Japanese
Laughing Hick
Skream! マガジン 2025年06月号掲載
2025.04.25 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer : 藤坂 綾 Photographer:Ayaka.
昨年10月にシングル『オリオン/愛なんて嘘は置いといて』をリリース、そのシングルを引っ提げ行われたバンド初となるワンマン・ツアーも、全公演ソールド・アウトで大成功に収めたLaughing Hickが、バンド史上最大キャパとなる恵比寿LIQUIDROOMにてワンマン・ライヴを開催した。会場は隅から隅まで人、人、人。その光景だけで、胸に込み上げるものがある。
いつものSEが流れ、メンバーが登場。"会いたかったぜ、リキッド(LIQUIDROOM)! 過去一の熱い空間作ろうぜ!"とホリウチコウタ(Vo/Gt)が叫ぶと、1曲目は「休憩と宿泊」だ。まさかの始まりに会場からは思わず"キャー"という声が上がる。あかり(Ba)とたいち(Dr)の心地よいリズム、変幻自在なホリウチのヴォーカルに一気に巻き込まれていくフロア、気持ちいい。"恵比寿LIQUIDROOMワンマン・ライヴへようこそ! 今日一番熱い空間、全員で作っていこうぜ!"とたいちが煽り、「ホンネ」へ。左右に揺れるファンの手がきれいすぎて鳥肌が立つ。すごい景色だ。ホリウチの"会いたかったぜ!"もそれに応える声も頼もしい。そして間髪入れずに「Bye-Hi」へと続く。放つエネルギーが凄まじく、さらには音以外での魅せる力も増し、この3曲だけで3人がこれまで重ねてきた日々を垣間見られたような気がした。LIQUIDROOMをものともせず、堂々とそこに立つ姿がただただかっこいい。
"傷つけられたからこそ、今でもずっと忘れられないんだなって"と歌い始めた「恋にしがみついて」から「ラストネーム」、「さよなら恋人、おかえり恋心」、「モノクロセカイ」と立て続けに演奏したミディアム・ナンバーでも、そのエネルギーは変わらず、まるでリアルな映画を観ているかのような美しさでオーディエンスの心を惹きつけ、揺さぶる。3人により命を吹き込まれた曲たちが、まっすぐこっちに向かってきた。ちょっと切なく、とても優しく。その流れのまま新曲「ふたりの恋」を披露し、「カフェオレ」へと繋ぐ。
"過去一の熱い空間をくれよ、リキッド!"と始まった「Local Hero」ではこの日一番力強い拳が上がり、演奏も迫力を増していく。たいちがクラップを要求し、この日2曲目の新曲「マラカイト」を披露。ラフィング(Laughing Hick)らしい遊び心がたっぷり詰まったダンス・ナンバーだ。そして「愛なんて嘘は置いといて」、「女だから」でステージとフロアが一体となる。特にこの日の「女だから」は演奏も歓声も何もかもがパーフェクトでゾクゾクしっぱなし。ラフィングのフロアはやっぱり最高だ。
これまでのバンド人生を振り返り、悔しい想い、情けない想いを吐露するホリウチ。"それでもあなたが出会ってくれたから、今日も歌を歌えてます。出会ってくれてどうもありがとう"と自身にとっても、バンドにとっても、ファンにとっても大切な曲「カシスオレンジ」を歌う。そして"俺たちのライヴが、俺たちのフロアが一番最高なんじゃないかっていうことを見せつけに行きたい"と6月からのワンマン・ツアー"RACCOON DOG TOUR"への想いを語り、"いつまでも俺たちの心の炎は消えない"と「ランプ」、"いつまでも俺たちの隣にあなたがいてほしい"とラストは「オリオン」。最後の最後に、緊張がほどけたかのような柔らかな笑顔を3人が見せ、再び"いつまでも、いつまでも、俺たちの隣にあなたがいますように"と幕を閉じた。
バンドは奇跡だと、私はそう思っている。そして出会いも奇跡だと、そう思っている。それぞれがそれぞれの一歩を踏み出さなければ、きっと出会うことも、交わることもない状況のなか、私たちはあの日LIQUIDROOMで出会い、全員であのライヴを作り出した。自分を信じてきた者だけが観られる景色――そんな素晴らしく、何にも代えられない景色を、Laughing Hickと彼等を愛する人たちに見せてもらったような気がする。永遠なんて絶対にないと分かっていても、いつまでもいつまでも、ラフィングを観続けていきたいと心からそう思う、愛に満ちた時間だった。
[Setlist]
1. 休憩と宿泊
2. ホンネ
3. Bye-Hi
4. 愛してるって
5. 中指を立てて
6. Cuz
7. 恋にしがみついて
8. ラストネーム
9. さよなら恋人、おかえり恋心
10. モノクロセカイ
11. ふたりの恋
12. カフェオレ
13. Local Hero
14. マラカイト
15. 愛なんて嘘は置いといて
16. 女だから
17. カシスオレンジ
18. ランプ
19. オリオン
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