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INTERVIEW

Japanese

Laughing Hick

2024年02月号掲載

Laughing Hick

Member:ホリウチコウタ(Vo/Gt) たいち(Dr) あかり(Ba)

Interviewer:藤坂 綾

昨年は立て続けにシングルをリリース、約4年ぶりとなるツアー[Laughing Hick LIVE TOUR 2023 "さよなら恋人、おかえり恋心"]も行い、バンドとして重要な1年を過ごしたLaughing Hickが、デジタルEP『カフェオレ』をリリースする。愛すべき"らしさ"はそのままに、それプラスまたひとつ先へと進化した全4曲には、間違いなくバンドの今が表れている。昨年の数々の経験を経て完成したこのデジタルEPについて、3人にたっぷりと話してもらった。


Laughing Hick史上一番熱いタイミングで、一番熱くて、一番聴かせたい曲を出そうと


-2023年はバンドにとって重要な1年だったと思いますが、振り返ってみていかがです?

ホリウチ:あかりが正式加入して、リリースも立て続けにして、年末にはツアーもあって、待ってくれてる人がこんなにもいるんだなとわかったことで、明確に伝える人、届けるところがあるということをしっかり確認できた1年になりました。

あかり:リリースにしてもツアーにしても、お客さんがこんなにも喜んでくれるんだと感じられたことが一番大きかったです。自分たちに対しての反応がはっきり見えたことで、それ以上のものを提供したいと思うようになったし、そうやってお互いが高め合えることができた1年なんじゃないかと思います。

たいち:あかりの加入があって、ツアーもあって、そんななかでお客さんがいてくれることが当たり前ではないんだなと改めて思いました。それに気づかされることで、感謝の気持ちを持って返していきたい、届けていきたいと、そういう気持ちが強くなった1年でしたね。

-昨年の活動が自信にも繋がったんじゃないですか。

ホリウチ:間違ってなかったんだなっていう、ひとつの答えを見つけた感じはあります。みんなで一緒にライヴを作り上げられるというのはそういうことだと思うんで、それは強く感じましたね。

あかり:いろんな成長もあるし、それによって自信もついてきたと思います。でも、自分的にはライヴが好きだと改めて気づくことができて、それも自信になったのかなって。いいことも悪いこともある日のなかでライヴを楽しみにしてくれてた人もいるだろうし、もちろん私たちもその日に向けて生活を繋げていくし、お互いにそういういろんな想いがあるなかでこの日を一緒に楽しみたい、作りたいっていう気持ちがどんどん大きくなっていったし、それはこれからもずっと変わらないと思います。

たいち:僕もあかりと同じで、ライヴをしていくなかでお客さんとの会話みたいなことがどんどんできるようになってる気がして、もっと楽しみたい、もっと一緒に作っていきたいという気持ちがどんどん大きくなってて、その気持ちを持てたことがもしかしたら自信なのかなとも思います。

-久しぶりのツアーはどうでしたか。

ホリウチ:すごく特色があって、セトリの作り方も勉強になったし、面白かったですよ。たしかに、会話してるみたいな感じだったかも。大阪でやったことが名古屋では通用しなくて、"あー、俺らの狙いと違ったか"みたいなこともあったし(笑)。

-え、どういうことです?

ホリウチ:大阪でやったらすごく反応が良かったことがあって、それを名古屋でもやろうぜってトライしたところ全然反応が違って、俺のひとりよがりだったんだって(笑)。

たいち:そんなことはない(笑)。

あかり:うん、そんなことはない(笑)。

ホリウチ:きっと受け入れてくれてはいるんだけど、恥ずかしがり屋さんが多かったのかな。

あかり:もうちょっと導き方があったのかなって。大阪は反応が良かったからって、そこに頼ってしまったところもあって、自分たちがもっと導くなり、さらけ出すなりしたら良かったんですよね。もっと身ぶり手ぶりでこっちも一生懸命教えてあげたら、みんなも手を上げることができたのかなとか、そういうところが伝えきれてなかった気がします。

ホリウチ:でもそれをまた次に繋げようと、いい勉強になりました。

たいち:試行錯誤してセトリを変えたり、そういうトライも楽しかったし、今後のツアーに繋げたいと思います。

-昨年の活動やツアーを経ての今回のデジタルEP、かなり手応えのあるものになったのではないでしょうか。

ホリウチ:いろんな恋愛を詰め込んだ4曲で、その中でストリングスのチャレンジがあったり、面白いリズムの展開の曲があったり、ひと筋縄でいかない感じも出せたし......。

たいち:ほんとそう、マジでそう。

ホリウチ:あはははは、ほんとそうだよね。Laughing Hickを多面的に見せられた、自信のあるデジタルEPになりました。

あかり:コウタさんの言った通り、これぞLaughing Hickというものになったと思っていて、Laughing Hickならではの恋愛を歌った「カフェオレ」から始まりいろんな恋愛を歌ってるんですけど、一曲一曲のキャラが全然違うからこそお客さんもいろんな聴き方ができるだろうし、だからこそいろんな方に届くんじゃないかなって。4曲だけどいろんな楽しみ方ができるおもちゃ箱みたいで、これはやっぱりうちのヴォーカルの強みだと思います。

ホリウチ:いやいやいや(笑)。

あかり:ほんとにほんとに。どの曲も、"似てる!"とは絶対にならないだろうし、それぞれの曲のキャラの違いと主人公の違いが面白くて、コウタさんが言ったようにいろんな面を見せることができたんじゃないかと。

たいち:多方面の恋愛観を歌った4曲の中で、リズムの変化の多い曲やいろんなタイプの曲があって、プレイヤーとしてもそこは新たなトライだったので、今までにない、新しいものを作り出せたかなと、満足してます。

-1曲ずつお話を聞いていきたいのですが、まず「カフェオレ」を書くきっかけというのは?

ホリウチ:この曲は、大好きな人を大好きなまま手放さなければいけないという恋愛もきっとあって、そのなかで幸せというのはなんだろうと、大人の気持ちと子供の気持ちの葛藤を書いたんですけど、今までLaughing Hickは10代後半から20代前半に向けてアプローチした曲が多かったんです。その枠を今回はもうちょっと大きくして、そこに届けられる曲にできたらなと、それとともにLaughing Hickとしての最高地点にいけたらなと思って。この曲を聴いてあのときに返れる人もいるだろうし、今タイムリーな人もいるだろうし、これから体験する人もいるだろうし、みんなと出会える曲が欲しかったんです。

-ということは、最近書かれたんですか?

あかり:これは2年前くらいですね。

-今がこの曲のタイミングだと。

ホリウチ:去年のリリースが続いたときから、この「カフェオレ」を出すためにアプローチしてきたっていうくらいこの曲に力を入れてたんです。いろんな曲を作ってきて、今Laughing Hick史上一番熱いタイミングで、一番熱くて、一番聴かせたい曲を出そうと。

-なるほど、まさにLaughing Hickとしての最高地点で、と。

あかり:ライヴではもうやってるんですけど人気があって、SNSで"「カフェオレ」のリリースいつ?"とか"またライヴでやって"とかたくさん反響をいただいていて。いい意味で入口が広い曲で、子供から大人になっていくという点では就職もそうだし、遊ばれてる女の子もそうだし、普通の子もそうだし、きっとそれぞれの立場でいろんな聴き方ができるのがこの曲のいいところだと思うんです。それプラス、ストリングスのアレンジを入れることで曲により広がりを持たせたという点は、バンドのトライとしても大きな意味を持つんじゃないかと思います。ベースのトライで言うと、いろんな音が加わるうえでの自分の役割を考えて、チームのみんなと話し合いながら、低音を固めてしっかり聴けるようにしました。

たいち:この曲は自分もすごく好きで、ライヴでやってても感情移入しちゃうから、"あー、大人にならなければ"とか思いながら叩いちゃってるんですけど(笑)。アレンジ面で言うと、冷たい冬の感じを出すのにスネアのロールを使ったり、新しいトライをしていて。なので楽曲的にもそうだし、個人的にも幅が広がった1曲になりました。

-ストリングスを入れてみての印象は?

ホリウチ:またひとつスケールの大きい段階にいけたなと。バンドとしても大きいステージが見えるような曲にしたかったし。もともと"コーヒーとマフラー"というタイトルだったんですけど、あるときマネージャーさんと話してたら、"カフェオレはミルクのほうが比重が大きいから、コーヒーとミルクは混ざらなくて2層に分かれる"っていう話になって、そこからヒントを得て"それじゃん!"って。

-あー、なるほど。

ホリウチ:ふたりで一緒に幸せになりたかったけど、お互いの幸せを願って別れたという恋愛を描きたかったから、混ざらなかったふたりっていう、それで"カフェオレ"。でもきっと、この先もずっと忘れることのない大恋愛なんだろうなっていうスケールは出したかったのでストリングスを入れて、彼女の重さみたいなものを、タイトルとアレンジで表現しました。