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INTERVIEW

Japanese

SODA KIT

2024年09月号掲載

SODA KIT

Member:Yupsilon Rasetsu Figaro Mugei

Interviewer:高橋 美穂

Yupsilon、Rasetsu、Figaro、MugeiというVTuberによって結成された歌い手グループ SODA KITが、3rdミニ・アルバム『SODA POPS』を完成させた。今作のテーマは"SODA KITがお届けする文化祭"。これまでの作風から一変、かなりキャッチーに振り切っている。聴いてみると、陽だけではなく幅広い方向性で新境地を見せる楽曲が勢揃い。5月に"SODA KITワンマンライブ「ロングラン」"を行い、エンターテイナーとして飛躍し始めた4人らしい意欲作について訊いた。


はじける片思い、推し活ソング、実力派シャッフル・チューン等 文化祭のいろんな部屋を覗けるような、楽しい一枚


-先行でリリースされた「無礼講サマー」を聴いた段階で、はじけっぷりに驚かされていたんですが、この楽曲を書いた時点では、今回の3rdミニ・アルバム『SODA POPS』の"SODA KITがお届けする文化祭"というテーマは決まっていたんでしょうか。

Yupsilon:いえ、決まっていませんでした。「無礼講サマー」のレコーディングが終わった日に、スタジオでミーティングをして、そこで決めましたね。

Mugei:そうそうそう。

Yupsilon:「無礼講サマー」は、すごく自由に、ミニ・アルバムのことも今までの流れも考えず、そのとき作りたい曲を作ったっていう。今トレンドの音楽が、踊れるポップな感じじゃないですか。わりと流行に乗るタイプなので(笑)。そこから影響を受けたのもあると思います。あとは、盛り上がれる曲が欲しいよねってメンバーも言っていて......5月にライヴをやったので、もっと踊れる曲、流行りのポップな曲、且つ夏に出すから夏っぽい曲って考えて作りました。

-ということは、5月のライヴの時点でも「無礼講サマー」の種はなかった?

Yupsilon:構想はありましたね。ワンマン終わった後に急いで作ったんですよね、たしか。

Mugei:いつも急いでいます(笑)。

Yupsilon:最近は(共同作編曲者の)sachiさんのおかげもあるんですけど、こういうのにしよう! って決まっちゃえば早いんです。ゼロイチを作るのが一番時間がかかりますね。

-ただ、最初にお伝えしたように、「無礼講サマー」はかなりはじけた楽曲だと思うんです。これをSODA KITでやるとなるのは、思い切りが必要だったのか、それとも自然に決められたのか、どちらだったんでしょう。

Yupsilon:自然でしたね。最近、(メンバーの)仲がいいんですよ、すごく。

Mugei:えぇ(笑)?

Rasetsu:ははははは!

Yupsilon:仲いいでしょー(笑)! (結成して間もなかった)去年の夏だったら、こういう楽曲は出てこなかった。4人の関係性も、ここまで打ち解けていなかったし。今はわちゃわちゃできたり、素を見せられるようになったりしているので、そういうところが反映されています。

-なるほどね。でも、例えばFigaroさんなら、ソロではやらないタイプの楽曲じゃないですか。受け取ったとき、また歌ったときは、どんな心境だったんでしょうか。

Figaro:最初に聴いたときは、たしかにびっくりというか。今まではエモの塊みたいに歌ってきたのに、急にパーリーピーポー、フゥー! みたいな曲だったので(笑)。でも自分の引き出しにある範囲のものではあったし、ライヴで「一刀両断」(2024年3月リリースの2ndミニ・アルバム『ロングラン』収録曲)を歌ったり踊ったりしているうちに、もっとはじける曲が欲しいよねって話になっていたし。ただ、もともとインターネットという陰のもので結成されたグループですから、ただ明るい人が4人集まってフゥー! ってしているのとは一味違う、頑張って明るくしている感じも出せたと思っています。

-ではMugeiさん、「無礼講サマー」に対する率直な想いを伺えますか?

Mugei:ライヴでのコール&レスポンスや、みんなで歌えるところがあって楽しいですよね。"せーので「乾杯ー!」"っていうところがあるんですけど、すでにリリイベのときに(お客さんも)歌えていたので、会場みんなで歌ったりして。ただ、ここ、制作時は何かと迷っていたよね。"せーので"......。

Rasetsu:"「ジャンプ!」"。

Yupsilon:そう、"せーので「乾杯ー!」"があまりにもパリピかなと思って(笑)。

Mugei:俺は(私生活で)"せーので「乾杯ー!」"しない人だから(笑)。

Yupsilon:昨日(メンバーで遊びに行って)したじゃん(笑)。

Mugei:(笑)でも最初は、陽キャだなぁって印象でしたね。

Yupsilon:"「ジャンプ!」"か"「乾杯ー!」"か、レコーディングの日まで決めてなくって。当日にみんなが"「乾杯ー!」"でいいんじゃない? って言ってくれたんで、録ってみて。しかもこれ、1人ワンテイクしか録ってないのに息ぴったりすぎて、びっくりしました(笑)。ばっちりハマりました。

-この曲が一番しっくりくるのは陽キャなRasetsuさんだと思ったんですが(笑)。

Yupsilon:間違いない。

Rasetsu:そうですね(笑)。さっきの"せーので「乾杯ー!」"も、ギャルっぽくしてほしいんだろうなってイメージがあって(笑)。あと、これ誰にも言ってないんですけど、僕この曲を夢で見ているんです。スピってる話ですけど(笑)。"⽩線の内側をお歩きくださーい。"の車掌さん風のセリフ、やった記憶があって。"あ、夢で見たやつだ"っていう(笑)。

Yupsilon:えぇーっ(笑)!?

Rasetsu:ここのフレーズだけ夢で見ていたんですよ。すでに練習できていたっていう(笑)。それぐらい僕の中にあった曲ですね。

-皆さんにとっても大好きな曲になったと思いますし、『SODA POPS』という作品にとっても、文化祭というテーマを導く大切な曲になりましたよね。

Yupsilon:そうですね。これがきっかけになったと思います。

-では改めて、なぜ文化祭というテーマが出てきたんでしょう。

Rasetsu:これは衣装先行で。テーマと同時に衣装の話し合いもしていたんですよ。

Yupsilon:"どんな服が着たい?"みたいな。

Rasetsu:そのとき、Figaroだよね? ジャージメイドの案を出してくれたの。

Figaro:そうそう。私が好きなイラストレーターさんがいて、その方に、自由に私の絵を描いてくれないかってお願いをしたら、すごくかわいいジャージメイドの服を着たFigaroを描いてくださって、それを見て、こういう感じの着てみたいよねって。

-では、ヴィジュアルから文化祭を連想して、テーマが決まっていったと。

Rasetsu:そうそう。

Yupsilon:"ジャージメイドの服を着たときの僕らは何をしているかな? 文化祭じゃない?"って。文化祭でカフェやって、呼び込みとかしてる。"じゃあ、どんなカフェだ?"って。ちょうど(リリースが)秋だし、文化祭シーズンじゃん! って、話がどんどん膨らんでいきました。