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DISC REVIEW

未知標

鴉—なんとも人間臭さのにじみ出たバンドだ。一歩一歩足取りを確かめるように、時に息を飲む程の速度で成長し続けている。単なる激情型ロックと呼んでしまうには惜しい。哀愁漂う言葉。テンポよいリズム感。近野淳一(Vo&Gt)の描く世界は、日常的であり

フィクションを科学する

嘘か真か、インタビューで語ったように"心で歌う"姿勢がそうさせたのか。アルバムとして3枚目の今作は、これまでの圧倒的なハイテンションで突っ走るような勢いを緩め、メロディアスな世界観を強調した作風となった。9mm Parabellum Bul

MODERN AGE

モダン。現代的という意味を持つ言葉だが、日本においては少々古風な響きでもある。現代的なのに古風、それはDOESの音楽に通ずるものがあるのではないだろうか。歌謡曲の味を含む和風メロディと美しい日本語、そして洋楽的でスリー・ピースの枠に囚われな

dynamo

メジャー第一弾となる今作で彼らの新章が幕明ける。よくよく考えてみると、この複雑で四方八方から放たれる様々なエフェクターを駆使した、サウンドを3 人で鳴らしていることがすごいのだ。機械的な音のなかにも確かに魂が宿っていて物語がある。リアルであ

風の歌

GRAPEVINE としては約1 年半振りのシングル・リリース。「風の歌」はその名の通り、秋空のように高く突き抜ける開放的なミディアム・テンポ・ナンバー。田中和将のヴォーカルと3人の奏でるストレートな音作りは肝が据わった落ち着きを感じさせる

とげまる

これこそまさにオールA のポップ・ソング集。3 年ぶりに届けられた13 枚目となる今作は、今までの彼らの作品の中でも特に色彩豊かなものとなった。青いメロディと卓越したバンド・アンサンブルが魅力な「ビギナー」、スピッツ的シューゲイザーで美しい

ARE YOU READY?

斉藤和義14 枚目のオリジナル・アルバム。元BLANKEY JET CITY の中村達也、リリー・フランキー、妻夫木聡、ザ・クロマニヨンズの真島昌利などの豪華ゲストを招き、タイアップ曲も多数収録。全ての曲に美しい物語が凝縮され、過去最高にゴ

Oi! Um bobo

そもそも、“ザ・クロマニヨンズ” ですから。現代人(ホモ・サピエンス)と同族ではあるが、あくまで原始人なわけで、“人間の極み” とも言えてしまう単語を掲げるこのバンドは、ロックにおける普遍性の極みも知っている。最小限の機材による演奏。エイト

かくれんぼ

突如滲んだ柔らかいギターの不協和音。その瞬間動けなくなり、曲が終わるまで鳥肌は止まらず、気付けば目には涙が溢れていた。札幌在住の4 ピース・バンドsleepy.ab、セカンド・シングルのタイトル曲は、柔らかなストリングスが4 人の奏でる音と

たまもの from ぬばたま

bonobos のフロントマンである蔡忠浩の初ソロ・アルバム。多数の豪華ゲスト・ミュージシャンを招いたこの作品は、彼がこれまでの音楽活動で培ったシンガー・ソングライターとしての歴史の総括と言っても良い。蔡の奏でるギター、やわらかい鍵盤やホー

想像と都市の子供

都会の景色と、そこで生きる人々を映した、説明なきドキュメンタリーのような作品。現代社会を生きるうえで、身体感覚を失わないように生きていこうとする意志を表現したという「mass」や、平均化していく現代文化を表現したという「均質化する風景」に代

シャボン

石鹸屋がメジャー・デビューすると知ったときは笑いが止まらなかった。メジャー・シーンにおいて、彼らの存在がいい意味で爆弾になる確証があったからだ。ゲーム音楽にアレンジを施し、歌詞をつけて歌う"二次創作"活動を05 年に始動させ、コミック・マー

オカモトズに夢中

10 代にして、時代錯誤な匂い漂う音を生々しく響かせるOKAMOTO'S。学園祭で話題をさらっていたキッズ達は、瞬く間にその名を全国、そして全米にまで轟かせた。なんとも末恐ろしい才能である。OKAMOTO' S のロックには、綺麗な女の子と

Good morning Devil

合理化が進んだ愛なき世界に対する不満・疑問から生まれる拒絶、だけどそこで生きるしか道はないと理解していながらもその現実に踏み切れないという自己矛盾と、それでも捨てることが出来ない未来への淡い希望。その狭間の闇の中を苦悩に満ちてもがき苦しみな

THE GUIDE

1年半ぶりにリリースされた4枚目のアルバムは、ゆるゆる~と見せかけて、細かな音がたくさん散りばめられていて楽しい仕掛けが仕組まれている。そのあたりスペアザは知能犯だ。大人の音遊びといった感じ。平均して1曲が長い(なかには9分超えの大作も!)

べろべろ

宮藤官九郎脚本の作品って、とことん笑いを追及したものではなく、シュールになりすぎず、ストーリーにハートフルな要素が入っているというのが一つの特徴でもある。笑って笑って、ほろりと泣ける、「日曜の夕食時もいけるぞ」みたいな温かさがあるのだ。そし

I wanna be your boyfriend

初期衝動がほとばしりまくりの、問題作であり1stアルバムである『脳内デート』でとんでもないインパクトを残したTHE 抱きしめるズ。今作ではサウンドが大人になってます!(といっても、メンバーは23 歳にして童貞記録を更新中のようですが....

巣立ち

"秋田発"の素朴さからくる泣きのメロディ、しかと受け止めました。真っ黒な容姿で孤高の存在感を放つ生き物"鴉"。演歌のこぶしのような、哀愁を帯びた響きを持つ名前のこのバンドは、それに見合う歌、とことん突き進む強さを持った、猪突猛進の歌を歌う。

Mary Lou

メロディ、サウンドともに、その響きのなんと甘酸っぱいことか......(感涙)。聴けば一発で"この人だ!"と分かる、志磨遼平のちょっと鼻にかかったクセのある声で歌い上げる、"Mary Lou" への純粋無垢な愛情。それを包み込むのは、池田貴

落雷

平均年齢21歳という若さながらもデビュー・シングル「優しい人」でその存在を世に知らしめたAnyから、待望のセカンド・シングルが到着。みずみずしさのなかに初々しさが残る前作より、ドシッと構えた落ち着いた印象を受ける。表題曲の「落雷」はハードな