SODA KIT

INTERVIEW

Japanese

SODA KIT

2023年05月号掲載

ユプシロン

Official SiteTwitter

Member：Yupsilon　Rasetsu　Figaro　Mugei

Interviewer：高橋美穂

Yupsilon、Rasetsu、Figaro、Mugeiという個々で活躍してきた4人のVTuberによって結成された歌い手グループ、SODA KITが、1stミニ・アルバム『Formula』を完成させた。楽曲ありき、歌声ありき、実力ありきというアーティスティックな方向性で進み出したグループだけあって、インターネット・カルチャーという枠組みを越えて、音楽を広げていく可能性が感じられる作品になっている。これを機に全員にインタビューを行い、結成のいきさつから、今作ができあがるまで、そして未来への展望もじっくりと訊いた。

－まず、『Formula』について、どんな作品が完成したと思っていらっしゃいますか？

Yupsilon：SODA KITが始動したのが去年の12月なんですけど、その時点で2曲ぐらい作っていて。そこからトントン拍子でミニ・アルバムの話になったので、記憶にないぐらい制作に追われていました（笑）。できた瞬間はめちゃくちゃ嬉しかったんですけど、今は"あぁ、ちゃんと完成できた！"ってホッとしています（笑）。僕が作詞作曲をさせてもらったんですけど、"今"伝えたいことを詰め込めたと思います。

Rasetsu：最初（2023年2月）「DRAMA」を出して、次（2023年3月）に「コンテンダー」を出したんですけど、Yupsilonが今作のために新たに2曲を書き下ろしてくれて。そこでも僕らのことがモチーフになっているので、新たに僕たちのことを知ってもらえる作品になると思っています。

Figaro：メンバーみんなが言っている通り、私たちの物語の"今"を集めた作品を出せることが楽しみです。自分としては、（ミニ・）アルバムを作ることが初めての経験なので、ファンと同じ目線で作品を楽しみにしています。

Mugei：初めての作品なので、いい意味での初々しさがあるというか。まだ何にも染まっていないSODA KIT色が出ているので、SODA KITを知らない人でも、これを聴いたらこんなグループなんだってわかるぐらい、ひとりひとりの歌い方や雰囲気がしっかり出ていると思います。

－そもそも、個々で活躍してきた4人がSODA KITとなるまでには、どんな経緯があったんでしょうか。

Yupsilon：僕がSODA KITのみんなに声を掛けたんです。僕、歌い手もボカロPもシンガー・ソングライターもVTuberもひと通りやって、あとやってないのってなんだろう？って思ったら、グループ活動だったんですよ。周りの大人の方たちにも"グループ活動やったら成長できるよ"って言われて。絶対に向いていないとは思ったんですけど、やってみたい気持ちが勝ってしまい、いいなと思う人に声を掛けて、集まらなかったらやらないでいいやって思ったんです。そうしたら集まったので（笑）。Rasetsuさんはお兄ちゃんなんですけど、やろうって言ったらいいよって言ってくれて、フィーちゃん（Figaro）は僕が楽曲提供（2021年公開の「トワイライト」）したことがあって、そこからお友達になったんですけど、声を掛けたらいいよって言ってくれたんです。彼女は黙々と、ひとりで世界観を構築するタイプだったんで意外だったんですけど。

Figaro：そう思ってたんだ（笑）。

Yupsilon：一匹狼タイプだと思ってたんだけど（笑）、"やろうやろう！"って言ってくれて嬉しかったな。Mugei君はTwitterで歌が流れてきて知ったんですけど、RasetsuさんとFigaroさんと僕、プラスこういう声がいいなって思って声を掛けたら、最初は断られました。

Mugei：得体が知れなかったので（笑）。

Yupsilon：いきなりDMで、メンバーが誰かも何をやるかも何も言わないで"歌い手グループって興味ありますか？"って送ったら"ありません"って（笑）。それでRasetsu兄様に"断られちゃいました"って言ったら"ちゃんと説明した？"って言われて、"していない"と（笑）。

Rasetsu：だから"ちゃんと説明してきなさい！"って言ったんです（笑）。そんなん絶対に断られるでしょって。

Yupsilon：で、ちゃんと説明して、入ってくれることになって......"入ってくれる"ってなんかヤだな（笑）。

Mugei：しょうがなく入らせていただきました（笑）。

Rasetsu：Yupsilonも僕も、Mugei君は絶対に力になると思ったので、"なんとしても口説き落としてこい！"っていう（笑）。

Yupsilon：僕、グループをやるなら、全員バラバラの声がいいと思っていたんですよ。一緒に歌ったときに、似ている声がひとりもいないグループがいいなと考えてて。なのでこのメンバーを誘いました。

－Mugeiさん、"しょうがなく"とおっしゃいましたが（笑）、改めて説明を受けて、加入を決めた理由というのは？

Mugei：最初は"何をやるの？"って思って。歌い手グループって、エンタメに振った売り方をする場合が多いんですね。普通に歌うんじゃなく、例えば歌詞分けを打ち合わせしないで......"以心伝心"って言うんですけど、SODA KITもそういうのをやったりするのかな？って。自分はあんまりそういうのが好きじゃなかったんです。でもSODA KITは、どっちかというとアーティストらしく曲と歌唱力、世界観で勝負していくって聞いたので、じゃあやってもいいかなって。あとは、Yupsilonの人となりを知らなかったので、"急に！？怪しい"って思って（笑）、様子を見て入りましたね。

Yupsilon：様子見られてたんだ（笑）。僕がDMしたとき、Mugei君タメ語で"あ、歌のうめぇ人だ"って返してきたからね（笑）。

Mugei：そのぐらいしか知らなかったので（笑）。でも、一対一で話したときに、数合わせとかで誘ったんじゃないと、熱い思いをね、"君はいなくてはならないピースなんだ"みたいな伝え方をしてくれたんですよ。

Yupsilon：ユプシロンのソロで作っている曲や、これから作りたい曲の方向性を聴かせて"こういう曲をこんな声で歌ってほしい。だから入ってほしい"って。

Mugei：BiSHで言うならアイナ・ジ・エンドさんみたいなポジションになってほしいんだって。それに気分を良くして、じゃあ入ろうかと（笑）。

Yupsilon：それだったんだ（笑）。

Mugei：つまり俺が主役だろ？

Yupsilon：え？違うよ。

Mugei：違うの？じゃあ解散だ、解散っ！

一同：（笑）

－Figaroさんも一匹狼的な活動をされてきたんですよね。なのにSODA KITに入ろうと思ったのはなぜなんでしょう。

Figaro：たしかに私は、コラボ配信もしないし、自分の世界を作るための動画やイラストが主な活動だったんですけど、それって、信頼関係を築けるお友達がいなかったからっていうのもあって。でも、ワンマン・ライヴ（"Figaro 1st One-man Live『秘色 -Hisoku-』"）をしたときに、初めてユプ（Yupsilon）ちゃんに曲を書いてもらって、会ってお話ししたりレコーディングをしたり、いろいろ関わってきて、めちゃめちゃ信頼できる人だ！って思えたんです。自分の世界観をわかって曲を作っている方だし、憧れもあって。そんな方から誘われたから、やりたいやりたい！って秒で返事をしました。

Yupsilon：あぁ、嬉しいです！

Figaro：完全にリスペクトです。私なんかで良ければって。