONやBIGBANG、そのどれもが音楽的にも最高な音楽をやっていると思うし、それだけでなくファッションや表現、そのすべてが本当に素晴らしい。そして自分たちのやりたい音楽、表現、そのすべてにおいて、やりたかったことは"アイドル"だったんだ、と気づいたんですよね。

-作詞/作曲をするアイドルの方々も多いですが、そのこと自体がグループの顔になることは少ないので、HOWL BE QUIETとアイドルの決定的な違いは作詞/作曲/編曲をメンバー自身が担っていることだと思います。だから音楽性に制限がないという点では、シンガー・ソングライターと近いと思うところもあるんです。スタンスでいえば星野源や椎名林檎のような、自身で楽曲制作をして音楽性のイニシアチブも取り、ポップ・アイコンとしての存在感も見せるアーティスト。HOWL BE QUIETはそこではなくアイドルを目指す?

竹縄:挙げていただいたアーティストもひとつのアイドルの形だと僕は思います。作詞/作曲、アレンジ、表現におけるすべての選択、すべてを僕らメンバーがやっているという点で、いわゆる日本的アイドルとは違うとも思うし、星野源さんや椎名林檎さんも自らそう名乗っていないだけで、ライヴでの表現やエンターテイメント性は紛れもないアイドルだとも思うので、そこに対する差は正直そんなに感じないです。むしろ名乗ってるか、名乗ってないかのレベルの差かな、と。