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DISC REVIEW

C

万物の独白

CRAZY VODKA TONIC

万物の独白

広島県福山市発の4人組 CRAZY VODKA TONICが、前作から8ヶ月ぶりとなる新作をリリース。バンドの芯はそのままに、最先端の音楽を随所に落とし込んだという新曲と代表曲「前人未踏」を収録した6曲入りのミニ・アルバムだ。"万物"というタイトルのとおり、本作には宇宙を想起させるアレンジが多数施されている。そこには"音楽で宇宙を見た"と言う池上優人(Vo/Gt)が伝えたい"音楽の神秘"が込められているように思う。ストリングスをふんだんに使った生命力溢れるサビが美しい「灯台と水平線」など、エモーショナルな歌声が引き立つ楽曲から、アグレッシヴなバンド・サウンドが炸裂するロック・ナンバーまで表情豊かな楽曲が揃い、様々な人の心を掴む作品となりそうだ。(三木 あゆみ)

かつて天才だった俺たちへ

Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

かつて天才だった俺たちへ

今や音楽関係のみならず、多方面で目にする存在になった彼ら。その躍進の中で得たものを落とし込みながら、ヒップホップ然としたコア部分も研ぎ澄まされた見事な作品だ。菅田将暉を迎えたロック調の「サントラ」は、ビッグなコラボのインパクトに負けないふたりの気合が爆発し、菅田と亀田誠治、ピエール中野(凛として時雨/Dr)、加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ/Gt)、津野米咲(赤い公園/Gt)が参加の「日曜日よりの使者」は、原曲へのリスペクト満載のリリックが加わり気さくな魅力を生む。そんな客演を迎えた曲を挟む形で、自虐的な彼らならではのフローで未来を切り拓く表題曲、ライヴへの欲求を禁断症状的に妖しく炸裂させる「ヘルレイザー」などを収録。聴くほど気づきがあり、彼らの包容力に触れられる。(稲垣 遥)

INDIES COMPLETE

Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

INDIES COMPLETE

昨年末にメジャー・デビューし、今春には初フル・アルバムをリリースしたCreepy Nutsのインディーズ期曲コンプリート盤。フリースタイルMCバトル、ソロ活動を経たR-指定がDJ 松永と正式にタッグを組み最初に世に出した「刹那」は、"負けてたまるか"とルサンチマンを荒々しく見せる1曲。それを皮切りにほぼ発表順にトラックを並べた今作は、ふたりのドキュメンタリーでもある。お得意の攻撃性や自虐性、キャッチーさが目立つ曲だけでなく、自身の立ち位置を見つめ直す、ロー・テンポで叙景的な「朝焼け」も沁みる。さらには、今や代表曲となった「合法的トビ方ノススメ」、「助演男優賞」の、盟友 SPARK!!SOUND!!SHOW!!による幻のリミックス版も収録。狂騒も耽溺性も増し増しの見事なコラボは必聴だ。(稲垣 遥)

高校デビュー、大学デビュー、 全部失敗したけどメジャーデビュー。

Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

高校デビュー、大学デビュー、 全部失敗したけどメジャーデビュー。

権利関係がクリアできず、当初8月だったはずのメジャー・デビュー自体が延期になったという最強のオチまでついたデビュー・シングル。"メジャー・デビュー"そのものがテーマで、R-指定が地元の知人に様々なダメ出しを食らう「メジャーデビュー指南」、そしてTrack.2には構成作家に佐藤満春を迎え、6月に生配信されたWEBラジオ番組を完全収録。約1時間に及ぶリスナーからの悩み相談もまさに"デビューに失敗した人たち"をどこか優しく笑い飛ばす内容。それを受ける形で、楽曲としてこんな目立ち方をしたらハブられる、でもどんな失敗も無駄じゃないことを歌う「だがそれでいい」に着地。"負け"の定義なんて大人になれば変わる、今まさに戦うキミには力になってくれるCreepyからの知恵の結集だ。(石角 友香)

SOS! feat. Creepy Nuts

androp

SOS! feat. Creepy Nuts

話題のヒップホップ・ユニット、Creepy Nutsとandropがともに作り上げた(アンチ)サマー・アンセム。2016年10月にリリースした『blue』で人間のダーク・サイドに対峙したあのandropがと考えると、その振り幅に驚かされるが、レゲエに挑んだ「Sunrise Sunset」も含め、音楽的な収穫はかなり大きい。アンセミックなサビは彼ららしいと言えるものだが、R-指定によるラップ・パートはDJ松永にトラックメイキングを任せたことで、andropはこれまでにないファンキーな演奏にチャレンジ。映画"2001年宇宙の旅"で有名な「ツァラトゥストラはかく語りき」のフレーズをサンプリングするという初めての試みとともに、今回の収穫が今後の曲作りにどう反映されるかが楽しみだ。(山口 智男)

助演男優賞

Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

助演男優賞

逆境をバネにして夢に向かうタイプがバンドに多いとしたら、現状をそのまま綴りながら笑いを作り出し、リスナーにとっての間口を多く作るという作業を自然とやっているのが、モチベーションは似ていてもCreepy Nutsのやっていることなのかもしれない。キャッチーなサビとオールドスクールな渋いトラックメイクにセンスが光るタイトル・チューン「助演男優賞」、ドン・キホーテ側にもヴィレヴァン側にも居場所がなかった、けどどっちのカルチャーも知ってるし、的な「どっち」、シリアスでスモーキーなサウンドが不穏且つ鋭く、自分たちの今の立ち位置を綴る「未来予想図」もリアル。音楽好きなら聴けば聴くほど、堀り起こされる音楽的エレメント、リリックの多重構造も濃い。(石角 友香)

24-7 Rock Star Shit

THE CRIBS

24-7 Rock Star Shit

Johnny Marrが在籍していたことでも知られる、ジャーマン3兄弟によるUKロック・バンド THE CRIBS。日本でも人気の高い彼らが2015年『For All My Sisters』以来2年ぶりに放つアルバムは、NIRVANA『In Utero』を始め、オルタナティヴ・ロック・シーンを代表する名エンジニアSteveAlbiniが担当しており、シカゴの"Electrical Audio"でレコーディングされたというグランジ・モードな作品。フィードバック・ノイズから割れんばかりのローファイなサウンドを聴かせるオープニングの「Give Good Time」、静かに秘めた熱量を爆発させる「In Your Palace」など、その楽曲たちは尖っているものの実に爽快感溢れるもので、細かいことを気にしないロックのダイナミズムを体現。「RainbowRidge」で聴かせる間奏の揺らぐギター・サウンドはKurtCobainのプレイを彷彿とさせる。(岡本 貴之)

未来の途中

Crispy Camera Club

未来の途中

"ロマンチック・ユース"を謳ってきたCrispy Camera Clubが、夢見た"未来の途中"で、ステップアップを印象づけるアルバムをリリース。90s UKロック香るサウンド、懐かしさとキャッチーさが魅力のギター・ポップが"CCCらしさ"として確立され、その"らしさ"を軸に表現の幅を広げた7曲が収録された。メロディの良さが際立つミドル曲や、新境地のブルージーなジャングル・ビートはレトロなムードを漂わせ、円熟味溢れるギターが加わった亀本寛貴(GLIM SPANKY)とのコラボ曲ではより哀愁を増したサウンドに。そしてポップ・チューン「待ち合わせは月の下で」を軽やかに放ち、サイケデリック・ロックな「caramel」でブラス、鍵盤を加え華やかに締めくくった。ここからさらに広がっていくCCCの未来が楽しみだ。(中尾 佳奈)

季節風

Crispy Camera Club

季節風

シングル『Apartment Dreams』を挟み、ミニ・アルバムとしては前作『ROMA』から約2年半ぶりとなる7曲入り。ギターの稲本裕太が脱退し、3ピース編成に戻った彼女たちのニュー・モードを感じる1枚になった。先行配信された「季節のはじまり」や、「Orange」など、90年代UKシーンへの憧れをストレートに反映させたアプローチによって、バンドが本来的に持っていたメロディの良さがこれまで以上に冴え渡る。外部のプロデューサーとしてカジヒデキを迎えた「rock'n'roll wind」では、スピッツのサポートで知られるクジヒロコをキーボードに起用。渋谷系ポップスとCCCが融合する新しい感覚のナンバーになった。季節外れの扇風機をデザインしたジャケットにも遊び心を感じる。(秦 理絵)

ROMA

Crispy Camera Club

ROMA

初の全国流通盤となった前作『SWAG』から約10ヶ月ぶりとなるミニ・アルバム。新ギタリストに稲本裕太を迎えた新体制で完成させた今作は、バンドのトレードマークである90年代のインディー・ギター・ポップの雰囲気を大切にしながらも、コーラス・ワークが磨き上げられ、シンセサイザーの導入など、新たな要素も取り入れた進化作になった。海をテーマにした清涼感溢れるリード曲「ネイビー・ショア」にはじまり、ミサト(Vo/Gt)と稲本による男女二声のハーモニーが軽やかに駆け抜ける「BIG EASY」、開放感のあるバンド・サウンドに乗せて遥か未来へと続く旅路を描いた「ティンセルタウン (ROMA mix)」まで全6曲。目的や意味なんてなくとも、今歩く旅路に彩りを与えるロマンチックな1枚。(秦 理絵)

SWAG

Crispy Camera Club

SWAG

90年代UKロックの影響を受けた男女混成3人組バンド、Crispy Camera Club初の全国流通盤ミニ・アルバム。THE SUNDAYSやTHE CARDIGANSといったアンニュイな女性ヴォーカル特有の"ロックの匂い"を漂わせたヴォーカル、ミサトを始め、邦楽ロック好きのりんすけ(Dr)、古い時代のロックンロールを愛する中根トモヒロ(Ba)という絶妙な組み合わせの3ピースが作り上げる楽曲は、柔らかなハーモニーが彩る懐かしくもエッジの効いた新世代ギター・ロックだ。"1957 奇跡の始まりを知りたいな"と、ロックンロールの起源に想いを馳せるTrack.2「雨があがったら」など、余計なことを言いすぎない引き算の美学で完成させる日本歌詞には、心の内側で静かに燃える熱い衝動が込められている。(秦 理絵)

Endless Flowers

CROCODILES

Endless Flowers

CROCODILESの約2年振りとなる3rdアルバムが到着。ARCTIC MONKEYSなどのプロデュースで知られるJames Fordを迎えて制作された前作から、今作はレーベルを移しベルリンにてレコーディングされた意欲作。先行シングルである「Sunday」は疾走感たっぷりで彼らの魅力が詰まったサーフ・ポップ。アルバムには近年のTHE HORRORSを彷彿とさせる様な奥行きあるサイケデリアが広がる。ただサウンドは良い意味で荒々しく、メロディはどこまでも甘酸っぱく、高揚感あるもの。男女による掛け合うヴォーカルやコーラス、そして全体のアクセントとなるオルガンの音色が今作のトーンをしっかりとまとめ上げている。最近のシューゲイズ・バンドの中でも1つ抜けた存在であることを改めて確認させられる傑作だ。(遠藤 孝行)

Sleep Forever

CROCODILES

Sleep Forever

JESUS AND MARY CHAINがTHE VELVET UNDERGROUNDを聴きながらハイになってやがる。そんなダーティーな臭いがプンプンする。カリフォルニア州サンディエゴ出身、Brandon WelchezとCharles RowellのデュオからなるCROCODILESの2ndアルバム。昨今盛り上がりをみせるニューゲイザー、ローファイに連なるノイズが持ち味だが、前作での奔放な世界観を踏まえつつ、対なる魅力のメロディアスな側面に焦点を合わせたようだ。だからと言ってノイジーな演奏を薄めているわけではなく、トータルとしての構築美を強め、耽美な世界観がいっそう浮き彫りとなっている。「Mirrors」や「Hearts Of Love」とアンセミック・ナンバーも飛び出し、より多くの人が入り込めるだろう。痺れるほどの危険な薫りに酔いしれろ!それとA PLACE TO BURY STRANGERSやSERENA MANEESH好きは問答無用にマストバイだから、よろしく!(伊藤 洋輔)

s/t

CRUISR

s/t

2012年にAndy States(Vo/Gt)が始めたソロ・プロジェクトがバンドに発展したフィラデルフィアの3人組、CRUISR(読み:クルーザー)。アメリカにおける現在のレーベルメイト、THE 1975を始め、IMAGINE DRAGONS、PVRISといった人気バンドとツアーしながら存在をアピールしてきた彼らが、これまで配信リリースしてきた楽曲を1枚にまとめた日本独自企画CDをリリース。60s風のポップ・ソングの数々を、80s風のキラキラしたシンセの音色がふわっと包み込むサウンドは、まさに今のUSインディー・シーンの気分を物語るものだ。それが単にノスタルジックのひと言で片づけられないものになっている理由は、R&Bの影響が色濃いリズム・アプローチ。絶妙にハネる演奏は、曲が持つ魅力をより一層際立たせている。(山口 智男)

New Skin

CRX

New Skin

THE STROKESのギタリスト Nick Valensiがギターのみならず、ヴォーカルも務めるバンド"CRX"によるデビュー・アルバム。ライヴをやるためにロサンゼルス・シーンの精鋭たちと結成したそうだが、曲そのものは何年も前からNickがこつこつと作りためていたものだという。THE ROLLING STONES風のリフを閃かせるTrack.1「Ways To Fake It」を始め、ブルースやハードコアの影響も散りばめながら、曲ごとに変化をつけたロックンロールが並んでいるが、それらを特徴づけているのはニュー・ウェーヴ風の煌びやかなサウンドだ。彼のロックンロール愛を雄弁に物語る一方で、THE STROKESサウンドの外枠を担っていたのがNickだったと改めて教えてくれる1枚でもある。 (山口 智男)

CRYAMY -red album-

CRYAMY

CRYAMY -red album-

東京を中心に活動中の4人組ロック・バンド CRYAMYが、自主レーベル"nine point eight"から初の全国流通盤となるフル・アルバムをリリースする。今作は、現在は廃盤となっている1st EP『CRYAMY#2』収録曲の再録を含め、新曲も多数収められており、その曲数は全16曲という大ボリュームなものになった。ライヴの定番曲「ten」のバンド・バージョン、歪みが効いたスピード感のある「変身」、生活感の中にどこか哀愁の漂う「やってらんねー」、約8分にも及ぶ弾き語りのバラード「優しい君ならなんて言っただろうね」など、人間的な感情の揺れや衝動、ヒリヒリとしたリアルな感覚が伝わる1枚だ。CRYAMYそのものを体現した作品でもあり、バンドの歴史に残る名盤となるに違いない。(三木 あゆみ)

Amnesty (I)

CRYSTAL CASTLES

Amnesty (I)

カナダのエレクトロ・ロック・デュオによる待望の4作目。前作リリース後、2014年にヴォーカリストのAlice Glassが脱退。2015年4月に沈黙を破り新曲「Frail」をネットで公開し、同年11月には新ヴォーカリストのEdith Francesを迎えた新体制でライヴを行い再始動した彼ら。ダンサブルな曲が多かった前作と比べ、パンク・ノイズ寄りの1枚となっている印象だ。讃美歌を思わせる「Femen」に始まり、鼓膜を突き破らんばかりの轟音が響く「Fleece」、「Frail」、派手なエレクトロ・ポップの「Char」で破壊的且つドリーミーな両面を聴かせるヴォーカルはインパクト大。暗澹とした気分をより暗くしたいときにオススメ。THE SLITSあたりのポスト・パンク好きな人も気に入るかも。(岡本 貴之)

Crystal Castles

CRYSTAL CASTLES

Crystal Castles

MySpace上で話題を呼び、インディーながら全世界で20万枚以上というセールスを記録、NME の「10年間においてベスト50のアルバム」にも選ばれるなど、多くの話題をさらった前作から約2 年ぶりとなるCRYSTAL CASTLESの2ndアルバム。今作も、前作同様に、荒涼とした灰色の世界を舞台としている。浮遊感と丸みのある音が心地よく、かと思えば次の瞬間には攻撃的かつノイジーなサウンドとハイトーンの電子音が針のごとく刺してくる。その攻撃性も、そこに混在するメロウな歌心も、前作より完成度が上がり、それは結果として、よりダーティーでありながら美しい世界を作り上げている。地域労働奉仕(犯罪者が行う奉仕活動)で知り合った2人が劣悪な環境で作り上げた、パーティーとは程遠い渇いた空間に、希望の光を灯したような華やかさが加わった。(島根 希実)

Star Of Love

CRYSTAL FIGHTERS

Star Of Love

インディ・エレクトロ界の開拓者、KITSUNEの耳にも止まったCRYSTAL FIGHTERSのサウンド。スペインはバスク地方の民族楽器とラテン特有の身体を火照らせるビートを、エレクトロという切り口でハイ・テンションに融合している。彼らのエスニック色は、GOLD PANDAのエッセンスとは異なった昇華スタイルだ。“昇華”というより、“消化”といった方が近いかもしれない。CRYSTAL FIGHTERSは“エスニック”をエッセンスとして取り入れているのではなく、根底にあるべきものとして存在させている。民族衣装がえてして極彩色豊かなように、本作の11曲は異なった温度と色彩を内包している。単一的なビートに偏ることなく自由で開放感に溢れ、時に無邪気に「I Love London」なんて言ってのける。エレクトロ、ポップ、ラテン。エキソドスさながら大量のキーワードとメロディが溢れ出す。(山田 美央)

Planta

CSS

Planta

ブラジル出身のガールズ・バンド、CSSの4枚目『Planta』は、彼女たちのダークに振切れた一撃が痛快な意欲作。サンパウロ出身という肩書きから、全世界の男共のラテン娘に対する勝手な幻想の犠牲となってきた(あるいはそれを上手く利用してきた)彼女たちだが、唯一の男性メンバーであったAdrianoが抜け、本当の意味でのガールズ・バンドになったことも影響しているのだろう、今作はアルバム名が示す様に、彼女たちのナチュラルで赤裸々な有りの侭の姿が記録されている。サウンドは打ち込みの比重が高く、ダークでエレクトロ感を全面に出した内容に。クラブでの男漁りにも飽きた、そろそろ私たちを適当に扱ってきた男たちに復讐をしてやりたい……そんな怒りすら感じさせる凄みのある作品だ。 (小田部 仁)

Choice Of Weapon

THE CULT

Choice Of Weapon

1983年結成、前作『Born Into This』からは実に5年ぶりとなるアルバム。1曲目の「Honey from a Knife」から純度の高いアグレッシヴなロックを展開する。リフの1つ1つが意思を持っているかのようにシンプルでも生き物のように蠢き、Ian Astbury(Vo)のヴォーカルは年月が経てば経つほど逞しくなる雄大な巨木のように響き渡る。2009-2010には足がけ2年に渡り初期の代表作である『Love』を全て演奏するというコンセプト・ツアーを大成功に終わらせている。今作のサウンド・アプローチがロックの持っている原始的な響きに回帰しているのもその影響もあるかもしれない。積み上げたキャリアも、プレイ、サウンド・メイク等細部に渡り完成度の高さは言うまでもないが、CULTは決して高みの見物をしない。全く隙の無い研ぎ澄まされた彼らの牙を感じて欲しい。(伊藤 啓太)

Cults

CULTS

Cults

NYから突如現れたドリーミー・サイケ・ポップ・デュオ、CULTSのデビュー作。BEST COASTを彷彿とさせるビンテージなサーフ・ロックや甘いガールズ・ポップを奏でる彼らだが、シンセ・サウンドを取り入れるなど今のシーンと共鳴しながら、楽曲の良さは勿論、バラエティに富んだ楽曲が並んでいる。60年代風のサウンドが彼らの持ち味とも言えるが、ヴォーカルMadelineの甘い歌声が彼らの作り出す唯一無二の世界感を決定付けている。結成から1年余りというスピードと言い、Lily Alenが設立したレーベルの最初の契約アーティストとなったことと言い、CULTSは少し飛び抜けた存在であると言えるのかも。これからが本当に楽しみなバンドだ。(遠藤 孝行)

!!!

CULTURES!!!(ex-Damn Drive)

!!!

2019年のシングル『Dreamers Blues』から兆候は見られたが、"パワー・ポップへの接近"が今作のひとつの特徴で、「サマータイムメモリー」を筆頭に大らかな曲が増えた印象。全体的にアレンジはシンプルであるものの、時の進みとともに各楽器のアプローチが変化するなど細やかな工夫も見られ、人の心の動きにより近い、派手ではないがかえって体温の感じられる仕上がりになっている。ライヴ・バンドとしての意志を歌った「ぼくらの戦争」、メロコア的な「メリトクラシー」など、アッパー・チューンも勢いに任せず丁寧に作られているし、「Answer」、「ありふれたこと」は等身大のサウンドで鳴らすからこそ沁みる。メンバー自らミックスに携わったサウンドの質感にも注目。(蜂須賀 ちなみ)

Songs Of A Lost World

THE CURE

Songs Of A Lost World

ポストパンク、ゴシック・ロックを代表する存在として語られ、長年多くのファンに愛されてきた、THE CURE。実に16年ぶりのニュー・アルバムとなる『Songs Of A Lost World』は、心が締め付けらるような、純粋で耽美なロマンチシズムを湛えたサウンドが全編に渡り鳴り響く、感動的な作品となっている。Robert Smithのナイーヴな表情を映した歌謡曲的なヴォーカルと、重厚感のあるバンド・アンサンブルのドラマチックなアレンジも相まって切なさが加速する。"Songs Of A Lost World(失われた世界の歌)"なんて、一見陳腐に見えてしまうようなアルバムのタイトルが極めて詩的に感じられるのは、THE CUREというバンドが持つ独特の空気感によるものが大きいだろう。(山本 真由)

I Am Gemini

CURSIVE

I Am Gemini

アメリカはネブラスカ州オマハのインディ・ロック・バンドCURSIVEの約3年振りとなる7作目のオリジナル・アルバム。今作は“善”と“悪”を抱えた双子の兄弟のストーリーをベースにして物語繰り広げられている(※ちなみにgeminiとは双子の意)。もともと人間の感情の起伏を、エモーショナルなロックンロールで届ける彼らがこのテーマに行き着いたのは必然とも言えるだろう。緩急のあるアレンジとダイナミックなヴォーカルで、まったく違う性質を持った双子の喜怒哀楽を巧みに表現する。アルバムのラストを飾る「Eulogy For No Name」を聴いたとき、音が放つ狂気と衝動に打ち震えた。歌詞自体も物語性を帯びているので、対訳を読みながらじっくり聴き入ることをおすすめする。(沖 さやこ)

You Can't Use My Name  The Rsvp Ppx Sessions

CURTIS KNIGHT & THE SQUIRES feat. JIMI HENDRIX

You Can't Use My Name The Rsvp Ppx Sessions

Jimi Hendrixがキャリアの最も初期にギタリストとして参加していたグループCURTIS KNIGHT AND THE SQUIRESの、Jimiが参加した1965年から1967年の音源をまとめた初オフィシャル音源集。曲はほぼCurtis Knightが書いたオリジナルだが、どことなくJimiの曲っぽい「Fool For You Baby」などは実は何かしら関わっているのでは? Jimiも数曲書いており、フリーキーなインスト曲「No Such Animal」「Knock Yourself Out」「Station Break」などを聴くことができる。割れたギターの音とリフを繰り返すオルガンによる「Hornet's Nest」が狂っていて最高。ルーツ・ミュージックの模倣で満足できないJimiの才能がすでにはみ出していることがわかるアルバムだ。(岡本 貴之)

Hello?

cutman-booche

Hello?

1曲目から、なんとまぁ前のめりな作品だろう。つんのめって歌うヴォーカルは“ロック” という言葉を何度も繰り返し、最後“言葉はいらねぇ” と高ぶるロックへの情熱を叩きつけてくる。これを冷静に聴くことができるだろうか。そう、タイトルの“Hello?” というのは挨拶ではない。この声に耳をかたむけてくれという問いかけだ。時に叫び、時に切々と、全編を通してひたすらに“この歌を聴いてくれ” と呼びかけているのだ。だから、彼らの歌詞は、まどろっこしい言い方をしない。どこまでもストレートに葛藤や希望を歌い、“立ち上がれ” という気恥ずかしいセリフすら正面きって投げてくる。その人間味溢れる言葉と、伸びやかな声でもって、音楽でコミュニケーションしましょうとひたすらにアプローチする、清々しい男気に溢れた作品。(島根 希実)

WHEREABOUTS

CUTMANS

WHEREABOUTS

千葉県佐倉市出身の4ピース・ロック・バンドによる、初の全国流通作品となる1stアルバム。彼等が初めて世に放った「Neighborhood」等、既発曲の一部は最新型にリマスターしている。他にも、心の歪みを吐き出すようにエモーショナルなギターが轟く「優しくなれたら」、翼を力強く羽ばたかせるように重厚なバンド・サウンドを高鳴らす「飛翔」や、叙情的な「ドリームボックス」に、ヒリついたサウンドを爆発させる「Instant day dream」と、良曲がずらり。そこに綴られている言葉達を端的に言えば"優しさ"になるのだが、一言では表すことができない複雑な感情に寄り添い、解きほぐしてくれる思慮深さがある。じっくりと心を委ねたくなる全10曲だ。(山口 哲生)

東京

CY8ER

東京

満を持してのメジャー・デビュー・アルバム。"2020年の東京系ネオKawaii"をコンセプトとし、渋谷のクラブ・カルチャー、秋葉原の萌え/オタク・カルチャー、原宿のKawaiiカルチャーを網羅したという本作は、CY8ERと、中田ヤスタカら8人の先鋭プロデューサー陣による多様な化学反応を味わうことができる1枚に。中田節全開の「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」や、数多くのCY8ERの曲を手掛けてきたYunomiらしい和テイストのEDMナンバー「東京ラットシティ」など、新たな門出を祝うに相応しい、色とりどりで華やかな作品に仕上がった。2020年までに横浜アリーナでのワンマン・ライヴ成功という、大きな目標へ加速するための起爆剤となるか。2020年要注目。(宮﨑 大樹)

Happy Overload

cyberMINK

Happy Overload

前作『commonsense』から約半年ぶりとなる2ndシングル。トライヴァルなビートにトランシーなシンセ、脳を揺さぶる低音といったカルトで覚醒要素が溢れるトラックに、キュートな歌のマッチングがタイトル曲「Happy Overload」。ドラムンベースを下敷きに二次元アイドルチックなメロディが乗った「チルチルミチル」、ミニマルなダンス・ミュージックにひとり寸劇をぶち込み、ドロップではキックに合わせて"どどんぱ"を連呼、最終的にはジャズまで飛び出すカオスな「D.D.M.P」。どの曲もカルトな魅力を爆発させつつ、2回目からはともに歌えるようなポップ性も併せ持つ。とにかく斬新で痛快なcyberMINKの世界は、一度触れたらもう抜けられない。(TAISHI IWAMI)

commonsense

cyberMINK

commonsense

ループ・ミュージックの中毒性とダイナミックなロックのミスマッチが印象的な1曲目の「cyberMINK」、GRIMESのエッセンスとドメスティックなテクノ・ポップに洒落たギターのコード・カッティングが乗った「Fantasy World」、これぞEDMな曲かと思いきやプログレッシヴな展開を見せる「f**kin' QT」、NUMBER GIRLや残響レコード勢からの影響とエレクトロニクスを融合させたような「Hollow」と、超個性的なトラックにアイドルチックでローファイなメロディとヴォーカルのマッチングは、あまりにも斬新。このビッグで奇天烈でポップな才能が世の中にどう受け入れられるのか、今後が楽しみで仕方がない。(TAISHI IWAMI)

ループバック・ロールトラッシュ

CYNHN

ループバック・ロールトラッシュ

表題曲は田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN/THE KEBABS/Ba)が作曲。入り乱れるテクニカルなバンド・サウンド、特徴的なキメの3連符、間奏の超絶ベース・プレイと、田淵の奇才っぷり全開だ。個性際立つ4人のヴォーカルが、目まぐるしい曲展開を代わる代わる軽やかに繋ぎ、この尖った難曲をエネルギッシュに乗りこなしている。続く笹川真生編曲の「もうだいじょうぶ」もなかなか難解。緊張感を纏う曲に対しピンクを基調としたキュートなMVをあてがう、その歪みが禍々しさを助長している。かわいらしい印象の「わるいこと」も歌詞は少し反抗的。正しさやかわいさを過剰に求める現代へのアンチテーゼだろうか。この3曲は、これまで築いてきた青の世界に痛烈な赤を滲ませる。(中尾 佳奈)

アウフヘーベン

CYNHN

アウフヘーベン

9月に百瀬 怜が卒業し、綾瀬志希、月雲ねる、青柳 透、昨年加入した広瀬みのりの体制となってのEP。今回では、CYNHNと初タッグを組むアーティスト、水槽、理姫(アカシック)、威戸れもね。らが参加した。これまでは浮遊感のあるメロディや、変拍子やポリリズムを多用し幻想的な雰囲気を纏った曲が多かったが、今作ではそのCYNHN印にロックでエネルギッシュな曲も加わった。4声が溶け合った透明感から、4声がそれぞれの個性やエモーションを際立たせ、ぶつけ合うからこそ成り立つ曲など、4人の歌声やキャラクターが立体的に迫る感覚が新鮮だ。複雑な世界を揺蕩っていた思いが、時に内省的に思考を深め、時に大胆に叫びを上げ個々の"声"を発する。CYNHNの今が見える1枚になっている。(吉羽 さおり)

Blue Cresc.

CYNHN

Blue Cresc.

前アルバムから約2年7ヶ月ぶりとなる、4人体制となったCYNHNの2ndアルバム。青い未完のヴォーカル・ユニットとしてデビューし、これまで様々な"青/蒼"の世界を表現し、作品を重ねながらキャラクターが織りなすハーモニーを探求、構築してきた時間の濃さが本作に詰まっている。メイン・ソングライターの渡辺 翔をはじめ草野華余子、蒼山幸子(ex-ねごと)、mol-74、Kan Sanoや高橋國光(österreich/ex-the cabs)、ケンカイヨシが書き下ろした曲はそれぞれ4人の魅力を引き立てる。デリケートな心情を表現するものから幻想的な世界をたゆたうもの、また実験的なポップスもあり、各曲と向き合い深みある表現を試行錯誤した、ヴォーカル・ユニットの可能性を切り開く姿が映る1枚。(吉羽 さおり)

#0F4C81

CYNHN

#0F4C81

"青"をテーマにした曲を歌ってきたCYNHNの新作は、メイン・ソングライターの渡辺 翔以外にも、ソングライターを迎えて制作された。mol-74、蒼山幸子(ex-ねごと)、トオミヨウやLiSAの楽曲も手掛ける草野華余子など、幅広い面々がそれぞれの持ち味で曲を提供し、CYNHNというヴォーカル・ユニットの新たな側面を引き出している。mol-74による「氷菓」では切なく淡い想いを透明感のあるギター・サウンドに乗せ、蒼山幸子/トオミヨウによる「夜間飛行」は甘美な世界をたゆたう時を幻想的に描き、草野華余子「インディゴに沈む」は彼女たちの奥底にある心情を形にしたような、エモーショナルな叫びがこもる。もっと欲張りたい、変わっていきたい、その衝動が4つの形になった激しい鼓動を感じる1枚だ。(吉羽 さおり)

水生

CYNHN

水生

JOYSOUNDとDEARSTAGEの共同オーディションで選ばれたメンバーで結成した、5人組ヴォーカル・ユニット、CYNHNの7枚目のシングル。ユニット名の由来である"青"をコンセプトにこれまで作品を発表してきた彼女たちの今作の表題曲「水生」は、夜明け前の空が濃い青色に染まる時間帯"ブルーアワー"をテーマにした楽曲だ。高いヴォーカル力と表現力を持つ5人それぞれの個性が美しく混ざり合い、迷いながらもまっすぐな眼差しで前を向き進んでいく様を表現。また、キレのいいバンド・サウンドも聴きどころ。特に大音量で鳴っている躍動感溢れる色鮮やかなベース・スラップは、ロック・バンド好きにも刺さるだろう。c/wには、"少し休みたいな"と思ったときに聴きたいゆったりとしたナンバーが収録。(三木 あゆみ)

タイムトラベリング

チェコノーリパブリック×SKY-HI

タイムトラベリング

チェコとSKY-HIのコライトには驚いたと同時に、チェコの武井優心(Vo/Ba)も日高光啓(SKY-HI)も根っこに常識をひっくり返すパンク魂を持ち、ワールド・ピースを願う部分で、出会うべくして出会った印象を持った。そして肝心の楽曲は駆け出したくなるような日常のアンセムに。異種混交感というより、エバーグリーンなポップ・チューンなのが頼もしい。カップリングはメロディの良さ、メッセージの普遍性を再認識させるセルフ・カバー。ピアノとアコギのシンプルなアレンジがタカハシマイ(Cho/Syn/Gt/Per)の歌を際立たせる「For You(AcousticArrangement)」、盟友が参加した「MUSIC(チェコと12人の仲間たち)」も曲と存在の愛され度合いに心が震える。(石角 友香)

DREAMS

チェコノーリパブリック

DREAMS

躍動するパーカッション、選び抜かれたシンセやシーケンス。圧倒的な抜けの良さと同時にチェコらしい不敵感漂う「Dream Beach Sunset」、近いサウンド・プロダクションの「BB」、武井のトーキング風ヴォーカルが聴ける「Dreamer」。いつもどおりロックのヒストリカルな部分をベースに真新しいアンサンブルを聴かせる八木類作品「ゴッホとジョン」、待望の初収録となるタカハシマイ作詞作曲の「Shiny Girl」は、彼女が内在させている牧歌的な部分とスペイシーな部分が融合したメロディ・ラインがユニーク。波の音から始まる青い恋をイメージさせるチェコらしい甘酸っぱい「Blue Holiday」もパーカッションがこれまでにない聴感を生んでいて新鮮。白飛びするような夏感の眩しさ、生命力、儚さが詰まっている。(石角 友香)

Forever Dreaming

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Forever Dreaming

躍動感のあるシンセのメロディとアコースティック・ギターのカッティング、そして"これぞチェコ!"なシンガロングがイントロから上昇感たっぷりなタイトル・チューン「Forever Dreaming」。サウンド的にはこれまでの延長線上にありつつ、"まだ終わりたくない やり遂げたいよ"、"手に入れたいんだ あの日見た夢を"という、武井優心にしては珍しく熱い歌詞にも注目。カップリングには八木類らしいスラップスティックな「24 Factory」と、タイトル・チューンの英語詞バージョンを収録。そして2種類あるうちの"チェコVer."盤には名曲「ダイナソー」のエレクトロニックなバージョンを、"ドラゴンボール超Ver."には懐かしい「ロマンティックあげるよ」のカバーをそれぞれ収録している。(石角 友香)

Santa Fe

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Santa Fe

武井優心という人は美メロ・メーカーでありサウンド・プロダクションを見通せるセンスとを持つとともに、世界に対する諦念とそれでも何かに美を見出そうとする心意気がおしゃれなサウンドからこぼれ落ちるところがあると思う。それをアンビバレンツで歪なものじゃなく鳴らすことに最も成功したのがこの『Santa Fe』なんじゃないだろうか。選りすぐりのシンセ・サウンドだからこそ感じることのできる切なさと上昇感の同居はTrack.1の「Firework」で冒頭からダイレクトに刺さり、神聖さとニッチさが相まった鍵盤のサウンドと匿名的なヴォーカル処理が印象的なTrack.4「Beautiful Days」、おとぎ話とサイケデリアが大展開するTrack.7「クワーキーワールド」など、稀有な体験ができる逸品。(石角 友香)

For You

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For You

チェンバー・ポップとゲーム・ミュージック風のシンセが融合したイントロからウキウキさせて、跳ねるビートとホーンがミュージカルを思わせるアレンジでさらに開放的な気持ちを誘う「For You」。透明で突き抜けるタカハシマイのヴォーカルのいいところも満載されている。が、よくよく聴くと"美しい日々は過去のもの"......と最後の最後で分かる歌詞の構造は、武井優心の作家性か。カップリングはかのSEX PISTOLSの「ANARCHY IN THE U.K.」をチェコらしいエッジの効いたシンセ・ポップに大幅アレンジ。八木もタカハシも相当、好き放題のシンセを乗せているのが痛快だ。原曲を知らない人は、この曲そのもののかっこよさを知るのにもいい機会かも。彼らのセンスが凝縮されたシングルに仕上がっている。(石角 友香)

Oh Yeah!!!!!!!

チェコノーリパブリック

Oh Yeah!!!!!!!

イントロのシンセ・ベースに一瞬、ドラゴンボールの登場感とのシンクロを聴きとるのは聴き手の勝手な想像か。そこから一気に上昇するような歌メロ、シンセ、リズムが一体になるカタルシス、お得意のリズム・チェンジ、"Yeah!"の掛け声がこれまで以上にインディー・ロック感を漂わせる痛快なタイトル・チューン。リヴィングのキッズ(文字通りの子どもという意味)のドラゴンボール原体験になるかと思うと、ますます痛快だ。カップリングの「Come On」は軽快で隙間も多い音像に笑いながらエゲつない一言を投入。八木類作詞作曲の「Sunday Juggler」は彼らしい諧謔性を牧歌的な曲調に乗せたスパイシーな1曲。ラストの「Yeah Oh!!!!!!!」はライヴの入場SEとしてファンにはおなじみの小品。短いが切なくも美しい。(石角 友香)

MANTLE

チェコノーリパブリック

MANTLE

ファストなビートにキラキラしたメロディやコーラス、だけどパレードの中にいて虚無を感じてるようなオープニングの「Amazing Parade」からして、音楽的にもメッセージ的にも今のチェコはポップでエクストリーム。打ち込みの気だるいダンス・チューン「Clap Your Hands」はUSインディーと昨今のディスコ・ファンクを彼ら流に消化した印象だし、コラージュ的に配置されるタカハシマイの声も魅力的。また、THE STROKES meets MGMTなセンス溢れる「Hello, My Friend Sophie」、アルバム全体のテーマというか、武井優心の本音が窺える「Changing My Life」など、どこを切っても新しい音楽の海に勇敢に漕ぎ出すこのバンドの心意気が鳴っている。楽しさの中に彼らの切実な思いを見出した時、このアルバムは身近なものになる。(石角 友香)

Dinosaur

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Dinosaur

昨年10月にリリースされた1stフル・アルバムも好評なCzecho No Republicから早くも届いた2ndミニ・アルバム。The Mirrazのオープニング・アクトに抜擢されたことで注目を集めた彼らだが、遊び心たっぷりなポップなサウンドと同世代のUSインディとも共振するポジティヴなヴァイブに溢れた音楽性で人気を集めている。今作も勢いそのままにエネルギッシュでキュートな作品だ。シンセが印象的でパワフルなタイトル・トラック「ダイナソー」から楽曲も粒揃い。多彩なリズムの変化もさることながら、巧みなコーラス・ワーク、そしてソングライティングもさらに磨きがかかった印象。より多くの音楽ファンに聴いてもらいたい作品だ。(遠藤 孝行)