
Japanese
HOWL BE QUIET
Skream! マガジン 2017年05月号掲載

2017.03.18 @赤坂BLITZ
Writer 沖 さやこ
HOWL BE QUIETは気まぐれなバンドだと思う。"優しいバラードのイメージを一新したい"と言ったこともあれば、"ずっとピアノ・ロック・バンドでいたい"と言っていた何年後かにアイドルを目指すと言ったり、過去の恋愛を赤裸々に綴った楽曲を作ったり、リリースしたばかりの新曲をライヴで別アレンジで披露したり、ライヴ・アレンジをころころと変えていったり......とても自由奔放だ。そのときそのときの感性で"いい"と感じたもの、"こうした方がいいんじゃない?"と思ったことを素直に取り入れる。まるで子供のように純粋で無邪気だと思う。彼らはこれまで自分たちの心を騙したり誤魔化したりしたことがないし、4人が4人に信頼を寄せ高め合うという関係が壊れたこともない。どんなことをしてもHOWL BE QUIETという軸が消えたことがない理由はここにあるのだろう。リリースやライヴのたびに、"いま彼らはどんなモードなのだろう?"と安心しながら変化にドキドキできるバンドである。
今回のワンマン・ツアーは"pre-HOLIC TOUR"という名のとおり、5月24日にリリースするフル・アルバム『Mr. HOLIC』の前哨戦。初日の赤坂BLITZはワンマン・ライヴとしては約半年ぶりであり、バンド史上最大キャパシティでもある。メジャー・デビュー1周年を迎えたタイミングにはおあつらえ向きの舞台だ。
竹縄航太(Vo/Gt/Pf)のピアノが、SEであるTHE BIG PINKの「Dominos」を断ち切るように鳴り響いた。「From Birdcage」の夜明けのような雄大な音色で幕を開ける。続く「PERFECT LOSER」では、イントロの黒木健志(Gt)の清涼感のあるギターと岩野 亨(Dr)の刻むビートがあたりを一転、星空のような煌びやかな空間へと変えていった。4人一丸となって楽曲の世界観を丁寧に紡ぎ出すと、竹縄が"pre-HOLIC TOUR、最後まで飛ばしていきますよ"と呼び掛け「MONSTER WORLD」。七色の光で照らされたステージの中央に立つ竹縄は、いつも以上に肩の力を抜いて、まるで森林浴をするようにその場の空気に身を任せていた。どうやらこの日の彼はリラックス・ムード。その後のMCも、気心知れた友人の家にふらっと遊びに来たようなテンションである。
とは言っても彼らは手を抜いたライヴをするようなバンドではない。「Dousite」はホーンの同期音と共に華やかな音像を作り出し、「Wake We Up」はバンドのパワーで緩急をつけてドラマチックに。「ウォーリー」では橋本佳紀(Ba)がエレアコを奏で、黒木と彼の2本のギターでひと味違うあたたかみを感じさせた。「My name is...」は冒頭を竹縄のピアノを基盤にしたアレンジで引き込む。彼の遊び心のあるヴォーカルが、徐々にこちらに語り掛けるようになっていったところも、楽曲の持つ感情をさらに豊かにしていた。繊細なギミックを効かせて楽曲のレンジを広げていた岩野は、「サネカズラ」で冷静なドラムによって曲の持つ感傷性を支えた。そこに橋本のあたたかい音色、黒木のエモーショナルなギターが重なる――竹縄そのものと言っていいほどの曲でメンバーそれぞれの個性や意志が見られたところに、4人の信頼関係を強く感じた。
普段よりもボリュームのあるセットリスト。4人の"何か特別なことができないか?"という想いから、中盤には「Merry」とback numberの「繋いだ手から」のカバーをアコースティック編成で届けられた。カバー曲は事前に彼らがSNSでリクエストを募った中から選ばれたもので、会場によって演奏曲は異なる。竹縄の"「君が代」という斬新なリクエストもあった"という告白には、観客から驚きゆえの笑いが零れていた。
そしてこの日は"どうしてもライヴで先に曲を聴いてほしい"という想いから、『Mr. HOLIC』から数曲を披露することも事前に告知されていた。「ラブフェチ」、「ギブアンドテイク」の2曲はどちらも黒木のギターが大きな聴きどころ。歌詞は「サネカズラ」と同じくらい......いや、それ以上? と思うほど竹縄そのもので、思わず笑ってしまった。そして何より新曲たちを演奏している彼らが、この日最も楽しそうな表情を浮かべていたところが印象的だった。アルバムの新曲たちに感じている手応えと、それをまず自分たちの音楽を愛している人々に届けられるという喜びが、きらきらと弾け飛ぶ。
竹縄の"まだまだ行くよ!"という掛け声から「Higher Climber」をスケール感大きくパワフルに届け、岩野のドラムを導入にして"一緒に行こうか"と竹縄がこの日初のハンドマイクで「レジスタンス」へ。竹縄は音楽と同化するように身体を動かす。ミラーボールが、4人の作る堂々とした無敵感溢れるグルーヴを後押ししていた。そのあと竹縄が"『Mr. HOLIC』というアルバムですごく大事な、思い入れの強い曲を最後に歌って帰ります"と告げ、彼がTwitterでも弾き語りをアップしていた「208」を演奏する。竹縄のピアノと歌に少しずつ3人の音色が重なっていく、その様子が切なくて優しくて胸が張り裂けそうなほど感情的で、とても美しかった。
アンコールのラストは「ライブオアライブ」。竹縄の"盛大に歌って帰りましょう! 歌えるかい?"という呼び掛けとバンドの痛快な演奏に応えるように、観客はクラップと歌声で彼らに大きな愛を伝えた。終演後にはすべての観客に直筆サイン入りの手書きセットリストをプレゼント。メジャー・デビュー1周年を祝おうと思っていたのに、アコースティック編成にリクエスト・カバー、新曲初披露、セットリスト、そして"アルバムを出したらツアーを回るので。......これ勝手に言ったらまずいパターンかな?"と言った竹縄に、黒木が"いいよ、俺が許可する。夏にツアー回ろうよ"と笑顔で返しアルバム・ツアーを約束するなど、様々なものをもらいっぱなしのライヴだった。純粋すぎる愛を飾らずに真摯に伝える彼らはとても頼もしい。フル・アルバムとしては3年半ぶりの『Mr. HOLIC』、期待できる。
[Setlist]
1. From Birdcage
2. PERFECT LOSER
3. MONSTER WORLD
4. Dousite
5. Wake We Up
6. ウォーリー
7. My name is...
8. サネカズラ
9. Merry(Acoustic)
10. 繋いだ手から(back numberカバー)
11. ラブフェチ
12. ギブアンドテイク
13. Higher Climber
14. レジスタンス
15. 208
en1. 孤独の発明
en2. ライブオアライブ
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