Japanese
中嶋イッキュウ
2024年05月号掲載
Interviewer:石角 友香
tricotやジェニーハイ、好芻と表現のアウトプットを拡張する中嶋イッキュウが初のソロ・アルバム『DEAD』を発表する。2016年に始めたソロ・プロジェクトで限定的に発信していた楽曲を旧知の山本幹宗(Gt/好芻)のアレンジと、山本、佐藤征史(Ba/くるり)、あらきゆうこ(Dr)、ジェニーハイでもお馴染みの新垣 隆(Pf)の新たなバンド・サウンドでブラッシュアップ。また、tricot作品も手掛けるin the blue shirtもリミックスとトラックメイクで参加。今、ソロに本格着手した理由や様々な表現におけるスタンスの違いを導入に、『DEAD』の全貌に迫る。
-そもそも2018年にソロ作『火曜曲-The Tuesday Songs-』を作られたときは限定的なリリースでしたね。
もともとソロをやろうってなったのが、前の長く一緒にやってたマネージャーから、tricotのドラムが抜けて3人になったときに、全員ソロ作品を出したら面白いんじゃないかっていうお話があったんです。それがきっかけで作ったんですけど、蓋を開けてみたら自分しかやってなくて(笑)。このソロ活動っていうものの持っていき方っていうのが、そのときはまだtricotもメインで――今もメインですけど、より精力的に動いてたので、あんまりこっちで目立ってもなっていうのもあったし、ちょうど同じ頃に自分でブランド(SUSU by Ikkyu Nakajima)を立ち上げてたので、せっかくだったらtricotと同じようなシーンで活動するんじゃなくて、ファッションとか自分の好きなアートと絡めた音楽作品にしたいなと考えて、音楽をメインでやられてるみなさんがあんまりやらなそうな発信の仕方でやってました。Tシャツの柄からダウンロードできるとか、グッズとして缶バッジ(型オーディオ機器)にして発売するというふうにやってましたね。
-それを今回のタイミングで改めてレコーディングしようと思ったのはなぜなんですか?
ずっと様子は窺ってたというか、あまりにも聴けてない方とか聴けなくなった方が多いのと、作品を好きと言ってくださってる方もいらっしゃいますし、単純にいろんな音楽プロジェクトに携わらせていただきましたけど、自分ひとりでゼロから最後までプロデュースして音楽を作るっていうのがなかったので、実力試しじゃないですけど、"自分はどういうのが好きなんやろう"と。どうしても人とやってると、その人も嬉しくないと嫌だなっていうふうに向かっていっちゃうので、一回わがままに表現するとどうなるのかなということでずっとやりたかったんですけど、コロナ禍でライヴがあまりできなかったから、tricotのリリースが結構続いたというか、曲作りをメインにやった数年があって。で、いったん出し切ったというか、コロナも落ち着いたのでライヴにってシフトしていったときに、"でも私はやっぱり曲を作りたいな"って思っちゃったんです。そこでちょうど隙間というか、tricotのほうで新しいリリースもないし、ベースのヒロミ(・ヒロヒロ)さんもソロ活動をやられたりしてますけど、その間も個々での活動でもっとtricotを知っていただけたり、tricotのリリースがなくても次までみんなの楽しみがあるような状態にしたいというので、今のタイミングがぴったりだったかなと思いました。
-ソロも合わせて4つもアウトプットがあって、別の脳を使う感じなんですか?
そうですね。tricotは家族というか実家みたいな感じで、もう信頼しきっている仲間との楽曲作りなので、ある意味みんなが楽しくっていうか、いい家庭を築きたいっていうような感じになってるんですけど、ジェニーハイのほうは学校みたいな感じというか、学ばせていただくことも多いですし、tricotとまた違ったシーンで出ていけたり、tricotが特殊なのもありますけど、聴いてくださってる層もまた全然違って。あとはメンバーも面白い方ばかりなので本当に楽しませていただいて、学ばせていただいてる場所で。好芻は(山本)幹宗さんっていう、私より経験も音楽知識も豊富な先輩とふたりでやらせていただくっていうのも、なんか部活みたいな感じというか(笑)。ジェニーハイでは作曲をやっていないし、ギターも持ってないので歌とかパフォーマンスに振ったり、ステージも大きかったりして、いろんなまったく別の脳がありますけど、幹宗さんとはもう少し作るほうの学びとか、いろんな経験になっているなっていうふうに思いますね。
-そう考えると家があっても個人は個人ですもんね。
(なのでソロは)ひとり暮らししてるみたいな感じというか、好きな家具を置いて好きなもの食べて、みたいな感じですね。家族がいなくてもひとりで生活できるのかとか、学ばないといけないこともたくさんあると思うので。
-今年SNSの発信もしばらく休んでいたのも、さすがにこれだけ複数のプロジェクトがあったら発信の量も膨大だからですか。
そうなんです。やっぱりファンの方たちも情報過多で、何を追えばいいのかわからなくなってくるだろうなっていうのもあって、一度それぞれのオフィシャルを見ていただくように流すようにした感じですね。
-いったん休んでみてどうでした?
めちゃくちゃSNSが大好きだったんですけど、"なくてもいいんやな"って気づいたというか、ないほうがいいとも別に思わなくて、何も変わらなかったっていうのが一番の驚きでしたね。SNSで表現することもありますし、情報を流してほしいとかプライベートなところを見たいっていうのもあるかもしれないですが。自分は毎日友達のストーリーを思考停止状態で見てましたけど(笑)、別に見んでもいいなっていうか、毎日友達が何してるかなんて知らなくてもよかったんやなって気づきましたね。
-たしかに。以前作っていたソロをもう一回まとめようと思ったとき、最初は何から始めました?
とにかくいつ、どうやってリリースしようっていうのは去年の9月ぐらいから相談させていただいてて。その他の活動との兼ね合いもあるので、一番いいタイミングっていつかなっていうところで最初は3月~4月を目指してたんですけど、そこからスタートダッシュが遅れちゃったんです。最初はもうちょっとボリューミーなものを一発出して終わろう、ぐらいの気持ちだったんですけど(笑)、時間的にも予定してた時期からあんまり遅らせるとまた別のリリースと被っちゃったりっていうのがあるので、少し曲数を減らして。で、ちょうど5月29日が誕生日で、たまたま水曜日だったんで(笑)、リリース日にさせていただきました。
-このアルバムのタイトルは"DEAD"で、SUSU(by Ikkyu Nakajima)の2021年の作品展のタイトルが"DIE in 2019"じゃないですか。なんでそこまで死にこだわるのかという。
(笑)そうですね。"DIE in 2019"は当時――またファッションからになるんですけど、産業廃棄物みたいなのに注目してた時期で、コロナで暇だったのもあるんですけれども(笑)、そういう記事とかを読むのが好きで。服が好きでいっぱい買ってたけど、買えば買うほどやっぱゴミも増えるし、ファスト・ファッションみたいなのを買ってすぐに捨てるっていうのは少しもったいないなぁって思ったりしたときに、私は古着とかもすごい好きなので、お洋服を蘇らせようっていう気持ちで、"一回死んだもの"としてテーマに掲げてやってますね。今回の『DEAD』も、一度リリースしたことがあるものを蘇らせるという意味で、デッド・ストックじゃないですけど、倉庫から出してきましたっていうことで"DEAD"だけ取って付けました。
-今回のメンバーのみなさんがわかったから言えることですけど、くるりや、くるりに参加されたメンバーという印象が強くて。
うん、そうですね。
-どんな経緯で参加してもらったんですか?
幹宗さんはもともと10年ぐらい前に出会ったんですけど、当時BOOM BOOM SATELLITESのサポート・ギターをやってらして、tricotをツアー("FRONT CHAPTER Vol.4")に呼んでいただいて出会って。ちょうどそのぐらいにtricotが上京して、東京のお知り合いのお兄ちゃんとしてよく遊んでもらってたんです。で、2016年に1曲だけ作って先行配信した「sweet sweat sweets」って曲のときに、知り合いが全然いなかったというのもあって、本当に自分が一緒にやりたい人且つ頼みやすい人ということで、幹宗さんにギター弾いてほしいですってお願いして。知り合いがいないんで"ベースは誰がいいと思いますか?"みたいな相談をして"佐藤(征史)君はどう?"って紹介していただいて、やってみたらそのときの曲が私はすごく気に入ったので、今回もお願いしました。当時の匂いを残したいっていうのがすごくあったんで幹宗さんと佐藤さんはマストだったんですが、ほかは新たに出会った人たち、出会ったことのない人ともやってみたいという気持ちもあったので、また幹宗さんに"誰かいい人いないですか"って聞いたらBOBOさんかあらき(ゆうこ)さんと。どっちもくるり(のサポート・ドラマー)だったんですけど。
-最強ですよね。
BOBOさんはtricotでご一緒したこともあったので、会ったことがない人がいいなっていうことで、あらきさんにお願いしました。いろいろ聴いてみたらやっぱり素晴らしいし、今回の曲で叩いてほしいなっていうドラムだったんで、ダメもとでお願いしてみたところご一緒することができたっていう感じですね。
-このメンバーになったっていうことは、中嶋さんの中に音のイメージがあったんでしょうね。
そうですね。バンド曲は結構バンドっぽくしたいっていうのがあって。でもtricotみたいなソリッドな感じっていうよりはもうちょっとふくよかというか、包容力も欲しかったので、経験豊富なこのメンバーのみなさんですごいありがたかったですね。
LIVE INFO
- 2025.12.12
-
Hump Back
VII DAYS REASON
Chimothy→
崎山蒼志
LiSA
Another Diary
凛として時雨
TOMOO
Nikoん
BIGMAMA
PENGUIN RESEARCH
moon drop
ねぐせ。
私立恵比寿中学
くるり
PEDRO
サカナクション / Creepy Nuts / 羊文学 / ちゃんみな ほか
flumpool
the shes gone
VOI SQUARE CAT
SAKANAMON / Broken my toybox / SPRINGMAN / KEPURA
BRADIO
ザ・クロマニヨンズ
僕には通じない
LONGMAN
- 2025.12.13
-
MONOEYES
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
ぜんぶ君のせいだ。
VII DAYS REASON
Vaundy / THE ORAL CIGARETTES / sumika / マカロニえんぴつ ほか
UVERworld
eill
フラワーカンパニーズ
LITE
DURAN
SHERBETS
清 竜人
ポルカドットスティングレイ
moon drop
Nikoん
石崎ひゅーい
吉井和哉
9mm Parabellum Bullet
Cody・Lee(李)
flumpool
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
[Alexandros]
Appare!
秋山黄色
藤沢アユミ
キタニタツヤ
THE SPELLBOUND
- 2025.12.14
-
downy / toe / unripe / aieum
(sic)boy
VII DAYS REASON
LiSA
ねぐせ。
10-FEET / クリープハイプ / go!go!vanillas / Saucy Dog ほか
UVERworld
ぜんぶ君のせいだ。
Devil ANTHEM.
フラワーカンパニーズ
TOMOO
NEE
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
OAU
PEDRO
Nikoん
石崎ひゅーい
kobore / Suspended 4th / ザ・シスターズハイ / ザ・シスターズハイ ほか
鶴
SHERBETS
RADWIMPS
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
MOSHIMO
スカート
PHALUX
Bimi
ASP
22/7
古墳シスターズ
クジラ夜の街
[Alexandros]
キタニタツヤ
- 2025.12.15
-
MONOEYES
Kroi
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
anewhite
山田将司(THE BACK HORN)/ 大木伸夫(ACIDMAN)/ 内澤崇仁(androp)/ 村松 拓(Nothing's Carved In Stone) ほか
TOOBOE
Mrs. GREEN APPLE
Hump Back
- 2025.12.16
-
くるり
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
優里
YOURNESS
GANG PARADE
ザ・クロマニヨンズ
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.12.18
-
桃色ドロシー
あいみょん
くるり
Nikoん
東京初期衝動
The Ravens
リーガルリリー
ザ・クロマニヨンズ
点染テンセイ少女。
渡會将士
高岩 遼
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
Homecomings
PompadollS
- 2025.12.19
-
(sic)boy
Helsinki Lambda Club
桃色ドロシー
ガラスの靴は落とさない
Nikoん
flumpool
吉井和哉
東京初期衝動
LiSA
BIGMAMA / THE BOYS&GIRLS / KALMA / オレンジスパイニクラブ / ハク。
SHERBETS
VII DAYS REASON
キノコホテル
羊文学
僕には通じない
Mrs. GREEN APPLE
BLUE ENCOUNT
- 2025.12.20
-
NANIMONO
PENGUIN RESEARCH
LACCO TOWER
RADWIMPS
ポルカドットスティングレイ
ぜんぶ君のせいだ。
The Cheserasera
flumpool
ハシリコミーズ
ZOCX
クジラ夜の街
ExWHYZ
浪漫革命
mudy on the 昨晩
"MERRY ROCK PARADE 2025"
ザ・クロマニヨンズ
Awesome City Club
LUCY
アイナ・ジ・エンド
め組
ACIDMAN
UVERworld
パピプペポは難しい
eastern youth
Mrs. GREEN APPLE
優里
- 2025.12.21
-
NANIMONO
The Biscats
桃色ドロシー
クジラ夜の街
RADWIMPS
LACCO TOWER
NEE
東京スカパラダイスオーケストラ
GLIM SPANKY
フラワーカンパニーズ
MOSHIMO
DURAN
(sic)boy
"MERRY ROCK PARADE 2025"
VII DAYS REASON
ザ・クロマニヨンズ
LiSA
Appare!
Newspeak
齋藤知輝(Academic BANANA)
Keishi Tanaka
鶴
清 竜人25
MONOEYES
暴動クラブ
UVERworld
OKAMOTO'S
優里
- 2025.12.22
-
DOES
東京スカパラダイスオーケストラ
フラワーカンパニーズ
Kroi
FINLANDS
アーバンギャルド × 氣志團
あいみょん
RELEASE INFO
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.22
- 2025.12.24
- 2025.12.26
- 2025.12.29
- 2026.01.01
- 2026.01.04
- 2026.01.06
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
- 2026.01.14
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ZOCX
Skream! 2025年12月号











