ドレスコーズのアルバム『バイエル(Ⅱ.)』のレビュー公開。音楽における"言葉"の意味を改めて知る、"成長するアルバム"の第2章に迫る

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ドレスコーズのアルバム『バイエル(Ⅱ.)』のレビュー公開。音楽における"言葉"の意味を改めて知る、"成長するアルバム"の第2章に迫る

2021.05.10 18:00

ドレスコーズ

"成長するアルバム"というヒントとともに突如リリースされた『バイエル』から2週間強。ピアノ・インストだったそれを受けて"志磨遼平の考えていることはわからない"とか、独自に歌詞を乗せてみるとか、ピアノでカバーするとか、リスナーの中でも"育って"いるさなか、志磨のヴォーカルが乗った『バイエル(Ⅱ.)』が配信リリースされた。曲名もある。ここで思うのは言葉というものの意味だ。おぼろげなオルガンに乗る1曲目のタイトルが"大疫病の年に"と付いた途端、これはフィクションじゃないと感じる。アルバムを聴き進めていくと、過去にないほど素直な言葉でコロナ禍以降の私たちの生活の変容、人との関わりの変化が描かれる。皮肉なことに100年に一度あるかどうかわからない危機は、むしろ私たちに普遍的な問いをリアルに考察する機会を与えてもいるのだ。例えば"自分の考え"とは何か。そして忌み嫌っている思想や存在と何がどれぐらい違うのか。また、ご飯や睡眠に比べて、音楽や花や素敵な服や香水なんかはなくても死にはしないけれど、それがないことで私たちのメンタルはどれほどすり減るのか。もちろんそんな直截な言葉ではないけれど、歌という言語表現が乗ることで、一気に"バイエル"の軸にあるものが見えてきた。でも、頭を抱えて悩むことはない。これはドレスコーズからファンへのラヴ・レターでもあると思えるからだ。私たちは会えない時間、同じ花を飾って過ごそう。加えて10曲目の「よいこになる」で、人の気配が現れ、第1弾にはなかった「ピーター・アイヴァース」のバイエル版で、既発のバージョンよりローファイでガレージなバンド・サウンドが聴こえる。これはなんのヒント？新生の狼煙なのだろうか。（石角友香）
　

なおSkream!では、ドレスコーズのアルバム『バイエルⅠ.』のレビューも公開中。
　

ドレスコーズアルバム『バイエルⅠ.』レビュー

▼リリース情報
ドレスコーズ
7thアルバム
『バイエル』

CD：2021.06.16 ON SALE
　
【初回盤"全訳バイエル"】（3CD＋Blu-ray）
KICS-93984～6／￥7,000（税込）
【通常盤"バイエル"】（CD＋Blu-ray）
KIZC-624～5／￥3,850（税込）
【LP】　※KING e-SHOP限定
NAS-2082／￥3,500（税込）
　
[DISC1]　※共通
1. 大疫病の年に
2. はなれている
3. ちがいをみとめる
4. 不良になる
5. ローレライ
6. しずかなせんそう
7. 相互扶助
8. 不要不急
9. ぼくをすきなきみ
10. よいこになる
11. スコラ
12. ピーター・アイヴァース (バイエル版)
　
[DISC2]　※初回盤のみ
1. 練習曲第1番
2. 練習曲第2番
3. 練習曲第3番
4. 練習曲第4番
5. 練習曲第5番
6. 練習曲第6番
7. 練習曲第7番
8. 練習曲第8番
9. 練習曲第9番
10. 練習曲第10番
11. 練習曲第11番
　
[DISC3]　※初回盤のみ
"こどものバイエル"
大疫病の年に
ちがいをみとめる
ローレライ
不要不急
ぼくをすきなきみ
※順不同
　
[Blu-ray］　※初回盤、通常盤収録
MV（「ピーター・アイヴァース」＋新曲）
ショート・フィルム　※初回盤のみ
　
配信：NOW ON SALE
1. 大疫病の年に (Ⅱ.)
2. はなれている (Ⅱ.)
3. ちがいをみとめる (Ⅱ.)
4. 不良になる (Ⅱ.)
5. ローレライ (Ⅱ.)
6. しずかなせんそう (Ⅱ.)
7. 相互扶助 (Ⅱ.)
8. 不要不急 (Ⅱ.)
9. ぼくをすきなきみ (Ⅱ.)
10. よいこになる (Ⅱ.)
11. スコラ (Ⅱ.)
12. ピーター・アイヴァース (バイエル版)
　
配信はこちら

▼ツアー情報
"《バイエル（変奏）》"
6月8日（火）福岡BEAT STATION
6月10日（木）大阪BIG CAT
6月12日（土）名古屋CLUB QUATTRO
6月25日（金）札幌PENNY LANE24
6月27日（日）仙台Rensa
6月29日（火）神奈川CLUB CITTA'
［チケット］
立見前売￥5,000 / 当日￥5,500（D代別）
■一般発売：5月15日（土）～
注意事項／詳細：https://evilamag.com/news/post/2477/