シュレーディンガーの犬 × Laughing Hick

INTERVIEW

Japanese

シュレーディンガーの犬 × Laughing Hick

2023年11月号掲載

Laughing Hick ホリウチコウタの能ある君は僕を隠す

シュレーディンガーの犬

Official SiteX

シュレーディンガーの犬：ならく　いち　もな　さりあ　るるか
Laughing Hick：ホリウチコウタ（Vo/Gt）たいち（Dr）あかり（Ba）
Interviewer：山口哲生　Photographer：川野晴都

－（笑）ホリウチさんのベスト・オブ・恋愛リアリティ・ショーってなんです？

ホリウチ：僕は"あいのり"が好きかもしれないですね。自分的に世代ではないんですが、作り込まれた感じではなく自然な感じで観れるというか。

いち：観てみます。

ホリウチ：でも、アイドルなのに恋愛の話は大丈夫なんですね。

いち：いや、アイドルとかじゃなくて女の子なんで（笑）。

あかり：あぁ、それよりもね（笑）。

いち：そうです。恋をしてるとかじゃなくて、恋したいとか、恋に夢見てる感じなので大丈夫です。

ホリウチ：良かったです（笑）。

－あかりさんも、ホリウチさんの書く歌詞に生々しさみたいなのはすごく感じます？

あかり：やっぱりリアルだなって思いますね。ふんわりしたことを歌うこともあるんですけど、さっきいちさんが言っていたみたいにピンポイントで突かれると、そっちのほうがキツいというか（笑）、"これ、私の歌じゃん！"ってなりやすい。そこは自分も魅力として感じているところでしたし、他のアーティストは生々しいものを避けるなかで、そこをちゃんと刺しに行ける。人にはちょっと言えない恋愛経験がある人とか、友達には言いづらいことがある人を救ってあげる音楽も素敵だなと私は思うので、そういうところはすごく惹かれます。

－では、次はいちさんからの質問ですね。

いち：個人的な感想としては、結局男側がクズというイメージを持ってしまったんですよ。でも、なんで毎回男がクズになるのかなって。女のクズもいるじゃないですか。

ホリウチ：そうですね。そうですねっていうのもおかしいか（苦笑）。

一同：ははははは（笑）。

ホリウチ：やっぱり僕が歌うから、女性のことを悪く書くと角が立ってしまうし、自分も自慢できるほどいい恋愛をしてきてないから、わりとそうなるのかなと思います。

いち：クズな人の歌を歌っていて、"マジでこいつほんとクズだな"って思ったりしますか？

ホリウチ：思う曲もありますし、"どうしようもない夜に寄り添ってあげられたらいいな、このクズめ"みたいな。そういう気持ちもありますね。

さりあ：悲しくて報われない曲が多いですよね。私も出てくる男の人がクズだなと思って、世の中にこんな人がいるんだって悲しくなっちゃって（苦笑）。そういう感じの曲が多いのはなぜなんですか？

ホリウチ：自分の好みなのかもしれないですね。クリープハイプしかり、My Hair is Badしかり、そういう恋愛の曲を好んで聴いてきたからこそ、そこを僕なりに表現できたらなっていう。だから、自分の救いたいところがそこじゃなかったっていう感じですかね。きっとさりあさんとしては、さりあさんが救われるものがたくさんあると思うんですけど。

さりあ：でも、歌詞はすごく好きです。

ホリウチ：えっ（笑）？

さりあ：こういう人もいるんだなと思って、すごく面白かったです。

いち：私はクズ男大好きなんで嬉しかったです。

－なぜまたクズ男が好きなんです？

いち：メンバーからは"おかしい！"ってめっちゃ言われるんですけど、浮気大歓迎なんですよ、私。

Laughing Hick一同：えぇー！

いち：自分が浮気されてOKだったっていう経験からそう言っているのではなくて、もし自分が一般人で恋をするとしたら、浮気大歓迎っていう気持ちがあって。

ならく：でも、ほんとにされたら変わるんじゃない？

ホリウチ：たしかに。

ならく：大歓迎はヤバくない？

いち：それも理由があって。"自分も遊びたいからいいよ"じゃなくて、浮気したうえで私が絶対に一番っていうのを確信して戻ってきてほしいんですよ。

ならく：ある種の優越感みたいなものなのかな。

いち：そう！そこは自分じゃ気づかせてあげれないから、他の人にも行っていいよって。

ならく：相手が帰ってくる前提なの？帰ってこなかったらどうするの？

いち：帰ってこなかったらいらない。いろんな人とご飯に行ったり、飲みに行ったり、遊びに行ったりしたうえで、自分が一番居心地が良くて、この人しかいないって思った状態で帰ってきたところを"おかえり"ってしたい。

ホリウチ：ほぉ......。

たいち：逆にすごい。

いち：そのほうが絆が深くならないですか？

ホリウチ：あぁ。でも逆に、自分もその人が一番なのかわからないじゃん。だから自分も遊び歩かないといけないじゃないですか、"この人が本当に一番なのか？"っていう価値観なら。

いち：その人がOKなら行きます。

ホリウチ：えぇーっ！？ちょっと！！

一同：ははははははは（笑）！

いち：でも、自分は浮気OKだけど、束縛されたいタイプなんですよ。だからクズが好きなんです。"行かないで"みたいな。

ならく：その男ほんと何......。

いち：それも優越感なの。"俺はお前の自由は許さないけど......"っていう。わかんない？

もな：わかんないし、その話もう何回も聞いた。2時間聞いてた。また今日も聞かなきゃいけないの？

Laughing Hick一同：はははははは（笑）！

いち：これをわかってくれる人がいないから！

ならく：いないよ。

いち：経験したら絶対に自分が傷つくのはわかるけど、それを踏まえたうえで、すっごい絆の深い恋をしてみたい。

ホリウチ：でも、なんとなくわかると言えばわかるというか。過去にお付き合いしていて、"他の人が見てみたい"ってちゃんと申告してくれた人がいて。でも、俺の場合は"いいよ"って言った結果、いなくなっちゃったんですよ。そのときに"うわぁ......行かせなきゃ良かった......"と思って。

いち：あれかもしれないです。自分は貰った愛のぶんしか返せないから、最初の時点では好きだから付き合うんですけど、絶対に手放したくないみたいな感じじゃないんですよ。好きになりたいから付き合うっていう。だから、帰ってきたときに好きっていうのを伝えられたら愛せるかもしれないと思っちゃうし、もし手放されたら、それはもうその段階を踏む前の話だから、深くないかもしれないって思っちゃう。

ホリウチ：なるほど。新しいなぁ......。

ならく：自分がめっちゃ好きな人に出会ったらまた違うってこと？

あかり：たぶんそういうことだよね？

いち：そうです。それはもうリアルな恋になるから、浮気してほしくないし。でも、過去にそういう人がいなかったんですよね。絶対にこの人は自分のものにしたいと思う人がいなかった。

ホリウチ：いい出会いがあるといいですね。今あっても困るのか（笑）。

たいち：ははははははは（笑）。

あかり：たしかに難しい（笑）。