Japanese
HOWL BE QUIET
Skream! マガジン 2017年09月号掲載
2017.08.16 @赤坂BLITZ
Writer 沖 さやこ
メジャー1stフル・アルバム『Mr. HOLIC』の前哨戦として春に行われたワンマン・ツアー"pre-HOLIC TOUR"の初日の赤坂BLITZから、今回のリリース・ワンマン・ツアー"Mr. HOLIC ~僕が虫で、君が男でも恋したいのです~ TOUR"のファイナルの赤坂BLITZまでの約5ヶ月間。彼らはリスナーと『Mr. HOLIC』というアルバムを共有してきた。このアルバムはどんな内容が歌われているかということ以上に、ソングライター・竹縄航太(Vo/Gt/Pf)の飾らないありのままの姿が投影されていること、黒木健志(Gt)のアレンジ&音楽的センスが発揮されていること、橋本佳紀(Ba)と岩野 亨(Dr)のプレイヤーとしての表現が広がりを見せていること――すなわち4人の個性が反映されたという事実が重要な作品だと思う。3月のBLITZはステージ上でも飾らない竹縄のラフな姿が印象的だったが、このファイナルでは1曲目の「ラブフェチ」から堂々としていて気合十分といった様子。無駄な力は入っていないが、緩さは一切ない。4人は真剣に全力で音楽と観客に向き合い続けた。
竹縄は自分の分身を外に放つように歌詞の一字一句をメロディに乗せて鍵盤を弾き、橋本は観客の表情を見ながら笑顔でベースを奏で、岩野は楽曲の表情を引き立てて音像に奥行きをつけるドラムを叩き、黒木はそんな3人の様子を見ながらバランスを取るようにギターの音色で空間を彩る。普段の彼らの人柄がそのままライヴでの役割分担になっていて、その凛とした様子からもひとりひとりが自分自身にプライドを持っていることが窺えた。初期曲「クローバー」は竹縄がアコギを抱え披露する。彼のアコギ弾き語りに黒木のギターが入る瞬間の華やぎ方は、"竹縄航太"というひとりの人間の小さな世界が、"HOWL BE QUIET"という集団の広い世界になるのを目の当たりにしたのと同等の感覚だった。
HOWL BE QUIETは過去曲を演奏する際、そのときそのときの自分たちのモードに合わせてアレンジを変える。「Higher Climber」なんてライヴごとに変わっているんじゃないかと思うほどだ。過去曲の新しい可能性を引き出すことは、過去曲に対する彼らの愛情であり、敬意でもあるだろう。「矛盾のおれ様」は音源でもそのトラックメイキング&ソングライティングに舌を巻いたが、ライヴ・バージョンは竹縄がフォーク・シンガーばりの弾き語りを見せたあとに生演奏が太い軸となり展開されていった。ダンサブルでありながらも、切迫感が痛みを帯びるほどに浮き彫りになることで、混沌が生々しく響き、熱の入った竹縄の歌と絡み合う様子は非常にスリリングで息を呑んだ。
彼らはHOWL BE QUIETとしての音楽表現を大事にしてきたバンドだと思う。「GOOD BYE」は全員で丁寧に楽曲の持つ感傷性を描き出し、特に強がりと弱さを同時に鳴らす黒木のギターの音色は見事だった。だが『Mr. HOLIC』を完成させたことで4人それぞれが自分の役割を再認識できたことが大きな要因になっているのか、竹縄の心の奥の奥だけにスポットライトが当たる瞬間もしばしばだった。3月のBLITZで聴いた「サネカズラ」や「208」は竹縄だけが演奏している時間もメンバー全員が彼に心を重ねているような空気感があったが、この日は前述の「クローバー」よろしく竹縄の深層心理の世界からバンドへと繋がっていく景色の移り変わりが鮮やかで美しかった。特に「208」の竹縄ソロ・パートは、いまにも壊れそうなほど繊細なピアノの旋律と、消え入る寸前の囁くような歌声で、その瞬間に命をかけるような、心臓そのものと言うべき熱演。白熱灯だけがステージを照らす演出もまた、その寂寥感と感傷性をより如実に表していた。
ポップでバンド感のある「にたものどうし」のあとは、ライヴの定番曲でもある「ライブオアライブ」と「MONSTER WORLD」を畳み掛ける。やはりやり込んでいる曲は格段に出音のインパクトが大きい。観客と共に演奏するような大きなサウンドスケープを作り上げ、その様子を見ていて『Mr. HOLIC』の楽曲たちも近い未来にさらにスケールを増すことを予感させた。
アンコールでは橋本が、前日に"高校から、良いとこも悪いとこも全部一緒に見てきた"という竹縄のツイートを見たことで、がらがらのライヴハウスでライヴをしたことを思い出したという旨を語り、BLITZにこれだけの人が集まったことに対して"幸せです"と笑みを浮かべる。竹縄も集まった観客に感謝を告げ、"本当に嬉しいし、本当に楽しいし、本当に(ツアーを)終わりたくないの。今日が来てほしくなかったくらい終わりたくなかった"と名残惜しさを露わに。"ライヴって何も形に残らないし、幻みたいなもんじゃん。でも俺はライヴが楽しいし嬉しいしすごく幸せだし、忘れたくない、また必ず会いたいなってすごく思う。これからもHOWL BE QUIETをよろしくお願いします"と語り掛け、"あぁ、なんか泣けてくるよね! 泣く前に曲始めるわ。最後どかんと打ち上がっていきましょう!"と言い「レジスタンス」と「Dousite」を豪快且つ爽快に届けた。
HOWL BE QUIETに新しい価値観をもたらした2本のワンマン・ツアーと『Mr. HOLIC』。この経験やここで得た感動は、間違いなく今後の彼らに大きな影響を及ぼすだろう。彼らはこれまでもそうやって常に止まることなく、前に進んできたのだから。
[Setlist]
1.ラブフェチ
2.ギブアンドテイク
3.Daily Darling
4.Wake We Up
5.ウォーリー
6.クローバー
7.PERFECT LOSER
8.Higher Climber
9.矛盾のおれ様
10.GOOD BYE
11.My name is...
12.サネカズラ
13.208
14.にたものどうし
15.ライブオアライブ
16.MONSTER WORLD
17.ファーストレディー
en1.レジスタンス
en2.Dousite
- 1
LIVE INFO
- 2024.11.21
-
ザ50回転ズ
KANA-BOON
Maki × PRAY FOR ME
ヤングスキニー
THE YELLOW MONKEY
ASIAN KUNG-FU GENERATION
THE ORAL CIGARETTES ※開催延期
ラックライフ
シノダ(ヒトリエ)
(sic)boy
Thom Yorke
CVLTE
eastern youth / People In The Box
CNBLUE
Ivy to Fraudulent Game
離婚伝説
ドレスコーズ
椎名林檎
This is LAST
KEYTALK ※公演中止
- 2024.11.22
-
ヤングスキニー
マルシィ
オレンジスパイニクラブ
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THIN
フラワーカンパニーズ / 斉藤和義
ズーカラデル
u named (radica)
TK from 凛として時雨
SUPER BEAVER
コレサワ
LONGMAN
セックスマシーン!!
終活クラブ
(sic)boy
the shes gone
ドミコ
点染テンセイ少女。
CVLTE
BREIMEN
SIX LOUNGE
秋山黄色
Newspeak
w.o.d.
BLUE ENCOUNT
SANDAL TELEPHONE
超☆社会的サンダル
武瑠
ヤユヨ
浅井健一
YAJICO GIRL
緑黄色社会
あたらよ
- 2024.11.23
-
NANIMONO
打首獄門同好会
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
ザ50回転ズ
Conton Candy
四星球
Lucky Kilimanjaro
Maki × PRAY FOR ME
back number
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THINK
I Don't Like Mondays.
9mm Parabellum Bullet
ビッケブランカ
新しい学校のリーダーズ
ねぐせ。
Vaundy
Hakubi
HERE
小山田壮平
KNOCK OUT MONKEY
オレンジスパイニクラブ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
WANIMA
chilldspot
Ivy to Fraudulent Game
People In The Box
NEE
秋山黄色
ADAM at
ポルカドットスティングレイ
竹内アンナ
the shes gone
HY
あいみょん
まなつ
POP ART TOWN
優里
アーバンギャルド
Amber's
緑黄色社会
Thom Yorke
椎名林檎
怒髪天
- 2024.11.24
-
NANIMONO
打首獄門同好会
DENIMS
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
ザ50回転ズ
キュウソネコカミ
LONGMAN
四星球
安藤裕子
Conton Candy
back number
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THINK
ウソツキ
9mm Parabellum Bullet
新しい学校のリーダーズ
リュックと添い寝ごはん
FIVE NEW OLD
SHE'S
Vaundy
Umisaya
fhána
シノダ(ヒトリエ)
People In The Box
HERE
大森靖子
AIRFLIP
ASIAN KUNG-FU GENERATION
WANIMA
ずっと真夜中でいいのに。
Mega Shinnosuke
リアクション ザ ブッタ
SpecialThanks
Half time Old
HY
あいみょん
YOUR ADVISORY BOARD
泣き虫☔︎
優里
フレンズ
the quiet room
Thom Yorke
椎名林檎
- 2024.11.25
-
Age Factory
安藤裕子
シノダ(ヒトリエ)
KANA-BOON
フレデリック
BUMP OF CHICKEN
- 2024.11.26
-
Age Factory
SUPER BEAVER
PEDRO
SIX LOUNGE
神はサイコロを振らない
煮ル果実
Thom Yorke
BUMP OF CHICKEN
ハンブレッダーズ
The Novembers
(sic)boy
ストレイテナー
ヤングスキニー
THE YELLOW MONKEY
にしな
- 2024.11.27
-
新しい学校のリーダーズ
PEDRO
LAST DINOSAURS / ego apartment
ハンブレッダーズ
まなつ
Jamie xx
雨のパレード
詩羽(水曜日のカンパネラ)
go!go!vanillas
ヤングスキニー
にしな
- 2024.11.28
-
MOROHA
Age Factory
新しい学校のリーダーズ
DYGL
煮ル果実
SIX LOUNGE
まなつ
アンと私
挫・人間
秋山黄色
w.o.d.
マルシィ
終活クラブ
BURNOUT SYNDROMES
Cö shu Nie
フィルフリーク
シノダ(ヒトリエ)
go!go!vanillas
a flood of circle
KANA-BOON
- 2024.11.29
-
離婚伝説
CVLTE
Age Factory
SHE'S
ずっと真夜中でいいのに。
BLUE ENCOUNT
フィロソフィーのダンス
OKAMOTO'S
DYGL
NEE
Lucky Kilimanjaro
神聖かまってちゃん
Ivy to Fraudulent Game
小山田壮平
tacica
秋山黄色
w.o.d.
ねぐせ。
Dear Chambers
アンと私
the dadadadys
挫・人間
ASIAN KUNG-FU GENERATION
NANIMONO
にしな
Hello Hello
吉澤嘉代子
PIGGS
パピプペポは難しい
TK from 凛として時雨
a flood of circle
BREIMEN
ヤユヨ
CIVILIAN
DOES
East Of Eden
シド
岸田教団&THE明星ロケッツ
ANABANTFULLS
三浦透子
- 2024.11.30
-
back number
NEE
ポルカドットスティングレイ
大森靖子
SHE'S
ずっと真夜中でいいのに。
OKAMOTO'S
tacica
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
フィロソフィーのダンス
SWANKY DOGS
the shes gone
ヤングスキニー
Aimer
リアクション ザ ブッタ
ストレイテナー
ズーカラデル
ウソツキ
Newspeak
9mm Parabellum Bullet
ねぐせ。
BLUE ENCOUNT
moon drop
Cö shu Nie
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Conton Candy
椎名林檎
Vaundy
MYTH & ROID
Hakubi
This is LAST
崎山蒼志 / MONO NO AWARE / 荒谷翔大 / 家主 ほか
GANG PARADE
BiS / KNOCK OUT MONKEY / パピプペポは難しい / LEEVELLES ほか
須田景凪
フラワーカンパニーズ
フレデリック
LiSA
なきごと
Machico
"ビクターロック祭り2024"
- 2024.12.01
-
back number
reGretGirl
Lucky Kilimanjaro
大森靖子
OKAMOTO'S
SIX LOUNGE
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
フィロソフィーのダンス
Ivy to Fraudulent Game
Aimer
MOROHA
Helsinki Lambda Club
リアクション ザ ブッタ
ストレイテナー
THE YELLOW MONKEY
DENIMS
LACCO TOWER
9mm Parabellum Bullet
NANIMONO
ハク。
fhána
オレンジスパイニクラブ
the shes gone
Vaundy
Hakubi
さめざめ
ベランダ
GOOD ON THE REEL
秋山黄色
須田景凪
I Don't Like Mondays.
the quiet room
Laughing Hick
PEDRO
LiSA
indigo la End
- 2024.12.02
-
Saucy Dog
スカート
挫・人間
chilldspot
RAY×BELLRING少女ハート
- 2024.12.03
-
Saucy Dog
ヤングスキニー
リーガルリリー
SHE'S
LONGMAN
キュウソネコカミ
まなつ
ASH DA HERO / POLYSICS
IMAGINE DRAGONS
Age Factory
Amber's
SUPER BEAVER
- 2024.12.04
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION
神聖かまってちゃん
The Ravens
go!go!vanillas
リーガルリリー
PEDRO
Galileo Galilei
ASH DA HERO / POLYSICS
SIX LOUNGE
マカロニえんぴつ / SAKANAMON / ヤユヨ ほか
DYGL
NEE
点染テンセイ少女。
SUPER BEAVER
RELEASE INFO
- 2024.11.22
- 2024.11.23
- 2024.11.27
- 2024.12.04
- 2024.12.06
- 2024.12.11
- 2024.12.13
- 2024.12.18
- 2024.12.20
- 2024.12.25
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.15
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
PEDRO
Skream! 2024年11月号