フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第1回】
2023年03月号掲載
初めまして。
フィルフリークのベース、ツカダユウキです。
私のコラム「フィルフリーク ツカダユウキのサブカル部!」では、【サブカルチャー】をテーマに、
映画や音楽、地域文化やネットミーム、実体験や社会学、(たまにアングラ)などについて語っていこうと思います。
第1回目のテーマはこちら。
『新宿駅から5分のインド』
かのみうらじゅん氏は言った。
「○○○は日本のインドだ。」と。
andymoriが楽曲"CITY LIGHTS"にて待ち合わせ場所に指定した街。
音楽漫画"ウッドストック"の主人公"成瀬楽"が住む街。
小説家ねじめ正一氏を生み、後に彼の小説の舞台となった街。
その街とは『高円寺』である。
西荻窪や阿佐ヶ谷などと『中央線カルチャー』というワードで一括りにされることがある。確かに近しい空気感はあるが、私はどこよりも『カオス』そして最も【サブカル】であると思っている。
例えば、地下鉄新高円寺駅からJR高円寺駅を真っ直ぐ繋ぐルック・パル商店街。
シーシャ屋から漂う独特な香りに気を取られながら少し進むと、スチームパンク雑貨屋が古着屋の陰から忽然と現れる。
その先の老舗の八百屋の隣に突如ガチャガチャ専門店が出来たと思えば、その隣のチェーン店は次訪れる時には別のチェーン店に変わっている。
そのさらに先は、ねじめ正一氏の小説にちなみ名付けられた"純情商店街"、昔ながらの居酒屋が立ち並ぶ"高円寺ガード下"、そして"中通り商店街""庚申通り商店街"へと続く。
近年【サブカルチャー】が"サブ"なのは名ばかりで、今や"メインカルチャー"の一つになりつつある。
サブカルの「わかるひとだけの特権」は本来メインの影で少数派が持つものだったが、SNSの普及によりいわゆる「にわか」を含めた大多数が共有した結果、メインカルチャーとなり「特権」が失われてしまった。
必要以上に光をあてることはサブカルにとってお節介にもなりかねない。
【サブカル】という少数派のオアシスとは本来適度な距離を保つべきである。
しかし高円寺という街では、スーツのビジネスマンとよれよれのヒッピーがすれ違い、ビールと焼鳥で昼間から愚痴を言い合い、タトゥーだらけの外国人が八百屋の前で値札をじっくり見ている。
そんな一見チグハグな光景も(良い意味で)どうでも良い。
様々な文化が混じり続けるこの街では互いに心地よい距離を置く「無関心のスキル」が育っており、【最小単位のサブカルチャー】が確立している。
平たく言えば「よそはよそ、うちはうち」である。
高円"寺"というだけあって仏教の「共に是れ凡夫ならくのみ」が染み付いている。
これはまさに「多様性の時代」のあるべき姿だと思う。
大手の娯楽施設こそ無いものの、何度訪れても飽きない『カオス』と『居心地の良さ』がある。
下町的でありつつ新しい風が吹き込む窓は開いており、ほど良く流動的。
そして、来るものは拒まず去るものは追わないようにと、もはや玄関までも開放されたような懐の深さ。
アナログとデジタル、敏感さと鈍感さ、若者と昔ながらのコミュニティ、これらの絶妙なバランスがこの街を作り上げている。
私はこれを"ネオ下町バランス"と呼んでおり、高円寺を他とは一味違う【サブカルタウン】にさせた所以だと捉えている。
今日も行きつけのシーシャ屋では"少数派"がそれぞれの時間を楽しんでいる。
その横で私はお気に入りのチャイフレーバーの濃い煙に視界を遮られながらこの文章を書いている。
フィルフリーク
2014年に結成。"あなたの日常を少しドラマチックに。"をコンセプトに活動する、広瀬とうき(Vo/Gt)、ゆっこ(Key/Vo)、ツカダユウキ(Ba)、小竹 巧(Gt)からなる男女混声ロック・バンド。広瀬とゆっこの男女ツイン・ヴォーカルが映えるポップな楽曲たちを、人の感性に触れるバンド・サウンドで支え、自分たちの等身大を表現する。2019年に"ROAD TO EX 2019"で優勝し、2020年に初の全国流通盤ミニ・アルバム『Reverse Youth』をリリース。2022年11月に3rdミニ・アルバム『STORY STORE』を発売し、同作を引っ提げた東名阪リリース・ツアー"MAiN STORY"を開催した。
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