Japanese
ドレスコーズ
2012年07月号掲載
Writer 沖 さやこ
2011年12月31日、毛皮のマリーズ解散。年が明け2012年1月1日、解散から10分後、毛皮のマリーズの首謀者だった志磨遼平は高円寺CLUB U.F.O.のステージに立っていた。ロックンロール・バンド“ドレスコーズ”の一員として――。
毛皮のマリーズが2011年1月19日にリリースしたアルバム『ティン・パン・アレイ』。 “東京”をコンセプトとした作品で、多数のゲスト・ミュージシャンを招き、バンド・サウンド以外の様々な楽器を用いて制作された。それは志磨遼平がバンド・サウンドからなる音楽に一切興味を持てなくなっていたからだという。彼は団体競技者から個人競技者になっていた。だがその事実に志磨自身も不満を感じていた。だからこそ新しい挑戦が必要だった。その挑戦とは“また同じように小さなロックンロール・バンドを結成すること”“そしてすべての美しい夢を、もう一度しらみつぶしに具現化させてゆくこと”“そしてその幸せをバンド全員で、丹念に味わうこと”――僕とバンドを組まないか、どうか僕を助けてほしい。志磨はロックンロール・バンドを結成するために、メンバーを探し始めた。まず集まったのが、昔志磨とツアーを回っていた丸山康太(Gt)と、『ティン・パン・アレイ』制作時に出会った菅 大智(Dr)。志磨はこの2人と共に、CLUB U.F.O.のカウントダウン・ライヴにシークレット出演した。ロックンロール・バンド“ドレスコーズ”が産声を上げた瞬間だった。
それから間もなくして、ドレスコーズはスタジオに籠りきりになり曲作りを開始。志磨がメロディを持って行くこともあれば、丸山がフレーズを持ってくることもあり、その場のジャム・セッションで出来上がる曲もあった。各々違った音楽性を持つメンバーは、全員が納得するまで何度も何度も試行錯誤を繰り返す。春が近づく頃には10数曲もの楽曲が完成した。そして2月29日、志磨は昔ツアーを回っていた旧友である山中治雄(Ba)と再会を果たす。ドレスコーズにベーシストが誕生した。それから2週間後、4人はレコーディングを開始。そこで録音されたのが、ドレスコーズの初音源となるデビュー・シングル『Trash』だ。そして4月1日、公式サイトがオープンし、正式にリスナーへバンドの結成を表明。6月には開催1週間前に大阪、名古屋、横須賀のワンマン・ライヴを発表し、全公演をソールド・アウトさせた。そして7月11日、満を持して『Trash』がリリースされる。
表題曲となる「Trash」は、第144回芥川賞受賞作である西村賢太原作「苦役列車」の映画化作品「苦役列車」の主題歌。志磨は同曲について“すべてのバンドが、生まれたばかりの時にだけ放つ輝き。不安、焦り、苛立ち、希望、憧れ、そういったものが渾然一体となって匂い立つようなムードを、この曲は持っています”と語っている。その言葉通りなのは間違いない。そしてこの曲の魅力は何と言っても膨らみのあるバンド・アンサンブルだ。歌詞だけを読めば死を想起させる悲しい曲かもしれない。だが、音にも歌にも歓喜の感情が満ち、それを大切に抱え込むような包容力がある。死を歌いながら、新たな誕生を尊ぶ。一見矛盾しているかもしれない。だが“再会”が生んだ4人の出会いは、それを奏でるに相応しい。
1月1月の初ライヴでは「禁じられた遊び」、THE ROLLING STONES「The Singer Not The Song」などカヴァーを披露していたドレスコーズが、唯一演奏したオリジナル曲がTrack.2の「TANGO,JAJ」。志磨がこのバンドをイメージして書いた最初のナンバーとのことだ。不思議なムードが醸し出されるタンゴ・チックなジャジーなナンバー。そこからロックンロールに展開したりと、バンドの懐の広さを感じさせる。吐息も混じる志磨の妖しげなヴォーカルは耳に残り、異国情緒溢れるというよりは見たこともない世界に迷い込むような感覚に陥る。そのアウトロから重なるのがTrack.3「パラードの犬」。志磨が映画「苦役列車」を見た後、その勢いのままにスタジオに飛び込み書き上げたミディアム・ナンバーだ(だが“1stシングルにするには暗すぎる”という理由で主題歌には「Trash」が採用に)。今回収録された3曲は、総じて4人の出す音がとても美しい。どの音も輝きを放ち、ひとつひとつ大事に鳴らされているのが、とても印象的だ。以前にも増して志磨の歌声にも、メロディと音に対する敬意を感じられる。それは信頼出来る3人のメンバーへの、スピーカーの向こうにいるわたしたちへの、そしてロックンロールへの歓喜と愛情なのではないだろうか。迸る衝動を、大胆に、かつ繊細な仕草で音に封じ込める。ドレスコーズは日本のロックンロール・シーンに、新たな扉を開く――。
- 1
LIVE INFO
- 2024.04.25
-
フレンズ
a flood of circle
FINLANDS
SHIFT_CONTROL
UNISON SQUARE GARDEN
Bubble Baby
挫・人間
BUMP OF CHICKEN
神はサイコロを振らない
the shes gone
KANA-BOON ※開催中止
- 2024.04.26
-
四星球
ReN
The Ravens
フレンズ
a flood of circle
BREIMEN
ズーカラデル
愛はズボーン
Base Ball Bear
原因は自分にある。
Mr.ふぉるて
ザ・クロマニヨンズ
Maki
いきものがかり
Alstroemeria
Aqilla
超能力戦士ドリアン
yama
THE BOYS&GIRLS
LONGMAN
MOROHA
Rhythmic Toy World
Homecomings
ORCALAND
POPPiNG EMO
ヤングスキニー
SANDAL TELEPHONE
- 2024.04.27
-
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
ReN
TK from 凛として時雨
TRIANGLE 2024
People In The Box
ポップしなないで
"ARABAKI ROCK FEST.24"
BIGMAMA
SEKAI NO OWARI
ズーカラデル
KEYTALK / キュウソネコカミ / ポルカドットスティングレイ ほか
セックスマシーン!!
SAKANAMON
原因は自分にある。
BACK LIFT
リュックと添い寝ごはん
Base Ball Bear
SCANDAL
岡崎体育
the engy
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
Johnnivan
スカイピース
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Novelbright
Amber's
THE YELLOW MONKEY
Ado
SPENSR
- 2024.04.28
-
ASP
眉村ちあき
ASH DA HERO
ポップしなないで
TRIANGLE 2024
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
People In The Box
"ARABAKI ROCK FEST.24"
SEKAI NO OWARI
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
The Ravens
Omoinotake
THE BOYS&GIRLS
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
いきものがかり
MYTH & ROID
愛はズボーン
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
ハシリコミーズ
礼賛
にしな
Ado
Laughing Hick
- 2024.04.29
-
ReN
fox capture plan
岡崎体育
TRIANGLE 2024
小山田壮平
ザ・クロマニヨンズ
シノダ(ヒトリエ)
リュックと添い寝ごはん
私立恵比寿中学
ゆいにしお
Creepy Nuts
眉村ちあき
ASIAN KUNG-FU GENERATION / THE ORAL CIGARETTES / Vaundy ほか
moon drop
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
Age Factory
the shes gone / Ivy to Fraudulent Game / ドミコ / パスピエ ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / Not Secured,Loose Ends ほか
The Ravens
愛はズボーン
"JAPAN JAM 2024"
Novelbright
超能力戦士ドリアン
ヤユヨ
Poppin'Party × MyGO!!!!!
- 2024.04.30
-
I Don't Like Mondays.
シノダ(ヒトリエ)
藤巻亮太
君島大空
山内総一郎(フジファブリック)×斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)
フラワーカンパニーズ
- 2024.05.01
-
I Don't Like Mondays.
神はサイコロを振らない
ハンブレッダーズ
忘れらんねえよ
Rhythmic Toy World
アカシック
GRAPEVINE × Hedigan's
- 2024.05.02
-
サカナクション
君島大空
Novelbright
神はサイコロを振らない
ゆいにしお
Maki
- 2024.05.03
-
I Don't Like Mondays.
サカナクション
古墳シスターズ
フレデリック / 04LimitedSazabys / キュウソネコカミ / BLUEENCOUNT ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 弐ノ名 ほか
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
清 竜人
ザ・クロマニヨンズ
VIVA LA ROCK
RAY
いきものがかり
- 2024.05.04
-
Machico
KiSS KiSS
ExWHYZ
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ビッケブランカ
KEYTALK / THE BACK HORN / THE BAWDIES / FLOW ほか
SCANDAL
岸田教団&THE明星ロケッツ
フィロソフィーのダンス
ドレスコーズ / 特撮 / 小林私 / 月蝕會議 ほか
halca
"JAPAN JAM 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.05
-
go!go!vanillas
I Don't Like Mondays.
古墳シスターズ
ExWHYZ
愛はズボーン
Machico
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ザ・クロマニヨンズ
ユプシロン
ASP
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 星歴13夜 ほか
JYOCHO
SEKAI NO OWARI
"JAPAN JAM 2024"
BiS
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.06
-
I Don't Like Mondays.
愛はズボーン
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
小山田壮平
ヒトリエ
挫・人間
ぜんぶ君のせいだ。
SHAKALABBITS
夜の本気ダンス
SEKAI NO OWARI
ヤングスキニー
SCANDAL
かりんちょ落書き
VIVA LA ROCK
- 2024.05.08
-
礼賛
I Don't Like Mondays.
WANIMA
MOROHA
KALMA
Ryu Matsuyama
神はサイコロを振らない
cadode
RELEASE INFO
- 2024.04.25
- 2024.04.26
- 2024.04.27
- 2024.05.01
- 2024.05.02
- 2024.05.03
- 2024.05.04
- 2024.05.05
- 2024.05.06
- 2024.05.07
- 2024.05.08
- 2024.05.09
- 2024.05.10
- 2024.05.15
- 2024.05.17
- 2024.05.22
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
BREIMEN
Skream! 2024年04月号