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LIVE REPORT

Japanese

アルカラ×女王蜂

Skream! マガジン 2016年11月号掲載

アルカラ

Official Site

2016.10.03 @LIQUIDROOM ebisu

吉羽 さおり

ビクターロック祭り番外編"IchigoIchie Join 4"が10月3日、恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。出演は、アルカラと女王蜂。2バンドともに出身は神戸だが、今回が初共演だという。フロアには、アルカラのファンと、女王蜂のファンがライヴでは必須アイテムである色とりどりのジュリ扇をはためかせて入り乱れた状態。まずアルカラの4人がステージに登場すると、歓声とともにそのカラフルなジュリ扇もひらひらと揺れる盛り上がりで、会場が一体となったいいムードだ。"最後までよろしく"という稲村太佑(Vo/Gt)の言葉で、1曲目「癇癪玉のお宮ちゃん」で幕を開け、続く「チクショー」ではどしゃめしゃに激しいビートとノイジーなアンサンブルを響かせて、稲村は首に掛けたタンバリンをガシャガシャと弾きながら、会場の温度を上昇させる。次の「LET・IT・DIE」は11月23日にリリースとなるニュー・シングルからの曲で、田原和憲(Gt)の扇情的なギター・リフと哀愁感漂うメロディがエモーショナルに絡みながら、リズムのスピードが気分がアップダウンするように切り替わっていく、テクニカルな変化球サウンド。その奇天烈さをも、豪快なパワーでまっすぐに聴かせてしまうのがアルカラだ。"本日お集まりのみなさんに、プレゼントがあります。新曲持ってきたでー"と稲村が言うと銅鑼が登場し、同じくニュー・シングルから表題曲の「炒飯MUSIC」を披露した。TVアニメ"ドラゴンボール超"のエンディング・テーマでもあるこの曲は、派手な銅鑼の音やワウ・ギター、シンセ・ベースと、クセのある要素が満載。味つけはこってりだが、キャッチーでダンサブルな曲となっていて、ライヴで高い瞬発力を発揮していた。

"今日は女王蜂を観に来て、アルカラを観るはめになった人には、全部新曲だと思うけど"と言いながら、"あと8万曲くらいあるからな! いけるのか!"と稲村はフロアを焚きつけ、「やるかやるかやるかだ」で観客の熱狂を爆発させる。「アブノーマルが足りない」、そして「半径30cmの中を知らない」では、爆裂するようなバンド・アンサンブルで魅せる。分厚くて濃密な塊となった音を、歌謡的な微熱感のあるメロディ、歌がコーティングしていく。アグレッヴな曲だが、グッと胸に響くドラマをも生み出していった。"ラスト1曲、置いていくから。しっかり受け止めてくれ"と「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」で、エモーショナルにこの日のステージをまとめ上げて、女王蜂へとバトンを繋いだ。

アルカラはライヴ中にジュリ扇を使ったりしていたが、女王蜂はアヴちゃん(Vo)がタンバリンを首に下げて登場するなど、初のツーマンへの心意気が窺える。そのうえ、「金星」でスタートした女王蜂は、アルカラの「キャッチーを科学する」もカバーしたりと、この日に向けてサプライズを用意。エンターテイナーぶりも満点で、フロアのジュリ扇は一層激しく振られ、扇子のない人はハンドクラップしたり拳を突き上げたり、ジャンプで応えていった。冒頭からほぼノンストップで「一騎討ち」まで、ボリューム感たっぷりのファットなサウンドとロックで、ディスコティックな空間を生んでいく。上下ブラックスーツのキリッとした出で立ちのアヴちゃんは、クールにステージを闊歩しながら歌い、強靭なビートとともに美声を響かせるルリちゃん(Dr)のコーラスと、妖艶なハーモニーを響かせ、すっかり女王蜂の世界へと観客を連れ立って、酔わせていった。
ガンガンとアゲていく前半のパワーから一転して、中盤はメロウで歌心のある女王蜂の魅力で惹きつける。「もう一度欲しがって」から「売春」という流れで、切なくて繊細な歌を響かせる。両バンドともに、その歌にしっとりと叙情的な歌謡の匂いを感じさせる。初のタッグで、一見、劇物同士で混ぜたら危険と思いきや、とてもしっくり来る組み合わせだ。

そんなことに想いを馳せながら、うっとりと聴き惚れていたのも束の間、「デスコ」で観客の興奮を一気にマックスへと引き上げる。パワフルなアンサンブルで会場をゆさゆさと揺らして、ジュリ扇の振りもますます激しくなるなかで、アヴちゃんはセクシーにズボンを脱ぎ捨てシャツ1枚の姿に。すらりとした美脚でステージを歩き、ハイからロウまで激しく上下するメロディを操って、観客を虜にしていく。"ほらまだ足りない まだまだ足りない アブノーマルが足りない"と、アルカラの「アブノーマルが足りない」のフレーズを使ってさらにフロアを盛り上げる。アヴちゃんは、アルカラとは同じ神戸出身であること、話をしたら地元の駅まで一緒だったこともわかり、改めてレーベルの垣根を越え今回呼んでくれたことに感謝して、神戸ということで最後は関西弁での曲をと「告げ口」を披露した。壮絶なヘヴィネスと絶叫とが入り交じる圧巻のエンディングに、会場は最大の歓声と拍手を送った。アンコールでは女王蜂の演奏に、アルカラが乱入。個性と個性のぶつかり合う、特濃のステージで締めくくった。