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DISC REVIEW

Japanese

2014年12月号掲載

Somehow, Somewhere

Homecomings

『Somehow, Somewhere』

Release Date : 2014-12-24
Label : felicity

ネオアコやアノラックって、厄介なジャンルだと思う。何故なら、ちょい下手なコーラスとか、お洒落な7インチとか、記号化されやすい要素が多い分、単なるファッション・アイテムになってしまう危険性が高いから。でもHomecomingsは違う。このバンドは自分たちの音を鳴らしている。待望の1stフル・アルバム、これは期待をはるかに上回る名盤だ。こだわったのはおそらくリズムの多様化だろう。畳野 彩加の、単調な、ゆえに乙女の溜息のような素晴らしい歌声を映えさせるには、実はメロディ以上にリズムが重要であると考え抜かれた楽曲たち。全10曲、名曲ぞろいだ。ひとつ今後への要望があるとすれば、日本語でも歌ってほしい。平賀さち枝とのコラボ曲は素晴らしかった。このバンドは、自分だけの言葉を紡げると思うのだ。(天野 史彬)


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New Neighbors

Homecomingsが、2年ぶりとなるアルバム『New Neighbors』をリリース。本アルバムには、TVアニメ"君は放課後インソムニア"EDテーマ「ラプス」をはじめ、TVドラマ"失恋めし"主題歌「アルペジオ」、TVドラマ"ソロ活女子のススメ2"EDテーマ「i care」などのタイアップ・ソングを含む全12曲が収録されている。HomecomingsらしいUSインディーやギター・ポップに加えて、「光の庭と魚の夢」ではストリングスを導入。そのアレンジを同郷の岸田 繁(くるり/Vo/Gt)が手掛けるなど、音楽性の幅をさらに広げた作品に仕上がった。そして、フェミニズムやシスターフッドといったテーマに切り込んだ福富優樹(Gt)の歌詞も本作に重要な奥行きを与えている。(山田 いつき)


Moving Days

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Somehow, Somewhere

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