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COLUMN

フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第4回】

2023年09月号掲載

フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第4回】

フィルフリークのベース、ツカダユウキです。
私のコラム「フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"」では、【サブカルチャー】をテーマに、映画や音楽、地域文化やネットミーム、実体験や社会学、(たまにアングラ)などについて語っていきます。

第4回目のテーマはこちら。
『ゲゲゲのサブカルチャー』

古くから恐れられ、崇められ、親しまれ、描かれ、語り継がれてきたモノ。妖怪である。

例えば『鬼滅の刃』や『うる星やつら』でお馴染みの"鬼"は、遡れば、日本最古の書物『古事記』や『日本書紀』にすでに登場しているベテラン妖怪である。
※正確にはラムちゃんは鬼族"宇宙人"。

容姿が具体的に描かれ、妖怪が娯楽的要素を持ち始めたのは鎌倉時代以降と言われており、江戸時代には『諸国百物語』(怪談集)や『画図百鬼夜行』(画集)が刊行されるなど、歴史を追うごとに妖怪が"畏怖の対象"から"身近なキャラクター"へと変化していったことが窺える。
そして現代では土着的伝承や恐怖の要素はさらに薄れ、『ゲゲゲの鬼太郎』『妖怪ウォッチ』のように愛着の湧く身近な存在として描かれるようになった。

そんな妖怪に会える場所。
それが深大寺(東京都調布市)である。
調布は『ゲゲゲの鬼太郎』の作者水木しげる先生の第二の故郷であり、駅前商店街では妖怪たちの像が迎えてくれる。

調布駅からバスで15分程、緑に囲まれた深大寺門前に位置する鬼太郎茶屋では妖怪たちをモチーフにした甘味が頂ける他、様々な可愛いグッズが手に入るショップや、妖怪画や妖怪日本地図などの展示がされているギャラリーが隣接されており、存分に「水木ワールド」を堪能出来る。

夏になると私はここへ訪れ、必ず"一反もめんの茶屋サンデー"とサービスの"はま茶"を頂く。水木先生の育った鳥取県のお茶で、カワラケツメイというマメ科の植物を焙煎したもの。香ばしさの奥から甘さが口いっぱいに広がる柔らかい飲み口でとても美味しい。ノンカフェインで便秘やむくみに効き、滋養強壮、疲労回復等の効果があるとされている。

話は戻り、"妖怪"は神道や仏教、仏像や浄瑠璃、浮世絵や歌舞伎などの裏で民間信仰として描かれ、伝承され、親しまれてきた一種のサブカルチャーだと私は捉えている。

近年は科学やネットの発展によりカラクリが解き明かされ、妖怪の現役期間は短くなっている。
それでも「どこかにいるんじゃないか。」という夢想は日常を少しドラマチックにしてくれる気がする。

是非一度鬼太郎茶屋で妖怪に囲まれてみて頂きたい。きっと次の日から物陰に妖怪たちを見ることだろう。
ちなみに私が1番好きな水木しげる作のキャラクターは『河童の三平』の"タヌキ"。

フィルフリーク

2014年に結成。"あなたの日常を少しドラマチックに。"をコンセプトに活動する、広瀬とうき(Vo/Gt)、ゆっこ(Key/Vo)、ツカダユウキ(Ba)、小竹 巧(Gt)からなる男女混声ロック・バンド。広瀬とゆっこの男女ツイン・ヴォーカルが映えるポップな楽曲たちを、人の感性に触れるバンド・サウンドで支え、自分たちの等身大を表現する。2019年に"ROAD TO EX 2019"で優勝し、翌年に初の全国流通盤ミニ・アルバムを発売。2023年4月に設立された"Renegades' Music,Inc."よりデジタル・シングル「アナザーストーリー」を8月にリリース。10月より"フィルフリーク LIVE TOUR 『0024』"を開催する。