Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

NANIMONO

 

NANIMONO

Member:ひなたゆま 柊真ミフユ 眠岸ぷりん 紫苑りんか 輪廻ねる 和田あずさ 朝比奈ろん

Interviewer:宮﨑 大樹

NANIMONOが3rdアルバム『Kawaii Future IDOL』で定めたコンセプトは"Kawaii Future Bass"だ。本作で見せるメンバーのアニメチックで甘い声質と、キラキラしたダンス・サウンドのペアリングは、まさに奇跡的相性である。このジャンルを好む読者にも、インキャな読者にもオススメしたい傑作に迫るべく、メンバー全員に話を訊いた。


機械じゃできないことを私たちはやっている。それがアイドル


-衣装がサイバーナースになったんですね。

一同:かわいい!

ミフユ:やっぱり原色のほうがNANIMONOっぽいですね。

ぷりん:しかも光るんです。ピンクと水色に光るんですけど、これは動脈と静脈を表しているんですよ。

ねる:私はジャージメイド衣装のNANIMONOに憧れてグループに加入したんですけど、ちょっとそれっぽいエプロンが付いていたり、バーコードが付いていたりするのが、もともとオタクだった身としては熱い。リヴァイヴァルしている感じ。この衣装はジャージメイドから知った人も、それだけ知っている人にも刺さりそうだなと思います。かわいいし、NANIMONOらしいナースになりました。

-ナースになったNANIMONOが、音楽で"疲弊したココロを治療する"と。今回完成した『Kawaii Future IDOL』は、まさにそんなアルバムになりましたね。とにかくKawaii Future Bassをコンセプトとしたことが正解だったなと思います。これはディスク・レビューに書いたんですけど、"メンバーのアニメチックで甘い声質と、キラキラしたダンス・サウンドのペアリングは、まさに奇跡的相性である"なと。

ゆま:嬉しい。手応えがあります。歌い方とか曲調が今までになさすぎて、"THE新しいNANIMONO"のアルバムで、めっちゃいいなって思います。歌い方がすごいよね?

ぷりん:頑張った。振り幅がヤバい。

ゆま:「怠惰(ただただ怠惰)」とかは今までのNANIMONOに寄っている感じはあるんですけど、「キュートアグレッション!」、「24h / TOKYO(読み:コンビニエンストーキョー)」みたいな曲とかは、今までに聴いたことのないNANIMONOを聴けるなって。

-今までは電波系ソングに乗せて歌うワチャワチャした歌い方が多かったですけど、今回は聴かせる歌い方、アーティスティックな歌い方になったなと。

ゆま:うん。チルい感じ。

ミフユ:私はもともとウィスパー・ヴォイスで、地声から息が多いんです。NANIMONOの楽曲をやっていくなかで、それを抑えるというか、"NANIMONOらしい歌い方に変えて"と言われていたんですね。それでちょっとは声を張れるようになったんですけど、今回のレコーディングでは初めて、"ミフユは何も考えずにもとの歌い方でやってみてほしい"と言われたんです。誰よりも息が多く出ちゃうけど、それを逆に活かせる曲たちが多くてすごく嬉しいですね。逆に他のメンバーは意外性があるというか、大人になったなと思いました。NANIMONOとしてやってきたなかでできることが増えたので、その振れ幅を生かせたんじゃないかなと思っています。

-結成当時のNANIMONOにはできない歌唱?

ゆま&ぷりん&ミフユ:できない!

ミフユ:Mカード(初回限定盤付属)の収録曲に初期曲があるんですけど、再録したのは3人(ねる、ろん、あずさ)だけなんですよ。つまり初期メンバーは初期に録った音源がそのまま使われているので......震えています(笑)。

ぷりん:本当にいや(笑)。

ゆま:録らせてほしい......。

ミフユ:今までの積み重ねでできるようになった歌と一緒に、当時を振り返ろうみたいな感じになってしまっていて(笑)。正直ドキドキですけど、それはそれで成長を感じてもらえると思います。今じゃ考えられない歌だよね。

ぷりん:本当にヤバい。みんな棒読みだよね。

ゆま:でも反応は楽しみだよね。褒めてほしい。

ぷりん:"成長して偉いよ"って。

ミフユ:それも味なので、みんなには初回のほうもゲットしてもらいたいなと思います。

-成長したバージョンが聴きたければライヴに来い、と。

ゆま:そう!

-ここからは新曲をピックアップして掘り下げていけたらと思っています。まず、「FUTURE IDOL」は、SF的な世界観とかフューチャー・ベースがマッチしていて、このアルバム象徴する楽曲です。

ろん:「FUTURE IDOL」は、このアルバムの中でもライヴで披露した時期が早かったんです。その分レコーディングも早めの段階でやったので、既存の曲と同時期ぐらいに録りました。最初に聴いたときに"あ、NANIMONOってこういう歌も歌うんだ"みたいな感じがしましたね。運営さんからは"難しいからね"と言われて渡された曲なんですけど、歌っていて楽しいですし、ライヴではみんなが"オイ! オイ!"とノってくれるテンション高めの曲なので、すごく好きです。

あずさ:私は"近い未来にはきっと/ボクらペンギンよりも優れた/ナニカが世界を救う日がくるんだ"というところを担当しているんですけど、私たちはインキャを救いたい、優しい世界を作りたいという目標を掲げて活動しているので、ここに私の希望を込めて、大事に歌っています。

-自分たちをペンギンという鳥なのに飛べないちぐはぐな存在、不完全な存在に喩えているところがいいですよね。

ねる:インキャって、できないことが多いし、みんなが普通に過ごしている日常でも、インキャにとっては苦しかったりすることがすごく多いんです。そういう意味で、インキャって存在自体がすごく不完全なんだけど、いろんな可能性も秘めているなと思っていて。なので、この「FUTURE IDOL」という曲は、今までのコンセプト通り、インキャの人たちにも、そうじゃない人たちにも届く曲だなと思っています。

ミフユ:今っぽい曲ですよね。この曲の"ナニカ"っていろいろあると思うんですけど、例えばAIみたいな人間以外のものが思考して、人間がやらなくていいことが増えているじゃないですか。でも、"ボクにあって、ナニカにはないもの。"、"ナニカには触れられない"と歌っているように、機械じゃできないことを私たちはやっている。それがアイドルだとみんなに伝えられたらいいなと思います。

-AIにアイドルはできないぞと。

ミフユ:できないです!

-そんな「FUTURE IDOL」ではミュージック・ビデオを撮っているそうですね。

ぷりん:まだできあがった映像は観ていないんですけど、とんでもないスタジオを使わせていただいたんです。360°グリーンバックで、360°にカメラがあるんですよ。そこで私たちが動くと、3秒後に私たちの3Dモデルができあがっているんです。すごかったよね?

ゆま:うん。もう1人の自分ができあがるとていうか。

ミフユ:それって AIみたいじゃん! 怖い! 機械に取られるよ?

ゆま:でも、私たちは"チグハグな「愛してる」"を届けられるからいいんだよ。

ミフユ:いつか侵略されませんように。でも、そんな不安になるくらいにはハイテクでした。初めてのサイバーナース衣装でのMVなので、楽しみです。