Japanese
ユプシロン
Writer : 高橋 美穂
"僕が此処に在るから"──バーチャル・シンガーでもあり、リアルな存在でもあるユプシロンらしいフレーズの数々
歌い手で、ボカロPで、バーチャル・シンガーであるユプシロンが、6月19日に2ndミニ・アルバム『シニフィエ』をリリースする。2020年4月にバーチャル・シンガーとして活動を開始し、瞬く間にその少年のような少女のような不思議な歌声で人々を魅了し始める。2022年に発表した、自身が作詞作曲を手掛けた「フォージェリィ」が、デジタル配信サービスで1,300万回再生を超えるなど、着実にステップアップを果たしてきた。2023年4月にはデジタル・シングル「ZERO」で国内メジャー・デビュー。そして同年9月に1stミニ・アルバム『ガタカ』を完成させた。 2022年からはYupsilonとして、Rasetsu、Figaro、Mugeiという個々で活躍してきた4人のVTuberたちと共に結成した歌い手グループ、SODA KITでも活躍。そんな多忙な日々のなかで、『シニフィエ』の制作が決定。5月1日には、その片鱗が見える先行配信シングル「白夜」がリリースされる。
【MV】フォージェリィ // ユプシロン Original song ☽꧂
【MV】ZERO // ユプシロン Original song ☽꧂
作詞作曲はユプシロン、作編曲はsachiという、ユプシロンの楽曲ではお馴染みのタッグから生まれた「白夜」。主人公が大切な誰かに伝える"言葉"に辿り着くまでの物語を、手紙を読み上げるように歌った楽曲になっている。
まずは"「たとえばどこにいても/きみのことをずっとかんがえている。/だけどこのきもちを/かたちにするものがみあたらないんだ。」"という、冒頭の一節から強いインパクトを残す。イントロもほぼなくアカペラから始まり、ピアノ、バンド・サウンドが徐々に加わっていくという展開。そして、かぎかっこに括られた、すべてひらがなという歌詞。最初から一番届けたい歌詞を持ってきたと思えるかぎかっこの表現とシンプルな演奏、しかも頭で考えたというより心から溢れ出たようなひらがな表記からは、細やかなこだわりが伝わってくる。
その先には"花を見て綺麗だと言う/心と台詞 どちらが先だった?/そんな君を綺麗だと思う/心は動くが口は働かない"と、そのもどかしい想いがより具体的に、軽快な演奏に乗って畳み掛けられていく。さらにサビでは"届いたならそれで終わり/それでいいと/それでいいと思った/もう二度と会えなくなったとしても/後悔なんてないよ"と、狂おしいほどのハイトーンで、心の内を訴える。そして"口から伝えるひとつ/そのひとつが/そのひとつが欲しいよ/僕がいなくなった世界でも君が/笑って過ごせるような"という切なる想いが、光の乱反射のようにめくるめくピアノに乗る。まるで、止まらない時間の中で、必死で存在を刻むように。その意味合いは2番の"知らぬ間に消えても気付かれない/だけどこの存在に意味を願う"、"僕らが出会った意味/その証が/その証が欲しいよ"というフレーズで、より色濃くなっていく。
ユプシロン「白夜」【Official Music Video】
終盤、ふわりと風が吹くように、曲調と歌声が変化。そこで歌われる"大切なものと 大切じゃないもの/なんて、僕が考えること/(君を想うことも)/僕が此処に在るから"というフレーズは、「白夜」のストーリーに沿ったものであると同時に、ユプシロンらしさを顕著に表していると思う。これまでもユプシロンは、自分で考える、自分で決めるという、自分軸の在り方を提示してきた。バーチャル・シンガーでありながら、相反するようだけれど、とてもリアルな存在であるユプシロンらしさが、際立って聴こえてくる。併せて、そこに向かう2番のサビの最後"誰も頷けないくらい歪でも/大切に終うから"も、とてもユプシロンらしい。ユプシロンは、いわゆる完璧なものだけを愛でない。どこか欠けていても、一般的な常識から外れたものでも、ユプシロン自身がグッときたものならば"大切"なのだ。こんなふうに、歌詞の世界観を突き詰めるだけではなく、自分らしさのエッセンスをところどころに落とし込んでいくユプシロンは、とても正直で愛すべきアーティストだと思う。
最後は、もう一度サビでエモーションを爆発させると、静かにピアノだけになってきらめきを余韻で残すように終わっていく。その儚さも、歌詞にマッチしていて美しい。
実は「白夜」は、東野圭吾の小説"白夜行"からインスピレーションを得て制作されたのだという。残虐な事件が背景にちりばめられた壮大なミステリーでありながら、どこかぼんやりとした、もやもやとした感覚――まるで霧の中を手探りで真実を見つけるように読み進めたことを覚えているのだけれど、こういった感覚は、別にミステリーではない日常でもよぎることはあって、それが「白夜」には落とし込まれている。そもそも"白夜"とは、北極/南極を中心とする地域で、日の出前および日没後のかなり長い時間にわたって薄明が続く現象。日光が燦々と降り注ぐわけではないけれど、真っ暗闇でもない。「白夜」は、そんな心境を切り取った、文学的センスにも長けたユプシロンらしい楽曲だ。
『シニフィエ』には、「白夜」を含む5曲とインスト5曲が収録予定。言葉を形成する"音"と"意味"のうち、"意味(シニフィエ)"に焦点を当てて、その側面を探求した作品になっているという。言葉が持つ多様な意味について深考し、音楽を通じて表現した、とのこと。「白夜」の深みを味わうと、『シニフィエ』にも期待せずにはいられない。今のユプシロンが、どんな"シニフィエ"を追求したのか、明らかになる日を楽しみに待ちたいと思う。
▼リリース情報
ユプシロン
DIGITAL SINGLE
「白夜」
[PONY CANYON]
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