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ドレスコーズのアルバム『バイエル』レビュー公開。全11曲すべてピアノ・インストの"新作"を前触れもなく配信リリース、この視点は現在なのか?未来なのか?

2021.04.16 18:00

ドレスコーズのアルバム『バイエル』レビュー公開。全11曲すべてピアノ・インストの"新作"を前触れもなく配信リリース、この視点は現在なのか?未来なのか?

ドレスコーズが4月7日0時になんの前触れもなくニュー・アルバム(?)を配信した。その唐突さ以上に驚きを禁じ得ないのは中身。というのも、全11曲すべてピアノ・インストなのだ(1曲目はオルガンも入っているが)。この音源をそのまま真に受けることは難しい。というのも、先日メジャー・デビュー10周年の音楽的な変遷を、演者そのものを入れ替えながら見せたライヴ"志磨万博(志磨遼平「IDIOT TOUR 2020」-TOKYO IDIOT-)"で表現し、ひとつの区切りを示唆すると同時に、それは今後もフロントマン、そしてバンドマンとしての人生を全うする意思表示でもあったように見受けたからだ。このピアノ・インスト、素直に聴くと、ピアノの単音フレーズはいかにも志磨が歌いそうなシンプルなロックンロール・ナンバーを想起させた。と、同時に完成されたロックンロールや、ポップスの楽曲をピアノ・アレンジした――例えば、病院の待合やデパートのエレベーターで流れるBGMを想起させる部分もある。
そこで仮説がいくつか立つ。本作はラフ・スケッチのようなものであり、ここにバンド・アレンジがなされ、ヴォーカルが乗る。もしくはメジャー・キーで素直な曲調が並ぶこの作品は、もしかしたらキュートなR&Rナンバーを逆にピアノ・アレンジしたものなのではないか。もしくはこのピアノ・インストそのものがドレスコーズの新作であり、これまでも様々なジャンルにアプローチしてきた志磨が、イノセントな哀しみと慰めを音として表したと取ることもできなくはない。個人的には名曲のピアノ・インストという、原曲から意味を漂白した事象にフォーカスすることで、時間を巻き戻す実験をしているのではないかと想像する。この作品は、まるでコロナ禍が収束したあとの未来から現在を振り返っているように思えてならない。オリジナルのリプライズのように。果たして志磨の計画やいかに......。続きはあるのか?(石角 友香)

 

▼リリース情報
ドレスコーズ
7thアルバム
『バイエル』
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NOW ON SALE
※配信リリース
 
1. 練習曲 第1番
2. 練習曲 第2番
3. 練習曲 第3番
4. 練習曲 第4番
5. 練習曲 第5番
6. 練習曲 第6番
7. 練習曲 第7番
8. 練習曲 第8番
9. 練習曲 第9番
10. 練習曲 第10番
11. 練習曲 第11番
 
配信はこちら

 

▼ツアー情報
"《バイエル(変奏)》"
6月8日(火)福岡BEAT STATION
6月10日(木)大阪BIG CAT
6月12日(土)名古屋CLUB QUATTRO
6月25日(金)札幌PENNY LANE24
6月27日(日)仙台Rensa
6月29日(火)神奈川CLUB CITTA'
[チケット]
立見 前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500(D代別)
■ドレスマグ購読者先行発売:~4月22日(木)23:59
■一般発売:5月15日(土)~
注意事項/詳細はこちら

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