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DISC REVIEW

サマタイム×サマタイム

ヴォーカルの脱退という大きな壁を乗り越え、新ヴォーカルにタカハシツトム(Vo/Syn)を迎え入れてリリースされる1stミニ・アルバム。Track.1「JOY」の心地よい水音に誘われ、深く潜るように聴き入ってしまう作品へと仕上がった。タカハシ

こころとあたま / いたちごっこ

橋本絵莉子のメロディと歌が軸にありつつ、圧倒的に音圧も疾走感もレンジが広がった「こころとあたま」。特にサウンドとして新しい下村亮介のアナログ・シンセもグルーヴを生み出してこそいるものの、チャットモンチーらしさの中に溶け込んでいるのが聴いてい

イェーイ

この仕事をしていると、"音楽を言語化なんてできるの?"と訊かれることがあるけど、音楽批評は"音楽の言語化"とはまったく別物だよ。そもそも、音楽は音符ですら説明しきれないものなのだよ。でも、今の僕らは音楽を言語化/可視化できると思い込んでいる

夕日信仰ヒガシズム

amazarashiは秋田ひろむの心情吐露とも言える、非常に私的な世界だった。だがステージの前の紗幕と映像でできた壁の先にいる観客たちに歌を歌い続けることで、ひとりぼっちだった彼のもとに他者が齎した優しさという光が浮かぶようになることは必然

Rhapsody in beauty

1曲目の「救世なき巣」のかなりダイレクトにMY BLOODY VALENTINEを思わせる暴風雨のような轟音の壁の向こうに揺らぐ歌を含む音像に、これまで以上に"何が美しくて、何が美しくないのか?"という哲学が音そのもので迫ってくる。これは振

DANCE TIME

Track.1のタイトルが「WHERE?」。素晴らしい。君は何処にいる? 僕は何処にいる? 答えは何処にある?――京都の4人組、夜の本気ダンスは、記念すべき1stアルバムの初っ端から道に迷っている。そして、"迷うこと"を大いに楽しんでいる。

Anaheim Apart

穏やかで、洗練されていて、強いメッセージ性もあって、それでいて躍動している。音楽と戯れる喜びに満ちている。今年結成11年目を迎え、自主レーベル[Anaheim Records]を立ち上げたセカイイチの、オリジナル作品としては2年7ヶ月ぶりと

猛烈リトミック

ポップでカオティックな赤い公園ワールドがさらにスケール・アップしたことを思わせる2枚目のアルバム。リスナーをいきなりKOする超絶ポップな「NOW ON AIR」からアンビエントなシンセ・オーケストラル・バラード(!?)の「ドライフラワー」ま

Among the flow

昨年リリースされたミニ・アルバム『DISCUSS』に続きメンバーそれぞれが1曲ずつイニシアチブを取るという"1人1曲"がテーマとなった2部作の後編。前回は"議論"という少々緊張感漂うタイトルだったが、今回は"流れの中で"という、非常にreg

シノニムとヒポクリト

ネットを中心にボカロPとして活動してきた"ねこぼーろ"が、自身が歌う"ササノマリイ"としてCDデビューする。"詰め込んだ 感情を ひとつ ひとつ 殺して"というねこぼーろ時代の楽曲「戯言スピーカー」で始まる今作は、柔らかい演奏と温もりを感じ

君の嘘とタイトルロール

1stフル・アルバム『シアロア』から2年以上の時を経てリリースされる2ndフル。この期間、作詞作曲編曲すべてを担当する田口囁一は、漫画執筆を行いながらライヴやイベントにも積極的に参加するなど、これまで以上にハイブリッドな活動をしてきた。『シ

Play

オシャレな女の子を踊らせるため、2012年に表参道で結成された"月曜日が嫌い"な4人組、I Don't Like Mondays.が1stミニ・アルバムでメジャー・デビューを果たす。ねごとやSPYAIRらの作品でおなじみのヒット・メイカー、

Carry On!

ガールズ・スカ・バンド、ORESKABANDのレーベル移籍後初となるミニ・アルバムはアッパー・チューン中心の構成。アルゼンチンとブラジルでの海外公演などライヴの合間を縫ってレコーディングされたからなのか、生の温度感をそのまま味わわせてくれる

鉄也林部

新潟を拠点に活動する4ピース・ロック・バンドのデビュー盤である1stミニ・アルバム。疾走感溢れるサウンドは、柔らかなハイトーンの中元秀哉(Gt / Vo)と、スクリームとポエトリー・リーディングを混在させたような小林亮輔(Ba/Vo)の声の

都合のいい時だけ子供になる

"大人"の定義とは何だろうか。20歳を超えたら、学校を卒業したら、酒や煙草の味を覚えたら、自分のことをひとりでできるようになったら―― いろいろな条件があるかもしれないが、19歳という年齢ほど不確かで足元の覚束ない時期はないと思う。ハタチと

純愛、故に性悪説

バンドの中心人物である三浦隆一は不思議な人だ。冷静で淡々としつつも人当たりは良いし、よく笑うしジョークも言う。だが心の奥底に何か大きなものを抱えているような、深い目をしている。そんな彼の内面が出た"THE三浦隆一"とも言えるのが今回のメジャ

モラトリアム

宮崎出身の4人組、ARTIFACT OF INSTANTの1stミニ・アルバム。静と動を行き来する構築的なバンド・アンサンブルの上をまっすぐに流れるエモーショナルなメロディと歌は、おそらく実体験をもとにしたであろう"別れ"や"喪失感"、"後

narimi

ウソをついて嫌われるより、本音を言って煙たがられる方が悲しい。だから作り笑いで予防線を張って、行き場のない"ホント"を内側に積もらせる。ギターとベースとドラムと歌のみの粗さの残るサウンド。そして人間の情けない部分をそのまま描いた歌詞。その1

GIRL

初のセルフ・プロデュースに挑戦した3rdフル・アルバム『LOVE TOXiCiTY』から約1年3ヶ月ぶりの新作は、EMI Records移籍第1弾となる3曲入りシングル。Sachikoがインタビューで語ってくれたように、彼女自身もバンドも大

Les beat

モノラル録音と言えば、60年代のブリティッシュ・ビートやガレージ、50年代のデルタ・ブルースなどが想起されるが、そうした音楽が持っていたパワーに匹敵する曲の良さ、サウンドとしてのかっこよさをTHE PRIVATES自身が持っているからこその