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INTERVIEW

Japanese

NANIMONO

 

NANIMONO

Member:ひなたゆま 柊真ミフユ 眠岸ぷりん 47774 遊乃ヲユタ 紫苑りんか 輪廻ねる

Interviewer:宮﨑 大樹

インキャの心に寄り添う7人組アイドル NANIMONOが、2ndフル・アルバム『INTERNET MAGICAL GIRL』を完成させた。本作のコンセプトは"魔法少女"。たいていの女の子であれば一度は憧れる存在を、インキャのフィルターを通して表現した作品だ。前回のメジャー1stフル・アルバム『むりなんだがw』(2023年6月)リリース時はメール・インタビューでの取材だったが、今回は初の対面インタビューを実施し、本作に迫った。インキャって面白い。

-インキャアイドルと初対面ということでちょっと身構えていたんですけど、入室してきたときの挨拶が予想以上に元気で驚きました。

ゆま:最初はインキャ丸出しだったんですよ。そうしたら大人に叱られまして(笑)、叩き込まれているので挨拶はできます(笑)。

-成長したんですね(笑)。みなさん本当にインキャなんですか?

ミフユ:めっちゃインキャですね。でも仕事では喋れるほうなので、喋れるインキャとしてエピソード面のインキャを聞いてほしいです。挨拶と一緒で、大人に喋れって怒られたんで、喋れはするんですけど、ちょっとつらいよね?

ぷりん:だいぶつらい。

ゆま:怖いので何を話すかメモしてきています。

-インキャは真面目ですからね。今はアイドル・スイッチみたいなものがオンになっていると。

ミフユ:そうです、衣装を着たら喋れます。

-じゃあインタビューが終わって衣装を脱いだら――

りんか:もう無言(笑)。

-今回の取材にあたってみなさんの活動をさかのぼっていたんですけど、湘南乃風の「睡蓮花」のカバーが面白かったです。アイドルのYouTubeで一番笑ったかもしれません。

774:でも、あれ私たちじゃないんですよ。

ゆま:あれは何者乃風さんだから。

-あぁ、あれは別人なんですね。とはいえ面白いことやっているなぁと。

ヲユタ:"やらされた"んです。でも、性格がバカ真面目すぎて本家のMVを観てちゃんとポージングとか、どのタイミングで手を上げるとか全部覚えてレッスンして撮影したんですよ。見比べてほしいね。

-何者乃風は陽キャですけど、NANIMONOはインキャということで、インキャアイドルならではの悩みとかってありますか?

りんか:初めてのこういう現場とかだと人の目を見ることができないですね。だから今めちゃめちゃ頑張って目を見ています。あとはみんなでごはんを食べに行ったときに店員さんを呼べないとか、そういうのは山程あります。

ゆま:最近はフェスに呼んでもらえたりするんですけど、そういうときに他のアイドルさんだったらお友達がいて、話し掛けにいって、写真を撮るみたいな感じなんです。でも私たちはそれができないから、みんなで1個の机で座っているんです。周りがキャーキャーしているなかでの温度差はフェスの中で感じるけど、この夏は頑張ってまだ喋っていたよね。

ぷりん:一番ヤバいときよりはまだ喋れていたかな。

-殻を破ろうとしている?

ゆま:そうですね。いろんな対バンに呼んでもらったり、逆に主催に呼びたかったりするので。私たちも広がってはいきたいんです。アイドルさんはかわいいし仲良くなりたいとは思っているんですよ。だから頑張ってやっています。

-アイドルをやってみて、インキャの性格はアイドルに向いているか向いていないかだとどっちに感じますか?

りんか:向いていないです! 向いていないのが7人集まっています(笑)。アイドルの友達とも喋れないし、大人とかとも喋りたくない(笑)。オタクとは喋れるようになったんですけど、最初はオタクでさえ喋れない感じで。ステージに立っているときも、ステージに立ったら(オタクの)目ん玉がこっち向いているじゃないですか。それすらもつらい、しんどいみたいな。慣れるまではきつかったです。

774:インキャで社不だから朝に弱いんですよ。日光が嫌、明るい場所が嫌なのでレッスンの時間はだいたい夜です。ライトも暗い。めっちゃ暗いスタジオで、みんなでダンスの練習をしていたりして、基本的に集まるときは夜ですね。

ぷりん:今日も昼間じゃないですか。だからめっちゃしんどくて。電車に乗って来なきゃいけないじゃないですか。人がいっぱいいる電車で昼間に動かなきゃいけないから、アイドルは本当に向いてないなと思います。

-夜行性なら深夜ワンマンとかやったら面白そうですね。

ぷりん:やりたい! 絶対に盛り上がりますね。

774:私たちは0時を回ったら本番みたいな感じなので(笑)。

-自分たちではアイドルに向いていないと分析しているみたいですけど、そういうインキャな部分やヴィジュアル、そして楽曲のクオリティで評価されてここまで大きくなってきたわけじゃないですか。今回完成した2ndアルバムは"魔法少女"がテーマの1つだと思うんですけど、実際に魔法少女に憧れを持っているような人はいますか?

一同:憧れです!

ぷりん:幼少期は"おジャ魔女どれみ"、"セーラームーン(美少女戦士セーラームーン)"、"プリキュア"とか、女の子が魔法を使って敵を倒すみたいなのを観て育ってきたんです。今の私たちは魔法を使って世の中の生きづらさと戦っているんですけど、魔法少女になれるように頑張っているみたいな感じです。

ゆま:何かを変えられる力を持っているから、魔法少女になりたいけどね。でもツアーのタイトルは"魔法少女になれなかった(NANIMONO 2nd ALBUM RELEASE TOUR 『魔法少女になれなかった』)"なんですよ......。

ねる:私たち、なれないんかぁ......。

-もし魔法少女になれたらどんな魔法が使いたいですか?

りんか:ずっと日光が出ない魔法(笑)。あとは、喋らなくてもテレパシーで会話できるとか。インキャならではの魔法。

ヲユタ:瞬間移動したい。電車に乗りたくない。移動時間をできるだけ睡眠とかに割きたい。

ミフユ:自分たちみたいな人が何もつらい思いをしなくていい世界を作りたくない?

ゆま:インキャだけの世界を作ろう。

-それは平和な優しい世界になりそうですね。

ねる:人の痛みがわかるので優しくできます。

-表題曲「INTERNET MAGICAL GIRL」は、まさに"魔法少女になれなかった"と歌っているんですけど、その後に"魔法少女になれなくたって"、"強く願えばきっと叶うよ"とポジティヴに歌っていますね。

ミフユ:私はこの楽曲の歌い出しをやらせていただいて。この曲って、このアルバムの顔じゃないですか。プレッシャーがすごくて。この曲の出だしってすごく大事だから、最初はどうしようみたいな気持ちが大きかったんですけど、歌詞を読んでもらうと分かるように、ネガティヴな気持ちの歌詞もあるけど、私たちらしいというか。魔法少女に憧れる女の子の気持ちがすごく詰まった曲で、ライヴでやる回数が増えるにつれてどんどん好きになって、今はこの曲だったからポジティヴになれるというか、メンバーもみんな好きな曲なんじゃないかなと思います。