Japanese
ROCKのススメ Vol.1
Skream! マガジン 2014年11月号掲載
2014.10.09 @渋谷WWW
Writer 石角 友香
Skream!とHMVがタッグを組んだブランニューなイベントの第1回の記念すべき出演バンドはtricot、HaKU、フレデリック。開催前の対談でお互いの"ファン"であることや、関西出身バンドであることのシンパシーがヒシヒシと伝わってきて、最初にラインナップを見たときに感じた"レアな顔合わせだな"という印象は大きく期待の方向にウィングを広げていた。そして対談で"最初は踊らせへんぞぐらいの感じでやってたのに、気付いたら(オーディエンスが)勝手に踊ってた。グッときたら身体が動く、そういうのが踊れるロックなんかなと思います"というtricotの中嶋イッキュウの発言が何かこの3マンの本質を予言している気さえした。つまり初回にしておのおのガチな勝負をしてくれるであろうと!
一番手は2週間前にメジャーからの初ミニ・アルバム『oddloop』をリリースしたばかりのフレデリックが登場。初見の人も多いはずだが、大きな歓声に迎えられ、レトロな雰囲気を醸し出すSEで登場し新作からミディアム・ナンバー「うわさのケムリの女の子」でスタート。三原健司(Vo/Gt)のクセのあるヴォーカルは物語を表現するような身振りも相まってさらに濃い印象を残し、三原康司(Ba)とkaz.(Dr)の、ファンク・ミュージック寄りのリズム、赤頭隆児(Gt)の無国籍感たっぷりなフレーズがライヴでも見事なアンサンブルを築いていることに思わず笑いがこぼれてしまう。初開催の一番手としての気合を健司が放った後は"死んだサカナのような眼をしたサカナのような生き方はしない〜"というトリッキーな歌詞で中毒者を大量に発生させた「SPAM生活」で、さらに多くの腕が挙がる。
そのままタイトルに偽りなしの2014年型ディスコ・チューン「ディスコプール」で、割と幅広い年齢層のフロア隈なく揺れさせたかと思うと、フレデリックならではの摩訶不思議で民話チックな「峠の幽霊」でポップなのにドープという妙な感覚に陥る。つまりもう、やる曲やる曲すべてがフックだらけなのだ。音楽は物理的に踊れるBPMだから踊るなんてものではなく、思わず身を乗り出してしまうような好奇心に火をつける何かがあるかないか。フレデリックというバンドの強さはそれに尽きる。若干、気負いを感じるMCもあったけれど、言葉以上に音楽が人を動かす、そのフレッシュな現場を見た。ラストは早くも"踊ってない夜を知らない"のシンガロングが起こった「オドループ」で自由に身体を動かす人が続出。健司の講談めいた歌唱に一瞬"フレデリック音楽一座"なんて言葉が浮かぶほど、4人の演奏に濃い〜キャラが内在しているバンド像も、すさまじく中毒度の高いものだった。いやはやあっぱれ!
次のバンドのセッティングを見ているとシンセが設置されていて、どうやらキャリア上、初の同期やシンセを用いたノンストップ・ライヴ音源『Reincarnation Lev.1〜out break〜The LIVE』を9月にKKBOX限定で配信リリースしたHaKUが今日もそのスタイルでライヴを行うことが分かる。SEが流れる中、登場し爆音を鳴らすと同時にのっけから「dye it white」でアッパーに飛ばし、シンセも担当しているにもかかわらず、三好春菜(Ba/Vo)のテンションの高さに眼を奪われる。テクノ的なアプローチをギターで創出する藤木寛茂(Gt)のテクニックとエフェクトのインスピレーションでイントロから歓声が沸く「think about you」。辻村有記(Vo/Gt)と三好の男女ツイン・ヴォーカルの美しさに磨きがかかった印象も受けた。同期やシンセを導入することで、若干、藤木のアクロバティックなまでのギターが整理されているのは好みが別れるところだと思うが、音の隙間はむしろ増え、アンサンブルやブレイク、リズムのタイトさで高揚させるスタイルへのシフトを体感。中盤にはメロディの強さと、フロントの3人が鋭いリフをユニゾンで放つアレンジが冴える「眠れぬ夜にライトをあてて」をプレイし、改めて複雑なアレンジも含めた曲の良さを実感。そしてハイトーン・ヴォイスを完全にモノにした辻村の歌の強さにもバンドの状態の良さを見た。そしてフロント3人がジャンプしながらプレイし、それを多彩なのにタイトに聴かせる長谷川真也(Dr)が下支えする構図がくっきり見えた「asayake」あたりになると、再びどのバンドのファンも自由に身体を動かして、WWW全体にグルーヴが発生。めくるめく展開を持つHaKUの構築美に馴染んできたばかりという人もいただろうが、ラストの「アステリズム」であっという間の35分強のアクトは終了。シーケンスを使おうがやはりHaKUは演奏の機微でノリを生み出せるバンドに違いない。
トリはこの夏、東欧ツアーや伝説のオルタナ・バンド、PIXIESのオープニング・アクトも経験してきたtricot。もう出音のデカさが半端ない。そしてリズム・チェンジもブレイクも予期できないタイミングで襲いかかる「おちゃんせんすぅす」で呆然としているオーディエンスは間違いなく初見の人だろう。トライヴァルの極みを叩きつける「アナメイン」、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba)の小柄な身体からぶっ放される太いビートでさらに唖然をするフロアが、それでも抗うことのできない胎動に巻き込まれていき、見事なまでのエンディングを決めた「おもてなし」では歓声というより思わず出た"うわー"とか"めちゃカッコイイ"という声に、その場にいる者同士が笑い合う。もちろん、ファンは前方でグネグネ踊っているわけだが(笑)。初めての出会いの強烈な化学反応の中でも1番、驚きに満ちた空間を作り出したのがtricotだったというわけだ。中盤にはAメロこそポップで中嶋イッキュウ(Vo/Gt)の繊細〜イノセントに張り上げるヴォーカルが印象的だが、やはり一筋縄では済まない展開が待ち受ける「POOL」、目下の新曲でありフロント3人のコーラスが不思議な浮遊感を醸す「Break」はまさにタイトル通りで、打破、突破を目指してもんどりうってカオスに突入するようなアンサンブルに思わず、フロアからも"うぉおおおお!"と言葉にならない反応が。曲を知ってるとか知らないとか、ジャンルがどうとかいう垣根をむしろ難解と呼べる彼女たちの音楽が突破していく痛快感。冒頭の中嶋の発言を引用するまでもなく、彼女たちは楽しんで自分たちとオーディエンスのイマジネーションをぶつけ合う。ラストのブロックはジャム・バンド的なアルペジオを奇妙なダンスとともに器用に放つキダ モティフォ(Gt)をはじめ、さらにカオスの色を濃くする「slow line」、ヒロミ・ヒロヒロの"かかってこいやー!"の一声でさらにヒートアップするWWWに爆音を轟かせる「99.974℃」を投下し、ステージを後にしたメンバーたち。サポート・ドラムとのアンサンブルも緩急の鋭さが増し、早くもフル・セットを見たくなってしまった。そう。それは3バンドに共通して言えることなのだが、攻めのキャッチーさがそれぞれ違う表現で屹立していたのだ。WWWというキャパシティと構造も演奏を捉えることができた要因だろう。意外だと感じたこの顔合わせだったが、エッジと掴みの強さという意味では共通点を見せ、互角の勝負をしてくれた。
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