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INTERVIEW

Japanese

a flood of circle

2018年02月号掲載

a flood of circle

メンバー:佐々木 亮介(Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

日本的な要素も海外的な要素もある、奇跡の待ち合わせ場所を作れたらいいなと思った


-"みんなで乗り越える"というのはモチベーションにも繋がってきますよね。「ミッドナイト・クローラー」をUNISON SQUARE GARDENの田淵智也(Ba)さんがプロデュースしているのはそういうモードも影響しているのでしょうか。

田淵さんはプロデュースというか、作詞作曲からこの曲に参加してるんですよ。0から1を生み出すときから一緒にやっていたというか。

-そうだったんですか。もう10年来のお友達ですよね。

俺は田淵さんの1個下だから友達と言うのはおこがましいけど(笑)、良くしてくれています。田淵さんがnicotenのプロデュースをしたという話をしていて、"じゃあAFOCでもプロデュースしてくださいよ"と冗談で言ったら結構マジになってくれて。そんなときに田淵さんと俺の共通の知り合いの結婚式のために1曲共作をして――これはいいプロト・タイプになるんじゃないか、と思ったんですよね。いい曲ができて手応えがあったし、今回もザブとやるならほかのことを新しくしたいと思って、ここは田淵さんだなと思った。曲を作るところから一緒に始めたい、というのはこちらからお願いしたことなんです。

-それはなぜ?

田淵さんはJ-ROCKのひとつの王者だなと思うんですよ。彼の作る曲は日本のバンドでないとやらない構成、メロディ、コード進行だし、彼にはアニメの影響も含まれている。それはアメリカ的なものでもイギリス的なものでもないんです。そんな田淵さんと、UKやUSのメインストリームで音作りをしているザブの要素が混ざったら面白いなと思った。俺の目論見としてはそこですね。アメリカに行ってつくづく、まったくのアメリカ的なものをやってもマジで意味がないなと思ったんです。日本国内でやったら"アメリカ的でいいね"みたいに言われるけれど、それをアメリカに持っていったら全然面白がられもしないし、"アメリカ人の真似をしたいだけですよね?"と思われるだけ。だからこそ日本的なものもちゃんとあるんだけど、海外的な要素もある――そういうものを作りたいとは常日頃思っていたから、その奇跡の待ち合わせ場所を作れたらいいなと思った。

-それもクリエイティヴなことですね。

田淵さんはソングライター気質だから。いままではいしわたり淳治さんとか、外側の人に"いままでにない引き出しを開けてもらいましょう"というプロデュースをお願いしていたんですけど、田淵さんは10年間の付き合いがある。(俺たちの)曲も知ってくれてるし、ギタリストが失踪したときの対バンがUNISON SQUARE GARDENだったこともあって、AFOCのことを楽曲面でもヒストリー面でも全部わかってくれてるから、そのうえでこっちの開けたことのない引き出しを開けられた。田淵さんなりに"AFOCってこうでしょ?"と"俺はこれがかっこいいと思う"というのを掛け合わせて提示してくれたんですよね。だから俺がデータで送った10曲のデモすべてに"俺ならこうする"という意見を返してくれて。

-その中で面白くなりそうなものを佐々木さんが選んだということですか。

そうですね。「ミッドナイト・クローラー」はもっとテンポがゆっくりで、MGMTみたいなサイケ・ロック......2000年代前半のUSロックのイメージで作っていたんです。でも田淵さんが"AFOCの必殺技全部乗せでいきたい!"と言って、テンポとかコード進行とかキメとかをずらっと並べてきて。2番のAメロのドラムに"鈴木貴雄(UNISON SQUARE GARDEN/Dr)にしか叩けないでしょ!"って感じのものを持ってきているのは、田淵さんの"俺ならこうする"という部分ですね。だから俺にとってこの曲は"featuring 田淵智也"なんです。俺たちのいいところを伸ばしてほしいというより、一緒に面白いものを作りましょう、という感じがあったかな。

-お互いなかなかない制作方法ですし、アイディアも豊富だったのでは。

そうですね。だから楽しかったです。UNISON SQUARE GARDENのファンの人が聴いたら"田淵さんだ!"ってすぐわかると思う(笑)。この曲、Aメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロ、Eメロまでで1番なんですよね。この異常なまでの構成は田淵さんらしいし、ザブも"これどうやって踊るんだ!?"とびっくりしてました(笑)。

-そうですね。洋楽はビートやフレーズ、コードが何かしら繋がっていて、基盤を作ったうえで変化をつけていく構成が多いです。その点日本のバンドはAメロ、Bメロごとにガラッと風景を変える曲が多い。

だからザブの言うとおり、リラックスして踊れる曲ではないと思うんです。でも日本人はそれをフェスで聴いているから、展開が多くないとつまらない身体になっちゃってるんだろうなー......というのも再確認して。ザブも日本の特色を面白がってくれたし、ザブのドラムの音の録り方が特殊だったから田淵さんも"こうやって洋楽的な音が作れるんだね"と言ってくれた。お互いが手札を見せ合っている感じがしましたね。