Japanese
ドレスコーズ
インタビュアー:TAISHI IWAMI
ドレスコーズこと志磨遼平が"人類最後の音楽"というあまりにも大きなテーマを掲げ、仲間たちと作り上げた最新アルバム『ジャズ』。それはいやが上にも高まる期待値を志磨らしいやり方で超えてくる、2019年、ひいてはポップ・ミュージックの歴史における重要作として、語り継がれるものになるであろうポテンシャルを秘めた作品だと断言しよう。世界の現在を直視し、未来を見据えたときに辿り着いた、記録を残さない移動民族であるジプシー(ロマ)の音楽を出発点に、普遍的なメロディや現代的なプロダクションまでも追求した自由な発想が躍動する音楽の旅は、コンセプチュアルな流れ、曲単位での輝きなど、どこを切り取っても凄まじく美しい。まさにアルバムとして理想的な強度を獲得した作品であることが、ひしひしと伝わってくるインタビュー。ぜひともじっくり読んでいただきたい。
-唐突ですが、志磨さんは毛皮のマリーズ時代に"ティン・パン・アレイ"というタイトルのアルバム(2011年)をリリースされています。
ほう。そこからきますか。
-"ティン・パン・アレイ"とは、20世紀初頭のアメリカはニューヨークにあった音楽出版社やそこに集まった作曲家たちを指した言葉であり、John CarterやTony Macaulayら、1960年代~70年代のUKの作曲家たちもそう呼ばれていました。作品にはどちらの要素も入っていますが、タイトルの意味合いとしては前者ですよね?
そうですね。あれは前者の、ニューヨークのブリル・ビルディングの音楽家たちのことです。
-他にも毛皮のマリーズには、「ボニーとクライドは今夜も夢中」(2010年リリースの1stアルバム『毛皮のマリーズ』収録曲)という1930年代に凶悪な犯罪を繰り返したカップルをタイトルにした曲もありました。そして今回のアルバム・タイトルが"ジャズ"で、目を向けた音楽が20世紀よりずっと前から存在するジプシー(ロマ)音楽。志磨さんが音楽を始めた初期衝動は1950年代以降のロックンロールだと思うんですけど、諸作にはロックンロールが誕生する以前の文化に対する思いも、重要な要素として存在しています。そこで、まずは志磨さんが1950年以前の文化に興味を持ち、掘り下げるようになった経緯について、話を聞かせてもらえますか?
なるほど、面白い。今回のアルバム・タイトルは"ジャズ"なんですが、そう聞いて多くの人が想像するであろう、いわゆる4ビートで"チーチッチチー......"みたいなアルバムではない。QUEENやTHROBBING GRISTLEと同じ"ジャズと言っといてジャズじゃないシリーズ"ですね。
-とはいえ、感覚的にジャズと大きくかけ離れているわけではない。
はい。要するに、おっしゃったような1950年代以前の時代の輝きに僕は惹かれるのです。で、この話のゴールはもう見えました。そしてそれはいきなり今作『ジャズ』の核心にまでいってしまうものです。
-それは興味深いです。
ゴールは見えてるんですけど、そこまでが長い(笑)。どこから話し始めようかな......。まず、僕は今37歳なんですけど、10代のころからいわゆるロックンロールのファンで、遡って聴いたのは70~80年代のパンクから、せいぜいChuck BerryやElvis Presleyといった50年代のもの、あるいは40年代のブルースあたりまでだったんです。それ以前の文化を掘り下げるきっかけになったのは、30歳あたりから絵を好きになったことですね。中でも1920年ごろのパリ、それこそピカソやマティス、クレーとか、エコール・ド・パリの面々とか。とにかくパリが大騒ぎだったころの芸術にどハマりしまして。
-絵画がきっかけだったんですね。
そこから、ジャン・コクトーやマルセル・デュシャンらがやっていたことにも強烈に惹かれていきました。権威主義の"大先生"と呼ばれていたような人たちには到底理解できないような、意味のない芸術作品と言いますか。"芸術から意味を抹殺しろ、燃やしてしまえ"と言わんばかりの"ダダイズム"と呼ばれた芸術運動があったことを知ったんです。それは、僕が10代から熱中していたパンクとまったく同じ流れなんですね。実際にパンクの代表的なバンドであるSEX PISTOLSの『勝手にしやがれ!!』や、BUZZCOCKSのシングル『Orgasm Addict』のジャケットなどは、完全にダダの手法でデザインされています。新聞紙を切り貼りして作った犯行声明文みたいなコラージュですね。
-妙に高尚になったものや、形骸化したものに対するカウンターですね。
"パンクは1920年代から始まってたんだ"とハッとしました。で、その人たちが聴いていた音楽がジャズだったんです。ジャズが最も新しくてオルタナティヴな音楽だった時代。その発信源はアメリカで、アメリカが一番潤って栄華を極めたのもそのころです。とにかくゴージャスで質も量もものすごいことになっていた。まさに狂乱、自分たちこそが地球の主役なんだと騒ぎまくる、人間が最も調子に乗っている様の象徴のような。
-そのころの光景が目に浮かぶような話ですね。
お金もめちゃくちゃあって文化にどんどんつぎ込める。ジャズのビッグ・バンド編成なんかまさにそうじゃないですか。甘い勝利の美酒に酔っている時代の音。それと最近Bob Dylanが1950年代のロックンロールのことを"原爆に乗ってやってきた悪魔の音楽"と言っていたことが繋がって、気がついたんです。1950年代や60年代のロックンロール/R&Bって、実は人類の進歩に陰りが見え始めたころの音楽なんじゃないかって。
-第二次世界大戦とロックンロールが関係していると。
原爆が実戦で使われ、アメリカとソ連の緊張状態もピークだったころは、多くの人が今よりもっとリアルに"近いうちに世界は終末を迎えるんだ"って感じていたはずです。ボタンをひとつ押せば瞬く間にこの世は滅びてしまう。となれば、もう騒いだ者勝ちですよ。その最後の大騒ぎがロックンロールの発生なのかもしれないと気づいたんです。ロックンロールって、今のポピュラー・ミュージックの輝かしい"スタート"としてカウントするのが一般的じゃないですか?
-まさに。食えないジャズ/ブルーズ・ミュージシャンが、より万人に向けてショウ・アップしたエンターテイメント性の高い音楽性をもって、一攫千金を狙った。そういうイメージです。
ですよね。でも実は、これは"終わりの始まり"なんですよ。ビッグ・バンド編成のジャズが隆盛を極めたあと小さなコンボになっていくのは、ビッグ・バンドを雇うほどのお金がなくなったから。すると、暇になったジャズ・ミュージシャンたちが自主的にセッションとかを始めるんです。そこで腕を磨くために速いパッセージとかアドリブとかを延々とやりまくって、ジャズ自体もそこからモードっぽい方向に進むじゃないですか。だから最も栄華を極めていたのは第二次世界大戦の前で、それ以降の文化や音楽はどこかに陰がある。やけっぱちの"ええじゃないか"みたいな。ロックンロールもそうだと思うんです。あくまで独自の見解ですけど。
-なるほど。
で、僕がティン・パン・アレイとかパリの芸術が好きなのも、人間が最も調子に乗っている、自分たちがやっていることになんの疑いもなく突き進んでいる時代の娯楽だから。そこにすでに失われたものとしての儚さや美しさを感じているからだと思います。そして、その儚さや美しさが今回のアルバム『ジャズ』の核心なんです。
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