Japanese
ユプシロン
Writer : 高橋 美穂
ユプシロンが「ZERO」で提示する、バーチャル・シンガーとロックの新たな可能性
歌い手で、ボカロPで、バーチャル・シンガーであるユプシロンが、ポニーキャニオンより本日4月5日にデジタル・シングル「ZERO」で国内メジャー・デビューを果たした。2019年"歌ってみた"の投稿で現在の道への第一歩を踏み出し、2020年4月にバーチャル・シンガーとしてデビュー。2022年に発表した「フォージェリィ」が、デジタル配信サービスで580万回再生を超えるなど、その音と名を広めつつあるなかで、待望の国内メジャー・デビューとなる。
ユプシロンのYouTubeチャンネルには"性別、年齢、正解の〝概念〟を失ってしまったので、歌ったり音楽を作りながらさがしています"という自己紹介が記されている。言わば、ユプシロンの活動や作品は、その過程を切り取ったドキュメントそのもの。ユプシロンの発見や成長を共に感じたいと思うと、追いかけずにはいられなくなる。しかも、性別や年齢にとらわれていないという意味では、多様性を謳う現代を象徴するような存在とも言えるだろう。その歌声も、少年のような少女のような、中性的な印象。つまり――"バーチャル・シンガー"というと、未だマニアックな、閉ざされた世界の中の存在だと思う人がいるかもしれないけれど、実は真逆で、あらゆるリスナーが自分自身を重ね合わせて聴くことができる可能性に満ちているのだ。ユプシロンの背景を知れば、それを納得してもらえると思う。なお、イラストレーター、さくしゃ2によってデザインされたキャラクターからも、ピンク系のイメージ・カラーを纏いつつ、ショート・カットに大きく鋭いブルーの瞳を持った、"性別も年齢も推測できない、でも魅力的"な人物像が浮かび上がってくるのだ。
さらにユプシロンは、シンプルなバーチャル・シンガーではない。冒頭にも"歌い手で、ボカロP"とは記したが、それ以外にも多才な肩書がある。まずは作詞家、作曲家としての一面。先述した「フォージェリィ」をはじめとして、自らで作詞作曲(作曲はsachiとの共作)、さらにはレコーディングも自ら手掛けており、VOCALOID楽曲の投稿や他アーティストへの楽曲提供も行っているのだ。またMVの原案など、あらゆる表現を自分自身で考えているマルチ・クリエイターでもある。近年、シンガー・ソングライターでも、マルチ・クリエイターとしての才能を兼ね備えたアーティストが多いが、そういう意味でユプシロンは、リアルの潮流をバーチャルに持ち込んで活動していると言えるだろう。やはり、閉ざされた世界の中の存在ではないのだ。
だからこそ、ユプシロンは孤立無援ではなく、横の繋がりも大切にしている。昨年末には"60日後に始動する歌い手グループ"として、正体を明かさずに歌声だけで動画投稿をスタートさせ、話題になった男女4人のVTuber(Yupsilon、Rasetsu、Figaro、Mugei)により結成された歌い手グループ、SODA KITを立ち上げ、"#SODAKIT始動"をTwitterトレンド入りに導いた。こういったプロデューサー的手腕も持ち合わせているのだ。なお、ユプシロンだけではなく、SODA KITのすべてのメンバーは、それぞれキャラクターや方向性は異なるものの、マルチ・クリエイターの才能の持ち主であることは共通している。バーチャルの世界で活躍するアーティストの飽くなき探求心や意識の高さは、改めて注目すべきだと思う。
そんな"何者とも言い切れない、でもたくさんのものを持っている"ユプシロン。このたびリリースされる「ZERO」は、そんなユプシロンならではのストーリーとメッセージが感じられる楽曲だ。じわじわとフェードインすると、光のようにきらめき出すピアノとビート。そこから、魂の叫びの歌声が響き渡っていく。"勘違いだ/人生なんてどうせ/天の気まぐれからの創生/だって全部/本当はどうでもいいんだよ/でも「こうじゃなきゃダメ」って/いつの間にか縛られてるから/もう全部/解いて消し戻す/ゼロに。"――これ以上ないほど、ユプシロンが誕生した理由が綴られているではないか。歌い出しからラストまで、"今こそすべてここに詰め込むんだ"という意気込みが感じられるほど、性急に畳み掛ける歌詞。バーチャル・シンガーのイメージが覆るほど、ものすごく生身に感じられる。よく、ロックとはジャンルや形じゃなくて精神性であると言われるけれど、ユプシロンの楽曲に流れている血は、紛れもなくロックだ。もちろん、ライヴハウスで浴びる爆音が最高なのは知っている。しかし、コロナ禍を経たことも含めて、ライヴハウスに行けない事情がある人も見えてきた。そんな人たちに対してもユプシロンは、ネットの世界でもロックができる、ロックを浴びられる希望を提示してくれているように思える。
歌詞だけではなく、疾走感ある曲調や、呼吸が感じられる歌い方もこだわりを感じる。これまでのロックの系譜に刻まれてきたレジェンドたちからの影響が、バーチャル・シンガーならではの落とし込み方で表現されているのだ。決して温かい楽曲、優しい楽曲ではない。けれども、このアグレッシヴな楽曲を聴いて心身が解き放たれていく人は、きっと少なくないはずだ。
現代を鏡のように映し出し、遥かなる未来を示唆する、次世代型シンガー・ソングライター、ユプシロン。ぜひ、恐れることなく扉を開いてみてほしい。"こういったアーティストに出会いたかった!"と思える衝撃が、きっとある。
▼リリース情報
ユプシロン
メジャー・デビュー・シングル
「ZERO」
![]()
NOW ON SALE
配信はこちら
(C) 2023 PONYCANYON / STUDIO HUIT
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
- 2025.12.08
-
ザ・クロマニヨンズ
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RAY × きのホ。
ドラマチックアラスカ
PACIFICA
シベリアンハスキー
雨のパレード
never young beach
- 2025.12.09
-
キュウソネコカミ
天女神樂
ザ・クロマニヨンズ
FRANZ FERDINAND
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
ドラマチックアラスカ
TENDRE
PACIFICA
Galileo Galilei
Dios
ザ・シスターズハイ
ストレイテナー
PEDRO
モーモールルギャバン
- 2025.12.10
-
PACIFICA
Galileo Galilei
山本彩
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
くるり
森 翼
Wez Atlas
すなお
ストレイテナー
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RELEASE INFO
- 2025.11.27
- 2025.11.28
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.06
- 2025.12.09
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号













