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INTERVIEW

Japanese

a flood of circle

2018年02月号掲載

a flood of circle

メンバー:佐々木 亮介(Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

-曲の構成だけでなく、音の作り方も違いますよね。日本の音楽はコンプが強く掛かったものが多いから、そういう音作りでないと迫力を感じられない身体になってしまっているのだろうなと。

日本の音楽は情報が多いんですよね。トラップ・ミュージックやN.E.R.Dみたいな"音がスカスカなんだけど踊れて楽しい"という文化とは全然違う方向性で......みんなそれぞれが棲み分けちゃってる。俺は前々から"日本的なものと海外的なものの両方が混ざったら面白いな"と思っているけれど、どっちにもわかってもらえていないから四苦八苦している。どっちにもわかってもらえるレベルまでいけたら勝てる気がしているんです。いまやろうとしていることはそれですね。

-となると「ミッドナイト・クローラー」はその足掛かりというか。

うん、本当にそうですね。だからここで田淵さんと一緒に制作できたのは良かったし、ナベちゃんがザブを呼んでくれたのは結果的に正解だった。

-先ほどの話と重複しますが、佐々木さんは国籍年齢ジャンル問わずミュージック・ラヴァーですし、AFOCはもともといろんなジャンルの要素をロックンロールに落とし込んでいるバンドですから。

対バンも貪欲ですから(笑)。若いバンドともやるし、かと思いきやベンジーさんやチバさんと3マンをやったりもする。その幅はこのまま広げ続けていきたいですね。"AFOCってなんなの?"と思われるくらいまで行きたいな。俺はどこに行ってもどこに出しても恥ずかしくないバンドをやっていると思うし、自分ひとりで弾き語りで放り出されても勝てると思ってる。それがあるから"もっと広げたい"としか思っていないんです。本当は革ジャン着てる仲間といるだけの方が楽なんですけどね(笑)。でも俺はそれよりも、会ったことがない人に会いたい。

-そうですね。AFOCの音楽は、広い意味でポップスとしての側面もあると思います。

例えば曲を作るときには、サビはパッと入ってくるけど、いろいろひもといていったら面白いというものにはしたいから......。この前"キングスマン:ゴールデン・サークル"という映画を観に行って、あの映画もめちゃくちゃド派手なんですけど、掘っていくと政治的なネタもいっぱい入っているし、大きな過ちを犯した人間は更生できるのかという哲学的な問題も含まれているんですよね。その映画に共感するのがいまの自分のモードかなと思っています。掘ってほしいけど、それをこちらが説明するわけではなく、好きに楽しんでほしい。でも、音源にしてもライヴにしても、その場限りで終わらせたくないな、と思っているかもしれませんね。

-毎作品で果敢にチャレンジできることにも感心します。

今回はテツのフレッシュさもあると思います。彼はレコーディングをちゃんとやるのも初めてだから、足りないところもたくさんある。だから"この4人で完成だな"ではなく、"あ、ここからまだ面白いことできそう!"という気持ちが大きくて。1曲1曲気に入っているんですけど、自分たちがまだいけることも再確認できた。わくわくの方がでかいなと思っています。俺が必死こいて真ん中で引っ張っているのではなく、いまは4人が横1列になっている感じがするんですよね。

-今作は現在の佐々木さんの音楽センスやポリシーも明確なものが多いので、様々な人の手が入って制作していることに驚くと同時に、そうやって制作されたからこういうアルバムになったのか、と納得する部分もありました。

そこは表裏一体かも。俺がいるぶん周りの人が変わっても変わらず続けられている部分もあると思うし、新しく関わる人がいろいろアイディアを出してくれるから、次の自分のスタイルにいけるなと思う。一緒に作る面白さもあるし、俺は俺でまた次のやりたいことができる――身近な人たちもお客さんも含めて、俺が"この人面白いな"と思う人たちと一緒に活動できている気がするんですよ。だから俺にしてみれば、"マジで(周りの人間に対して)ありがとう!"って感じなんですよね(笑)。それがずっと続いていると思います。だからこそ、一緒にやってきた人たちに対してかっこいいところを見せたいんですよね(笑)。

-うんうん。感謝の気持ちはAFOCの音楽の強度でもありますね。

『a flood of circle』はその信頼を裏切らないアルバムになっていると思うし、そういう面はちゃんと見せていきたい。これからもそれは続けていきたいですね。