Japanese
SODA KIT
2023年05月号掲載
Member:Yupsilon Rasetsu Figaro Mugei
Interviewer:高橋 美穂
-Yupsilonさんは、Figaroさんの活動スタイルに風穴を開けた方でもあるというか。
Figaro:そうですね。そこからVTuberのお友達も増えてきたので、ユプちゃんと関わりができて、VTuberのお友達ができたっていう自信が、参加のきっかけに繋がってる気がします。
Yupsilon:わぁー、嬉しい。
Figaro:イェーイ(笑)!
-Rasetsuさんは、Yupsilonさんとのやりとりを見ていても、本当に兄弟みたいですね。
Rasetsu:そうですね。波長が合うというか。そもそも、Yupsilonがやりたいことは全部やらせてあげたいんです。なので"やろう"って言われた瞬間、もう"やろう"って。自分は、Figaroに関してはこのグループで初めましてだったんですけど、Mugei君はちょっと絡みがあったんだよね。
Mugei:うん。ゲームで遊びました。
Rasetsu:Mugei君の歌のうまさやどんな人かは、なんとなくわかっていたんですけど、Figaroに関しては知らなくって。でも、ユプ君が"この子はいい!"って言うのであれば、そこに1mmも疑いはないので、いいグループができそうだ、楽しみだなと。
-すごい信頼感ですね。そして実際に、今も楽しいですか?
Rasetsu:そうですね。時間が経つごとに仲も深まってきましたし。
Figaro:うんうん。
Yupsilon:あと、みんな3年とか4年(個人で)活動してきた人たちなんですよ。やっぱ、ある程度ひとりでやりたいことをやり切った人たちが集まったから、新しいことをしようかってなれていて。自分の活動にも反映できるくらい、新鮮さが味わえているところがあるのかな。
Figaro:あるあるある!
Yupsilon:あるよね。これが(個人の)活動1年目だったら、みんなやっていなかったかもしれない。
Figaro:そうね。自分のことで手いっぱいだから! ってなってそう。
Yupsilon:だから、タイミングも良かったと思います。
-みなさん、キャリアもだいたい同じぐらいなんですか?
Mugei:俺が1年先輩です。
Rasetsu:そうだ、Mugei先輩だ。
Mugei:YupsilonとFigaroは、昨日(※取材は4月18日)で3周年。
Figaro:まったく同じ日なんです。
Mugei:それでRasetsuが、4月26日に3周年。同じ日に俺が4周年です。
-なるほどね。そんなメンバーを集結させたYupsilonさんは、そもそもグループ活動が向いていないと思っていたとおっしゃっていましたが、現在の心境としては?
Yupsilon:楽しいっすね。定期的に喋れる人がいるっていう(笑)。
一同:(笑)
Yupsilon:ずっと家で作詞作曲してミックスして、VTuberの配信活動をしてってやっていると、リスナーのみんなとは配信上で交流できるんですけど、肉声で喋るのはコンビニの店員さんだけみたいな日もあって。でもね、メンバーがいると、Discord上で会議とかできて......なんか、めっちゃ陰キャみたい。"いいとこ、そこ?"みたいな(苦笑)。
-たしかに、VTuberって孤独な活動ですもんね。みなさん、どうやって繋がっているんだろうなって思っていました。
Yupsilon:僕ら、全員が事務所に入っていない"個人勢"だったんですよ。他のVTuberさん、事務所に所属している場合は、事務所のことを"箱"って言うんですけど、その中で仲良くしたり、コラボしていて。リスナーさんも箱推しがあるんです。グループの全員を好きなことも箱推しって言うんですけど、箱推しされるのに憧れていて(笑)。それが今は叶っているので、すごく嬉しいです。
-音楽的にも、始動したときからやりたいことは明確にあったんですか?
Yupsilon:"SODA KITはなんでもいい"っていう感じになっていたと僕は思っていて。ただ、個人ではやらない邦ロックっぽい感じとか、アニソンっぽい感じとかですかね。自分の曲はボカロっぽいものが多いんですけど、それだけじゃなくって、せっかく男性ヴォーカルが複数人いるし、バンドっぽいものもやってみたいなって。あと、今作には入っていないんですけど、自分では絶対に歌わないラヴ・バラードをフィーちゃんに歌ってほしいと思っているんです。
Figaro:歌う歌う!
Yupsilon:男女で歌う恋愛ソングも書いてみたいし。そういう想像を膨らませています。
-いろんなキャラクター、いろんな声があるからこそ、書ける曲の世界が広がるというか。
Yupsilon:ほんとにそうですね。武器がいっぱいあるイメージです。
-ちなみに、曲と歌詞はどのように作っていくんですか?
Yupsilon:わりとメロディと歌詞が同時にできて、歌詞は内容を詰めながら変えていくんですけど、そこにリズムをつけて、最近はそういう土台ができたら共同作曲のsachiさんや⌘ハイノミさんに投げて、アレンジをしてもらってます。
-歌詞を書きながら、ここは誰に歌ってほしいなっていうイメージもするんですか?
Yupsilon:完全にその体で作っています。
-1曲の中でも、フレーズによって次々と歌い手さんが変わりますけど、それはあえてなんでしょうか。
Yupsilon:あえてやっていますね。全員の声が違うのに、どんどん(歌い手が)変わっていっても違和感がないのが面白いと思っていて。
-全員の声の色が違うから、ユニゾンもド迫力ですよね。
Yupsilon:みんなキーのレンジも広くって、上も下も歌えるので。曲はわりとMugei君のキーに合わせて作っているんですけど、どこにはめてもみんな歌える。また、それをオクターブ上で歌うのか、下で歌うかでも印象が変わるので、レコーディングも楽しいです。
-それぞれ、今作の中で歌っていて楽しかったフレーズを教えてもらえますか?
Figaro:私は、楽しいというか刺さった歌詞があって。「リングアウトホワイトボード」の"僕の中は空っぽな暗闇だ/「それなら何だって入るよね」って/君は 笑った"のところ。深掘りして話すと、自分が好きなアニメとマンガに、同じようなシチュエーションで同じようなセリフがあるんです。"ヴィンランド・サガ"なんですけど。その主人公が人として空っぽになってしまったときに、キーマンになるおじいさんが、それだったらなんでも入るじゃん、今から人間としてやっていけばいいって言うんです。だから、その歌詞も胸アツでした。ユプちゃん、わかってる! って思って。
Yupsilon:嬉しい! その作品、知らなかったから観よっかな。ちょうどフィーちゃんが歌ってくれているパートだしね。
Figaro:そうそうそう!
-Mugeiさんはいかがですか?
Mugei:俺は「DRAMA」のサビですね。"絶叫のライブ 鳴り響いてる"っていう。Yupsilonがサビのド頭を俺に振り分けてくれて、しかもSODA KITのオリジナル曲の1曲目だし、いいとこ貰ったなって思って。
Yupsilon:(笑)
Mugei:ガナるの好きなんです。ここはいい感じでガナれる高さで、しかも歌詞が"絶叫のライブ"だし、歌っていて単純に楽しいですね。
Yupsilon:僕、サビのド頭で濁音を使いがちなんです。「DRAMA」はここもだし、2サビも"「どうしようもない」"だし。これは、サビの勢いを増すためにあえてやっているんです。
Figaro:なるほど! 勉強になる。
Mugei:オリジナル曲の4曲中3曲のサビ頭が濁音だな。
Yupsilon:そう(笑)。「DRAMA」は、1サビのド頭はMugei君で、2サビのド頭はRasetsuさんが歌っているんです。あと"絶叫のライブ"って、Mugei君は"らりるれろ"の発音がめっちゃきれいなので、カッコいいですよ。
-Rasetsuさんはいかがですか?
Rasetsu:1曲って絞れないんですけど。Yupsilonの曲って、早口が多いんですよ。例えば「DRAMA」の"辞める覚悟で始めたら晴れた視界/"誰かがやってること"を止めて正解"とか、あと「コンテンダー」の"そろそろいくぜと扉を開いて/出たとこ勝負で負けちゃって"とか。リズムの中に、言葉がめちゃめちゃ詰まっているんです。そこをレコーディングしているときに、失敗しまくって(苦笑)。さっきまで言えていた言葉すら混乱してきてだんだん言えなくなってくるんです。だから、いい歌詞もたくさんあるんですけど、歌うのが難しかった歌詞の記憶が強く残っていて。だからこそ"このテイク録れた!"っていうときは達成感がありましたね。
Mugei:難しいっすね、歌。
Figaro:難しい!
Yupsilon:ごめんよ(笑)。
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