アルカラの「ぐるぐるムニムニ化計画」【第3話】

2014年01月号掲載

新年あけましておめでとうございます！

アルカラのぐるぐるムニムニ化計画第3回目はドラムの疋田が担当します。
昨年ニューアルバム『むにむにの樹』をひっさげて全国を回ったツアーも大成功に終わりました！応援していただいた方々本当にありがとうございます。

さてさて、今回のアルバムのテーマが「おとぎ話」ということなので、自分もおとぎ話について書いてみようと思います。前々回の下上氏、前回のキリスト様は海外のおはなしだったので、日本のお話に焦点を当ててみたいと思います。

日本の有名なおとぎ話を自分の独断と偏見で大きく3つに分類してみると、「勧善懲悪」タイプと「正直者が救われる」タイプそして「教訓」タイプに分けられます。
「勧善懲悪」タイプは、ヒーローが悪者を退治に行く爽快感を求めたお話です。たとえば、桃太郎、金太郎、一寸法師、サルカニ合戦などですね。なぜか仲間になるのが動物なことが多いところも似ていますね。
「正直者～」タイプは「ズルすると悪い結果になるよ」ともいえます。こぶ取りじいさん、笠地蔵、花さかじいさん、舌切り雀など。おじいさんが主役になっていることがほとんどかも。
「教訓」タイプは生きていく上での知恵や教えを物語として伝えているものですね。耳無し芳一、三枚のお札、一休さん、わらしべ長者などなど。教訓だけあってお坊さんを題材にしているものがたくさんありますね。

ここまでを前置きとして(長い...)自分で勝手に決めた３分類にも関わらず、どこにも属さないひときわ異彩を放っている作品があります。

そう、「かぐや姫」です。

日本最古の物語といわれている「竹取物語」を題材としたおとぎ話で、小さい頃に読んだ時は、
「かぐや姫が月に帰れてよかったね！」
くらいしか思っていなかったのですが、このコラムを書くにあたって、昨年にジブリが「かぐや姫の物語」という映画をやっていたので、そちらを見てみました。とても絵がきれいでほんわかできたのですが、内容として、副題に「姫の犯した罪と罰」というテーマを掲げているだけあって、見終わった後にものすごく考えさせられる作品でした。
簡潔に言うと...

最終的に誰も幸せになりません

おじいさんは、かぐや姫を育てているときは清貧で心優しい人だったのが、お金を持ち、貴族や帝から姫が求婚されることによって欲が強くなり姫が月に帰るきっかけになってしまいます。
求婚する5人の貴族は珍品を探しに行った際に散々な目にあってしまいます。
帝も、かぐや姫を愛するあまり、姫が月に帰ってしまってからは食事ものどを通らなくなってしまいました。
かぐや姫にいたっては、月に帰る際に天の羽衣をまとったことによって地球での記憶が一切なくなってしまい、月の人として今後過ごしていくことになります。
おはなしとしては、すごくきれいでハッピーな印象を持っていたのに登場人物のほとんど、特に主役が悲しみすらも忘れてしまうような終わり方に切なくなってしまいました。

他のおとぎ話も、大人になった今もう一度読み返してみると、子どもの頃に感じていたものとはまた違う新たな発見ができるかもしれませんね。

かぐや姫はいろいろな絵本も出ていて、こんな一冊も。