Japanese
岡崎体育 × てっくん
"ミュージック・ビデオあるある"を題材にした「MUSIC VIDEO」のMVは12月初頭の時点で再生回数1,400万回を突破。メジャー・デビュー初年度にして数々のバズを生み、その存在を一気にお茶の間にまで知らしめた岡崎体育が繰り出す新たな一手が、1stシングル『潮風』だ。TVアニメ"舟を編む"のオープニング・テーマとして書き下ろされた表題曲は、同作で描かれる"人間的対義性"を岡崎体育流のキャッチーさで見事に表現している。そんな今作のリリースを記念して、「FRIENDS」でお馴染みの彼の友人、"てっくん"との対談が実現。"二人で一つ"な関係のふたりが一緒だから話せる、岡崎体育の背景と音楽の魅力に迫りつつ、てっくんの秘密もいろいろと明かされる!?
岡崎体育
てっくん
インタビュアー:松井 恵梨菜 Photo by 川村 隼也
-今回は1stシングル『潮風』リリース記念インタビューということで、"バンドざまぁみろ"と連呼する「FRIENDS」(2016年5月リリースのメジャー・デビュー・アルバム『BASIN TECHNO』収録曲)でお馴染みのお友達、てっくんとの対談になります。まず、おふたりは何友達なんですか?
てっくん:友達ではないですね。単純に仕事での関係です。だよね?
岡崎体育:うん、そうですね。
-案外ドライな関係なんですね?
岡崎体育:ドライですね。僕より年上なんで。
てっくん:そうなんです! 31歳!
-見えないですね! なんで"てっくん"っていうお名前なんですか?
岡崎体育:本名が高橋てるきっていうんですよ。裏では"てるきさん"って呼んでるんですけど、表に出るときはやっぱりキャッチーさが大事なんで、"てっくん"って呼ばせてもらってます。
-MV撮影で共演されたときの感想はいかがでしたか?
岡崎体育:てるきさんはすぐに機嫌が悪くなるので、撮影の進行がちょっと押したり、監督の寿司くんが手こずっていたりするとすぐに怒るんですよね。だから現場の空気もちょっとギクシャクしてました。
-そのわりには、岡崎体育さんがてっくんにボールを投げつけるなど、ひどい扱いですよね?
岡崎体育:僕がてるきさんをぞんざいに扱うっていう演出は寿司くんからのオーダーだったんですけど、てるきさんはナイーヴな性格であとからネチネチ言ってくるので、ちょっと面倒くさかったですね。
-てっくんはいろいろ我慢していたんですね?
てっくん:これでお金もらってるからね!
-おふたりの関係性がなんとなくわかりました。さて、岡崎体育さんは今回がSkream!初登場となりますので、経歴から簡単におうかがいしたいと思います。一度就職されてから音楽の道を諦めきれずにソロ活動を始められたそうですが、当初はどういうアーティスト像をイメージしていたんでしょうか?
岡崎体育:自主制作で活動されているアーティストはごまんといる世の中ですが、なんとかしてそこからメジャー・デビューして、音楽で飯を食っていきたいなと思っていたんです。だから、とにかくまだ誰もやっていないこととか、多少批判を受けてでもちょっと奇抜なことをやろうっていう意識は強かったですね。
-活動していくにあたって、てっくんからアドバイスはありましたか?
岡崎体育:僕はヴィジュアルがこういう感じなので、最初は女の子受けがあまり良くなかったんですね。そんなときにハードオフでてっくんと出会って、"何かかわいいキャラクターがいたらウケるんじゃないの?"っていうメッセージを目線で感じたんですよ。それでヴィジュアル面での向上は彼に任せようと思って、500円で友達を買いました。
-それで実際にてっくんとタッグを組むようになってからいかがですか?
岡崎体育:例えば......アメリカで映画の"テッド"(2012年公開)が流行って、かわいいキャラクターがブラックなことを言うと面白いっていうのが定義化されて。その面白さが日本人の間でも広まったらいいなと思って、てっくんにブラックなことを言わせるようになったんですよ。実は、ハードオフで出会ったてっくんは諸事情でクビにしていて、今のてっくんは友達のイラストレーターの方に頼んで作ってもらった2代目なんですけど、実際に"てっくんかわいい"って言ってくれるファンの方がいたり、彼がデザインになったグッズも好評だったりして。かわいいキャラクターをグッズにして売るのは大事だなと思いました。
-先ほど"奇抜なことをやりたい"とおっしゃっていましたが、例えば楽曲でいうと"ミュージック・ビデオあるある"をネタにした「MUSIC VIDEO」だったり、"父 母 兄 俺"というフレーズが強烈なインパクトのある「家族構成」(※いずれも『BASIN TECHNO』収録曲)など、実際に奇をてらった内容が話題となった楽曲があって。でも、それらをきっかけに他の楽曲を聴いてみると、言い方が失礼かもしれませんが、真面目に音楽で勝負していらっしゃる曲もあって。それは、意識的に分けて作曲されているんですか?
岡崎体育:真面目にやっている曲の方が、売れるためのタクティクスとかを抜きにしてやりたかったことなんですね。まずは人目につかないと、どれだけ自分がいいと思った曲を作って世の中に出していっても気づいてもらえないので。入り口としてこういうコメディ・ソングを作って、そこから岡崎体育に興味を持ってくれた人が、MVを辿って真面目な曲を聴いてくれたらいいなと思ってるんです。だから、意識的にはすごく分けて考えてますね。ネタ曲が入り口で、真面目に作った曲がゴールっていうイメージです。
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