Japanese
ユプシロン
Writer 高橋 美穂
葛藤する感情を、歌詞だけではなく、トラックや歌い方でリアルに表現
ユプシロンの勢いが止まらない。
歌い手で、ボカロPで、バーチャル・シンガーであるユプシロン。4月5日にポニーキャニオンよりデジタル・シングル「ZERO」をリリースし、国内メジャー・デビュー。さらに5月24日にはYupsilonとして、Rasetsu、Figaro、Mugeiという個々で活躍してきた4人のVTuberたちと共に結成した歌い手グループ、SODA KITの1stミニ・アルバム『Formula』をリリース(なお、 Yupsilon はSODA KITの発起人であり、メイン・ソングライターも務めている)した。こうして毎月のように自らが関わる作品を発表してきたなかで、6月14日にはユプシロンとして2ndデジタル・シングル「シンデレラ」をリリースするのだ。
【MV】ZERO // ユプシロン Original song ☽꧂
2020年4月にバーチャル・シンガーとしてデビューし、2022年に発表した「フォージェリィ」が、デジタル配信サービスで700万再生を超えるなど、着実に結果を出してきたユプシロン。そしてメジャー・デビューしてからの畳み掛けるようなリリースは、冒頭に書いた通りだ。ここまで溜め込んできた音が、言葉が、想いがここに来て溢れ出てきたのかもしれない。
ユプシロンを広めた最大の魅力が、少年のような、少女のような歌声。ユプシロンのYouTubeチャンネルには"性別、年齢、正解の〝概念〟を失ってしまったので、歌ったり音楽を作りながらさがしています"という自己紹介が記されている。さくしゃ2がデザインした、イメージ・カラーのピンク系の色のショート・ヘアのキャラクターからも、それらの"概念"を見定めることはできない。言わば、楽曲もヴィジュアルも、多様性を目指す現代に符合している。また"歌い手で、ボカロPで、バーチャル・シンガー"というスタイルも、次世代の音楽の形。つまりユプシロンは、この時代だからこそ生まれたアーティストなのである。
【MV】フォージェリィ // ユプシロン Original song ☽꧂
さらに作詞作曲を自身で行い、VOCALOID楽曲の投稿や、他アーティストへの楽曲提供も行うという多才な顔も。特に、変わった角度から描く、哲学的な歌詞は多くのリスナーを惹きつけている。......といった才能や魅力を並べていくと、孤高のオリジナリティを持つクールなクリエイターのように思われるかもしれないが、実際に接してみると人間味があるキャラクターでもある。だからこそSODA KITでグループ活動を行えているのだと思うし、筆者がSODA KITをインタビュー(※2023年5月号掲載)した際も、喜怒哀楽がこもった話を聞かせてくれた。
今回リリースされる「シンデレラ」も非常にエモーショナルで、ユプシロンらしいメッセージ・ソングになっている。イントロなしでシンプルなトラックに乗せて"ドブネズミみたいに可愛くなって/世界を自由に歩いてみたいな/来世は自分で決めさせてよ"という衝撃的と言えるほど痛みが伝わってくる歌い出しから、"OH MY GOD"と歌い上げるフレーズを皮切りに、ブワァッと極彩色のようにメロディが飛び出してきて、激しいビートと共に疾走していく。カオティックな雰囲気に拍車を掛ける、ピコピコしたゲーム的な音色も聴き逃がせない。
そこから仕切り直すようにドン! ドン! ドン! というビートが響き、再び歌詞の世界へ。"「子供の頃は良かった」って言う大人は/好きなもの好きに食べてるじゃん"という誰もが子供の頃に一度は思ったことがある疑問。そして"0時の鐘が鳴る前には/ちゃんと家に着いていること。/安心安全の約束事/誰かが決めたことを覚えて/誰もが認める答えを出す/それがこの世界で生きるということ。"と、どこか乾いたオイ! オイ! というコールを交えながら、"シンデレラ"の物語になぞらえて淡々と"ルール"を歌い――"もう嫌だ!"というひと言から、思いっきり本音を炸裂させる。"劣等感に怯えて/釈迦もリンダもイエス・ノーじゃ語れないんだ"が"語れねぇんだ"に聴こえるほど、歌い方もどんどん激しくなっていき、曲調は沸点へ。
かと思えば"でも、もしも今すぐ生まれ変われるとしても/僕は"今"を捨てきれないんだろう/ねぇいつか「あの頃は良かった」なんて/言ってしまうんだろうか"と弱気になっていき、その次の"もう嫌だ"も、さっきとは一転して弱々しく歌っている。"ねぇどうして?教えて/違うことはそんな醜いことですか?"と悲痛な思いを吐露したあとの、3度目の"「もう嫌だ」"は、泣き声交じりにも聴こえるほどだ。
行ったり来たり葛藤する感情を、歌詞だけではなく、トラックや歌い方でリアルに表現した「シンデレラ」。その軸にあるのは""ありのままでいさせて"/Ah その勇気が欲しいよ"という思いだろう。"この思いを伝えるためには、とことんまでやり尽くさなければ"という信念のようなものが、ユプシロンの表現を繊細にしているのだと思う。また、この楽曲はユプシロンいわく"今しか作れない曲をつくりたいと思った"とのこと。その通り、今のユプシロン、今の時代、すべてを含めた"今"が鳴っている。"ありのままでいさせて"という思いを、"性別、年齢、正解の〝概念〟"を超えたユプシロンが叫ぶことで、多くの人が救われるのではないだろうか。
改めてユプシロンだからできる音楽、表現の可能性の大きさや、その意義を感じずにはいられない楽曲。ぜひ、あなたにも触れてみてほしい。
▼リリース情報
ユプシロン
配信リリース
「シンデレラ」
2023.06.14 ON SALE
メジャー・デビュー・シングル
「ZERO」
NOW ON SALE
配信はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
NANIMONO
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
- 2025.09.07
-
Girls be bad
Broken my toybox
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
This is LAST
レイラ
WtB
ナナヲアカリ
豆柴の大群
TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍 ほか
ヨルシカ
eastern youth
大森靖子
GOOD ON THE REEL
Aooo
"TREASURE05X 2025"
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
TOOBOE
the cabs
心愛 -KOKONA-
Keishi Tanaka
KING BROTHERS
Mellow Youth
cinema staff
OAU / LOVE PSYCHEDELICO / 大橋トリオ ほか
"くさのねアイドルフェスティバル2025"
渡邊一丘(a flood of circle)
ぜんぶ君のせいだ。
りぶ
ART-SCHOOL
HY
優里
SILENT SIREN
[激ロックpresents"Burning Blue vol.5"]
- 2025.09.08
-
レイラ
JACK'S MANNEQUIN
fox capture plan
- 2025.09.09
-
Age Factory
THE GET UP KIDS
Hump Back
YOASOBI
打首獄門同好会
9mm Parabellum Bullet
JACK'S MANNEQUIN
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~奏・騒・壮!!!Vol.4~"
- 2025.09.10
-
Aooo
Hump Back
ハンブレッダーズ
This is LAST
The Birthday
パーカーズ × 浪漫派マシュマロ
とまとくらぶ
THE GET UP KIDS
打首獄門同好会
- 2025.09.11
-
Bye-Bye-Handの方程式
YOASOBI
The Birthday
w.o.d.
MONOEYES
THE GET UP KIDS
TOOBOE
鶴 × ONIGAWARA
- 2025.09.12
-
Aooo
ナナヲアカリ
神聖かまってちゃん
TOOBOE
w.o.d.
ビレッジマンズストア
YOASOBI
THE BOHEMIANS × the myeahns
the band apart (naked)
Rei
Awesome City Club
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~この声よ君の元まで!!〜"
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
AIRFLIP
神聖かまってちゃん
This is LAST
GRAPEVINE
佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
Creepy Nuts
KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
"ナガノアニエラフェスタ2025"
WtB
PIGGS
TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
AIRFLIP
TOOBOE
THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
WtB
Academic BANANA
Creepy Nuts
打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
mzsrz
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
THE CHARM PARK
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
- 2025.09.16
-
THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
- 2025.09.17
-
YOASOBI
THE ORAL CIGARETTES
DYGL
Mirror,Mirror
Hump Back
a flood of circle
THE SMASHING PUMPKINS
ガラクタ / 東京、君がいない街 / Fish and Lips
点染テンセイ少女。
- 2025.09.18
-
YOASOBI
キュウソネコカミ
LAUSBUB
DYGL
Mirror,Mirror
MONOEYES
終活クラブ
TOOBOE
THE SMASHING PUMPKINS
椎名林檎 / アイナ・ジ・エンド / 岡村靖幸 ほか
打首獄門同好会
the paddles / DeNeel / フリージアン
otona ni nattemo / 南無阿部陀仏 / ウェルビーズ ほか
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
RELEASE INFO
- 2025.09.06
- 2025.09.09
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.14
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号