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INTERVIEW

Japanese

Develop One's Faculties

2022年11月号掲載

Develop One's Faculties

Member:yuya(Asserter) rui(Gt) Hiromu(Ba) Johannes(Dr)

Interviewer:米沢 彰

メジャー・デビュー10周年を記念し、自身初の日本武道館での有観客ライヴ"wacci Live at 日本武道館 2021 ~YOUdience~"を昨年成功させたwacciをゲストに迎えて行われた"GAMUSYALIVE vol.4 -Link the YOUNG-"にて、"投げYell"投票1位に輝いたDevelop One's Facultiesに、イベントのことはもちろん、バンドのこと、夢についてなど様々に訊いた。

-今回、"GAMUSYALIVE vol.4 -Link the YOUNG-"に参加してみての率直な感想をうかがえますか?

yuya:普段あんまり共演することのない人たちと音を一緒に合わせるっていうのは違った刺激もたくさん貰えつつ、準備からライヴの終わりまでのルーティンとかも全然違うんだなって部分とかで新鮮味がすごく強くて、やってみて楽しかったですね。何よりもああやってたくさん票をいただけて、みなさんからたくさんの"エール"を貰えたっていうことが嬉しかったです。

Hiromu:新鮮な感覚はyuyaさんと一緒なんですけど、どうしてもヴィジュアル系って、ジャンルで言うと結構閉鎖的というか、あまりほかのジャンルと共演したり一緒にイベントしたりっていうイメージが僕自身なかったので、こんな機会をいただけたことがまず個人的に嬉しかったことですね。やってみて、音楽をやってるバンドマンって括りは一緒だったので、楽器のことだったり機材のことだったりやってる音楽の話は通じますし、共通点もいろいろ見つけられたので、やってるジャンルは違うとは言っても、今後まったく関わらないっていうのはまた別の話かなと。ヴィジュアル系だからヴィジュアル系だけでやっていくという感覚とはまたちょっと違うのかなって、肌で感じたイベントでした。

rui:僕らはジャンルが違うとか、畑の違うところとっていうのがあまりないんですよ。だからいい意味でも悪い意味でも逆にまぁいつも通りかなっていう感じではありました。

-yuyaさんが会場でも"生まれて初めて賞状を貰った"と話されていましたが、嬉しいんだなっていうのがすごく伝わってきました。

yuya:本当に生まれてから今まで、卒業証書とかは置いといて賞状を貰ったことがなかったんです。音楽を始めて、それこそがむしゃらに続けてきて、あの場で"賞状です"って言われて、"賞状ってなんだっけ"って一瞬思って、"あぁ、あれか!"って。俺の人生で、音楽をやっていくうえで、"賞状を貰うことなんて絶対ないだろうな"っていうのと同時に、"音楽で賞状って貰えるんだ"と思ったんです。本当にそれが一瞬でグルグルグル脳内を巡って、"うわ、嬉しい!"って(笑)。本当にありがたいです。

-今回はどういう経緯で参加することになったのかうかがってもいいですか?

yuya:知り合いの方に"こういうライヴがあるよ。DOF(Develop One's Faculties)いいんじゃない?"って教えてもらって。僕たち、もともとは(この企画を)知らなかったんですけど、調べてみたら面白そうだなってことで、じゃあエントリーしようって話になって、エントリーさせてもらったら無事に選んでいただいて、ライヴに参加させてもらったっていう感じですね。

-どういうところに魅力を感じて参加を決めたかうかがえますか?

yuya:やっぱり、普段とは毛色が違う人たちと音を一緒に合わせられるっていうのは刺激でしかないので。いろいろなところを覗きに行くじゃないけど、そういうのはすごくあってワクワクしていましたね。

-毛色が異なるということで、バンドの中では議論はありませんでしたか?

Hiromu:意外にみんな、いいじゃんって感じで、じゃあ応募しようかっていう感じで決まりましたね。

-オンラインでの投票もすごかったですが、当日のフロアの反応もすごく良かったですよね。ステージ上でもそれは感じましたか?

yuya:duo MUSIC EXCHANGEでライヴをやらせてもらうことが初めてだったんですよ。なので初の景色だったんですけど、お客さんのリアクションがすごく見やすいなっていう印象があって。楽しんでもらえてるなって表情だったり、"初めて観るけどどんな感じで観たらいいんだろう"って険しい感じの表情してる人もいたり、いろんな角度でいろんな表情の人が見えるなっていう感じはすごくありました。

Hiromu:どっちかって言うとアッパーな曲もやっていたので、"どうノッたらいいんだろう"って戸惑いながら観てるなっていう人もいれば、徐々に後半の曲になるにつれてマスク越しでも顔のほころびがわかるというか、笑顔になっていってるんだなってわかって。普段やらないバンドさんたちと一緒にイベントをしている意味がちゃんとあるんだなっていうのを実感しながらライヴができたと思います。

rui:基本的に僕らはそんなにノリを強要しないんですけど、お客さんが各々に感じて段々いい空気感になっていってるなって感じた一方、最後のほうまでどうなるだろうと様子を見ている方もいて、良くも悪くもちゃんと観てもらってるっていう実感はあって。

-一緒に共演した中で気になったアーティストはいましたか?

yuya:メンバーみんなミイ、カッコいいねって話してましたね。

rui:単純に弦楽器隊の音が好みだったのと、ライヴの空気感が段々あったまっていくような感じがすごく良かったなと。僕らのジャンルでああいうライヴをするバンドがすごく少ないっていうのもあるんですけど、結構内籠りだけど熱量を外にちゃんと出していくタイプの人たちで、すごく印象が良かったですね。

Hiromu:wacciですね。まずえげつないぐらいめちゃめちゃ音が良くて、その時点でもう"本当にプロだな"っていうくらいかけ離れて音が違ったんですよ。圧倒的に音が良くて、スキルも高いし、みんながよく使う言葉かもしれないけど、"音源を聴いてるみたい"っていうのはまさしくこういうことだなって、お手本のようなライヴでした。それにびっくりして、もっと自分らも頑張らないとなっていう気持ちにさせられましたね。

Johannes:(※翻訳済み)みんなカッコ良かったですけど、ミイとフィルフリークが個人的にカッコ良かった印象です。リハーサルを観ていてかなり気になっていました。

-音楽性としては若干浮いてるというか、出ていた中では異色だったと思っていて。プログレやマス・ロック、フュージョンの要素がありながら、ギター・ロック的なわかりやすい展開も入っていて、すごく斬新に感じていました。どういうバックグラウンドで今の音楽性に辿り着いたのでしょうか?

yuya:1曲目にリリースさせてもらったのが、「フラスコを振ると天秤揺れた」(2014年の1stシングル表題曲/現在は完売)っていう曲なんですけど、そこから今出している最新作にいたるまで、特に何も変わってないといえば変わってなくて、ひとつだけ言えることがあるとすれば、本当にただ自分がそのときやりたいなって思ったもの、例えば降ってきた音だったり感じてきた音だったり、そういったものを具現化したいってなったときに曲を作って、メンバーにそれを再現してもらうような感覚というか。だからバックグラウンドっていうのが特にないんですよね。好きな音楽とかはもちろんあるんですけど、作る音に関して何かからインスパイアされるっていう気持ちとかは全然ないですね。

-曲を作るときに、中から出てくるものがもう今の状態になってるっていう感じでしょうか?

yuya:そうですね、基本的に頭の中でバーンって音符が降ってきて鳴ったものを、形に起こしてメンバーに投げてるって感じです。だから自分の中では、DTMでスピーカーから音を鳴らして聴く前にもうその音が鳴っていて、頭の中では完成形を聴いてるんですよ。それをただ具現化するだけの作業って感じです。

-作詞も作曲もyuyaさんになっていますが、ほかのパートも含めてyuyaさんがかなりリードしてるような感じですか?

yuya:そうですね。デモの段階でほぼ完成まで持っていってます。でも、そこからメンバーがフレーズを変えたりすることに対して、嫌っていう気持ちは特になくて。デモの段階で手を抜きたくないのは、その曲自体がすごくいい曲だったときに、デモの手を抜いていたからっていう理由でボツになったらすごく悲しいと思いません? デモのクオリティがちょっと良かっただけでその曲の印象が変わるわけじゃないですか。それほど悲しいことはないと思うんですよ。

-バンド内のプレゼンで通るかどうかみたいなイメージですね。

yuya:そうです。どの楽曲も生み出した本人は絶対いい曲だと考えてて、でもそのデモに愛がないから伝わらないっていうだけだと思うんですよね。メンバーに聴かせるからこそデモは一番手を抜きたくないんです。だからミックスもマスタリングも自分なりにやってから、いつもメンバーに投げてます。

-海外だとPOLYPHIAやCHON、COVET、UNPROCESSEDなどプログレやマス・ロックの若手アーティストでムーヴメントになってきているバンドも出てきていて、近年では面白いジャンルになってきていると個人的に思っています。そういう海外アーティストも含めてあまり観てたりはしないんですね。

yuya:そんな観てないけど、もし海外のアーティストとやれるんだったらやりたいですね。