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INTERVIEW

Japanese

フラワーカンパニーズ

2013年01月号掲載

フラワーカンパニーズ

Member:鈴木 圭介 (Vo) グレートマエカワ (Ba)

Interviewer:天野 史彬


-実際、『ハッピーエンド』っていうアルバムは震災っていう出来事を経た後のこの日本で、フラワーカンパニーズが何を鳴らすべきなのかっていうことを模索したり、その上での苦悩を綴ったアルバムだったと思うんです。だからこそのストレートさを持っていたし、ライヴを想定しない音作りにもなったんだと思うんですけど、あのアルバムを作った経験や、あのアルバムの存在は、今の自分たちに何を残していると思いますか?

鈴木:うーん……まだわからないなぁ。まだツアーの途中だから、この先やってくうちに何かわかってくるのかもしれない。今は探り中というか。実際、お客さんにどれくらい響いたかとか、どういうふうに捉えられてるかっていうのは、現場で見ないと信じられないとこがあるから、ツアーが全部終わった後に、“やってよかった”とか、“やり過ぎだったかも”とかはわかるのかな。

-じゃあ、現時点(2012年12月中旬)で、お客さんの反応に、今までのツアーとの違いを感じたりはしてますか?

鈴木:『ハッピーエンド』からの新曲の浸透が速い気がしましたね。今までで1番速い気がする。その地方で初めてやる曲でも、お客さんの口が動いてるんですよね。“あ、歌ってんなぁ”って。

グレート:そうなんだよね。おかしなことに、ライヴを想定せずに作ったにも関わらず、みんな歌ってんのよ。いかに俺らの狙いどころが間違ってるかっていう(笑)。ただ余計なこと考えずに、いい曲を出せばよかったんだよね。それは今回凄く思った。

-曲の浸透が速かったり、お客さんが歌ったりするのは、きっと『ハッピーエンド』でフラカンがぶち当たった問題や苦悩が、震災後の日本に生きるお客さんたちにも共有できるものだったからだと思うんです。で、今回の「ビューティフルドリーマー」も、同じように今の日本の状況とか、そこで生きてる人々のモードに凄くフィットする曲なんじゃないかと思ったんですけど、「ビューティフルドリーマー」の歌詞はどのようにできていったんですか?

鈴木:「ビューティフルドリーマー」は、もろにタイアップを意識して書きました。台本と、原作と、映画版も見て。曲はすんなりできたんですけど、歌詞は結構書き直したんですよね。ドラマに合った感じの歌詞を書きたいんだけど、沿わせ過ぎもどうかと思って。ただ、原作の主人公が、僕らよりももうちょっと若いぐらいだと思うんですけど、“これ、俺にしか書けないじゃねえの?”っていうぐらい境遇が凄く近い設定で。楽しんでないわけじゃないんだけど、決して明日を待ってるわけでもない感じというか。このまま明日が来なくてもなんとも思わないし、だけど絶望しているわけでもないし……それなりに、その場その場を低温で楽しんで、低温でそれなりに頑張ってる。その温度感が、日常の僕に近かったんですよね。ライヴだとこんなんじゃないですけど、ぽつんとひとりでいる時の呟きみたいな感じというか。それがあったので、ドラマの台本を見たりしながら書けたかな。ドラマの設定が近かったのはラッキーだった。“ごくせん”とか持ってこられたら、書けなかったと思う(笑)。

グレート:俺も台本や映画は見せてもらったんだけど、主人公と鈴木は同じカテゴリーというか(笑)。だから、そのまま書けばフラカンの曲になるなって思った。

-ドラマからの影響が、歌詞の面で“素の自分”というか、今の自分たちのリアリティを引き出すことに繋がったんですね。

鈴木:割と『ハッピーエンド』が、感情が振り切った方向に向かってる歌が多いんですよね。虚しい感じとか、自分の無力さにがっかりしてる感じとか、ガッと行き切っちゃてる気持ちを歌ってることが多いんだけど、「ビューティフルドリーマー」はその後の、もうちょっと温度が低い日常感というか、無力感があるんですよね。僕は割とカーッとなっちゃうほうで、歌詞も振り切っちゃうことが多いんですけど、それとは違った緩い感じが今回は出せたかな。