Japanese
SODA KIT
Writer : 高橋 美穂
4人の歌い手、登場人物がいるからこそ、臨場感をもって展開していく物語
"今回、第1章として『Formula』を出して、自分たちの思いを吐き出したんですけど、次は群像劇をやりたいと思っているんです。群像劇って主人公がそれぞれ違って、全然違う物語が交差していくから、それを音楽でどうやってやろうかなって妄想しています(笑)"――Skream!2023年5月号に掲載された、SODA KITの1stミニ・アルバム『Formula』リリース・タイミングのインタビューを、SODA KITの発起人でありメイン・ソングライターであるYupsilonは、このように締めくくった。そのイメージがこのたび、早くも具現化。SODA KITの第2章の開幕が宣言されるとともに、それがSODA KITのメンバーそれぞれを主人公にした"群像劇"シリーズになることが改めて明言されたのだ。このニュースを聞いたとき、有言実行にしても、あまりにも展開が早すぎる! と驚かずにはいられなかった。
なんせSODA KITは、Yupsilon、Rasetsu、Figaro、Mugeiという個々で活躍してきた4人のVTuberによって結成された歌い手グループ。つまり、現在も個々の活動は続いているわけで、それと並行してSODA KITの活動を行っている。メイン・ソングライターのYupsilonも、ソロのユプシロン名義で、6月14日に2ndデジタル・シングル「シンデレラ」をリリースしたなかりなのだ。なのに、このスピード感でSODA KITも動かしていくとは! 4人がSODA KITに対してテンション高く向き合っている様子や、4人が揃ったときに溢れ出るアイディアが、Yupsilonのソロとは違った創作意欲を刺激していることが伝わってくる。そして、そこからも"4人が集結した意味"を感じ取ることができる。
肝心の楽曲そのものの話に入っていくと、"群像劇"シリーズのテーマは"喜怒哀楽"。そして、この第1作目は、流水のような透明感のある歌声が特徴のVsingerであるメンバーのFigaroを主人公とした「カゲボウシ」だ。Yupsilonは、前述のインタビューでFigaroに対して"自分では絶対に歌わないラヴ・バラードをフィーちゃん(Figaro)に歌ってほしいと思っているんです"と、自分とは違う彼女の歌声で、自分のソングライティングの可能性を追求したいという意欲を覗かせていた。そして、実際にこの「カゲボウシ」は、Figaroの歌声だからこそ届けられる情感に溢れた、切なくも美しいミドルチューンになっている。
再生するとポツ、ポツと、澄んだ涙の音のように響き出すシンセ。そして"夜 涙で目が覚めた/まだ明日は訪れていない/ただそこには君がいたこと/思い出してる/話がしたいよ"と、ひと言ずつ丁寧に、噛みしめるようなFigaroの歌声が響き渡る。隙間の多いトラックの上でもブレない、まっすぐな歌声を聴いていると、彼女の澄んだ瞳が見えてくるようだ。もう、これは完全にYupsilonがFigaroを思い浮かべながら書いたのだろうな、ということが、歌いだしの時点からわかる。
しかし、主人公はFigaroながら、この楽曲の登場人物は彼女だけではない。Figaro、Yupsilon、Rasetsu、Mugei、それぞれの視点と個性が交差しながら、混じり合いながら、物語を描いていく。少年のような少女のような歌声を持つVsingerで、性別、年齢、正解の"概念"を失い、音楽を通じて欠けたものを探しているYupsilon。力強さとハイトーンが特徴のVsinger/VTuberで、Yupsilonからは兄と慕われるRasetsu。エッジがかった特徴的な歌声を持つVsinger/VTuberで、負けず嫌いな俺様キャラのMugei。そしてFigaroという、個性豊かな4人の歌声と、Yupsilonが描いた歌詞を重ね合わせながら聴くと、「カゲボウシ」だけの、SODA KITだけの表現が見えてくるのだ。
"繰り返すたびにすり減る気がして/ふたりの時間さえも/砂時計が落ちていくように思えて/怖かった"という情感溢れる歌声からサビへと向かうのだが、そこもまたYupsilonらしさ、SODA KITらしさが表れている。しっとりと聴かせるサビにしてもまとまったとは思うのだが、この楽曲のサビは生き急ぐように畳み掛けるのだ。言葉をぎゅっと詰め込み、次々と違った歌声が聴こえてくる。4人の歌い手がいるからこそ可能な、より感情が伝わるリアルな表現だと思う。そして、"木漏れ日に/かざした手のその隙間に見えた/青い空が嫌ってほど夏の匂いがする/終わりなら君が決めていいと/委ねたのは僕だったね/ズルいのは僕だったね"という歌詞――歌声が入り混じるので、この歌詞の中の"僕"はひとりではないようにも感じられる。まるで様々な"僕"が、自らの行動を省みているようだ。
続いて、きらめくようなピアノから"一瞬たりと逃さぬように/掬い上げてきた想いが/澄んだ瞳にさらされすぎて/もろくなって/破れるときも一瞬のうちで/戻らないほどの穴があいた/そこから君は飛び出してしまった"という、サビの"夏"という歌詞の印象も相まって、なんだか金魚すくいを重ね合わせてしまうような描写から滲み出る瑞々しさと儚さを、エモーショナルに歌い上げることによって、物語は熱を帯びていく。
さらに"またふたり/いつでも会えると思っていたんだ/今日のさよならが明日には消えていると思ってた/「いつものことだ」と笑ってほしいよ/変わらないあの笑顔で"と、より具体的な後悔が浮き彫りになり、突き抜けるような疾走感を湛えたサビで、楽曲はエンディングへと着地する。音楽と一体となった群像劇が、SODA KITだから表現できる臨場感をもって伝わってくる、シリーズ第1弾にして会心の出来の楽曲だと思う。
早くも、SODA KITらしさ全開の、Yupsilonが思い描いていた群像劇が成立したと思わせられる「カゲボウシ」。次は、どんな物語を見せてくれるのだろうか。楽しみで仕方がない。
▼リリース情報
SODA KIT
3rd DIGITAL SINGLE
「カゲボウシ」
NOW ON SALE
[PONY CANYON]
配信はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.02.22
-
ビレッジマンズストア
おいしくるメロンパン
四星球
kobore
Vaundy
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
ラックライフ
SILENT SIREN
osage
くるり
WtB
大原櫻子
MYTH & ROID
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
映秀。
THE BACK HORN
tacica
Aimer
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
"ブクロック!フェスティバル2025"
4s4ki
go!go!vanillas
Appare!
さとうもか
THREE1989
eastern youth
片平里菜
DENIMS / 大黒摩季 / Ryu Matsuyama(O.A.)ほか
藍坊主
Czecho No Republic / YONA YONA WEEKENDERS / CHIANZ ほか
LEGO BIG MORL
wacci
アーバンギャルド
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.23
-
リアクション ザ ブッタ
Vaundy
ビレッジマンズストア
OKAMOTO'S
THE YELLOW MONKEY
Hedigan's
RAY×BELLRING少女ハート
w.o.d.
SCOOBIE DO
AIRFLIP
WtB
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
DIALOGUE+
moon drop
BIGMAMA
Czecho No Republic
GREEN DAY
tacica
Appare!
⾬模様のソラリス
阿部真央 / wacci / アルカラ ほか
コレサワ
片平里菜
- 2025.02.24
-
4s4ki
OKAMOTO'S
アイナ・ジ・エンド
ラックライフ
くるり
w.o.d.
SCOOBIE DO
Panorama Panama Town
女王蜂
moon drop
THE BACK HORN
kobore
WANIMA × MONGOL800
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
東京初期衝動
go!go!vanillas
Appare!
ZEDD
大原櫻子
SAKANAMON / 藍坊主 / SPRINGMAN / omeme tenten
KiSS KiSS × 豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
SpecialThanks
フレデリック
"ブクロック!フェスティバル2025"
Nothing's Carved In Stone
indigo la End
tricot
- 2025.02.25
-
NEW ORDER
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
THE ORAL CIGARETTES
GREEN DAY
サカナクション
秀吉
the paddles
- 2025.02.26
-
ZEDD
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
UNISON SQUARE GARDEN
anewhite / 3markets[ ] / ガラクタ
TOOBOE × Chevon
ザ・シスターズハイ
GREEN DAY
米津玄師
サカナクション
- 2025.02.27
-
WANIMA × MONGOL800
片平里菜
マカロニえんぴつ
ザ・ダービーズ / THE NOiSE
UNISON SQUARE GARDEN
NOT WONK
SILENT SIREN
NEW ORDER
米津玄師
- 2025.02.28
-
miwa
WANIMA × MONGOL800
打首獄門同好会
FUNKIST
マカロニえんぴつ
GLIM SPANKY
そこに鳴る
ANABANTFULLS
ラックライフ
女王蜂
オレンジスパイニクラブ
Dear Chambers
礼賛
RAY
カズミナナ / Lay / sEina / 栞寧
- 2025.03.01
-
ストレイテナー
サカナクション
Vaundy
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
片平里菜
THE BACK HORN
Czecho No Republic
4s4ki
FUNKIST
リアクション ザ ブッタ
tacica
miwa
藍坊主
TENDOUJI
This is LAST
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
w.o.d.
さとうもか
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
osage
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
Lym
YOGEE NEW WAVES
大原櫻子
"見放題東京2025"
映秀。
くるり
kobore
shallm
- 2025.03.02
-
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Vaundy
サカナクション
moon drop
片平里菜
GLIM SPANKY
FUNKIST
猪狩翔一(tacica)
go!go!vanillas
秀吉
ゲスの極み乙女×ブランデー戦記
かすみん(おこさまぷれ~と。)
9mm Parabellum Bullet
さとうもか
MAN WITH A MISSION
藍坊主
WONK
w.o.d.
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
佐々木亮介(a flood of circle)/ 荒井岳史(the band apart)/ hotspring ほか
BRADIO
眉村ちあき
LACCO TOWER
Hedigan's
くるり
I Don't Like Mondays.
Halujio
フラワーカンパニーズ
センチミリメンタル
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
RELEASE INFO
- 2025.02.25
- 2025.02.26
- 2025.02.27
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号