アルカラの「ぐるぐるムニムニ化計画」【第40話】

2020年03月号掲載

アルカラ

昨年自分への誕生日プレゼントとして神戸が誇る通販会社"フェリシモ"さまが発売したドラえもんの布団カバーを購入した。
人気商品なので生産が追いつかず誕生日に間に合わなかったが、1月の中頃に無事下上家に到着してそれ以来うちの床でずっと寝ている。

思えば気付いた時からドラえもんが好きで、もう理由なども思い出せないくらいなんとなく好きなのである。
ただし、"ドラえもんのこの話が好き"とかいう会話はなかなか苦手だ。
わたくしは概念としてのドラえもんが好きなのだ。
だいたいこう説明しても、みんなには首を傾げられることが多い。
もちろんドラえもんの話も映画も基本的にはたくさん見ているし、好きには違いないんだけれど、言葉にするのがとても難しい（そんなことってありませんか！？）。
個人としてはなんとなくドラえもんを眺めているだけで幸せになれるのである。
逆にドラえもん好きの人と話しても話が続かないことが多い。
人と気持ちを共有することのなんと難しいことか。

その事についてしばらく考えてみたのだけれど、何もかもワクワクさせてくれる事が好きなのだと思う。
結局、良いことも悪い事も、素敵な事もみじめな事も、沢山の事が存在するから全て感動できるのだろう。
ドジでマヌケだけど、スマートでカッコいいドラえもんを見ている時や想像する時が楽しくて仕方ないのだ。

のんびり寝てるドラえもんを見ていると、何十年後かにはドラえもんは起きてみんなのそばにいるのじゃないか！？と思う事もある。

まだ昭和の時代、連載されているドラえもんの話の中で、まるでスマートフォンのような物が出てたのだ。
藤子先生の先見の明には恐れ入る。

バンドをやっているのも、ネコフェスをやりつづけているのも、結局はワクワクしたいのだと思う。

昔は歳をとったらどんどん楽しみが減るのだと思っていたけれど、40歳目前にして逆に沢山の事が楽しみになってきた。

30年苦手だったコーヒーも突然好きになったし、絵がずっと苦手だったのにネコのイラストを描いてみたり、ふとしたことで三国志を読み、それをきっかけにして歴史に少しずつ興味が湧いてきたり。

人生とは良い事も悪い事も本当に何が起こるかわからなくてワクワクドキドキするもので、それをメンバーとチームと共に少しずつ実現できているのが楽しく嬉しい。
そして、それを見てくれてるみんなにもそう思わせられるように今後も精進していく所存でございます。

今回のツアーもドキドキワクワクの対バンとワンマンを交ぜたはじめてのパターン！
機材とか演奏とかにも変化を恐れず、色々マイナーチェンジしてみましたー！

まだまだ自分たちのワクワクを沢山の人と共有できるようにがんばってゆくぞー！

長いツアーなので、皆さまのタイミングが合う時がもしあれば、是非遊びに来てくださいましー！

アルカラ　下上貴弘

アルカラ

自称"ロック界の奇行師"。ギター・ロックやオルタナティヴなどの音楽性を基調としながら、ひと筋縄でいかない自由奔放さで唯一無二の世界を築き上げている。2013年に地元神戸にてサーキット型フェス"ネコフェス"を立ち上げ、以降毎年開催。2017年7月にキャリア初のフル・アルバム『KAGEKI』をリリース。2018年6月にはcinema staffとのスプリットEP『undivided E.P.』を発表した。2019年12月に通算10枚目のアルバム『NEW NEW NEW』をリリースし、現在同作を引っ提げた全国20ヶ所を回る全国ツアー"NOW NOW NOW"を敢行中。

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