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INTERVIEW

Japanese

植田真梨恵

2019年02月号掲載

植田真梨恵

インタビュアー:渋江 典子

"5周年だからこそたくさんの曲を届けたい"と、植田真梨恵が4ヶ月間で5作品という怒濤のリリースでメジャー・デビュー5周年のアニバーサリー・イヤーの幕を開けた。彼女が2作連続でリリースするミニ・アルバムの第1弾『F.A.R.』のコンセプトは、"大人の成長"。丁寧に紡がれた思い出やひとつひとつの音が心地よく、"聴き込みたくなる"だけでなく、"ただ流しておきたくなる"という新たな魅力も兼ね備えた作品が完成した。今回のインタビューでは、彼女の新境地とも言える新作『F.A.R.』に込められた想いに迫る。


毎秒毎秒流れている音自体がその空間にあって心地よいものを作りたい


-まずはメジャー・デビュー5周年イヤー、おめでとうございます。4ヶ月間で5作品のリリースとは、怒濤の幕開けですね。

ありがとうございます。"とにかくいっぱい作品をリリースしたい"という気持ちが強くてこうなりました。ミニ・アルバムは同じボリューム感の2枚です。1作目の『F.A.R.』は、よりプライベートな空間で"洋"っぽいテイストで、2作目の『W.A.H.』は、"和"がコンセプトになっていて「勿忘にくちづけ」も収録するつもりなんです。

-タイトルの"W.A.H."は"和"からきているんですね。

そうです。関西弁のアクセントがちょっと低くなる、"ワー"です(笑)。

-『F.A.R.』のコンセプトは"大人の成長"とのことですが、このコンセプトを掲げるきっかけはあったのでしょうか?

いろんな成長期があるなかで、ハタチを超えてからの方が、より"大人にならなければ"と思うタイミングや決断をしないといけないことが増えてきて。昔と変わっていくこと、自分自身の変化、周りの状況の変化に対して意識的に慣れていくからなのか、"大人になったな"と感じることが多かったんです。そういうタイミングにおかれているみなさんや自分のことを応援したくて、"大人の成長"というコンセプトでこの作品を作りました。

-アニバーサリー・イヤーは今までを振り返る機会が増えるタイミングだからかなとも思ったのですが。

というよりは、ただ"メジャー・デビュー5周年だからこそたくさんの曲を届けたい"という気持ちが強かったんですよね。メジャー・デビュー5周年だからといってそこに甘んじることなく、むしろアートに寄ったわくわくするような作品を、子供の気持ちで作っていきたいなと。そうなったときに、自然な流れで"コンセプト・ミニ・アルバムを作ろう!"と思いました。

-植田さんの作品は歌詞をはじめ、その楽曲の世界にどっぷりと浸かって楽しむものが多かった印象ですが、今作はその楽しみ方だけではなくて聴き流しながらリラックスできるような、新しい魅力を感じられた1枚でした。

そこは今回意識したところです。毎秒毎秒流れている音自体が、その空間にあって心地よいものを作りたいというのが今回の重要なテーマでもあり、難しかったところでした。

-先ほどおっしゃっていた洋楽テイストが重要なポイントになっているのでしょうか?

コンセプト・ミニ・アルバムとして2枚目に出すものが"和"であれば、1枚目は和風から少し離れて、色味として"洋"テイストにしたいなと思っていたんです。だから、洋楽をめちゃくちゃ意識した、というよりは心地よさを求めていったときに洋楽のテイストから学ぶ部分が多かったという感じですね。

-では楽曲についておうかがいしていきます。すでに配信リリースされているリード曲「FAR」は、久留米のご実家を引き払った経験から生まれたとのことですが、そのエピソードを詳しく聞かせていただけますか?

私は15歳で実家を出たので、福岡でお仕事があるときに久留米の実家に帰るという感じだったんですが、いつしか家族がそれぞれやりたいことを見つけていくなかで、実家の存在が必要なくなってしまったので、引き払うことになったんです。生まれ育った家の何年も開けていなかったような場所を整理して、ずっと使ってきた冷蔵庫とかそういう大きいものも含めて、不要になったものがトラックに積まれて運ばれていくのを空っぽになった部屋からじっと見ていたら、"あぁ、本当になくなっていくなぁ"、"そりゃそうだなぁ"っていろんな気持ちが入り混じって。実家がなくなるとその町を訪れるきっかけがなくなっちゃうから、本当に思い出に浸りに行くだけになっちゃうんですよね。この経験、ある方も多いと思うんですけど、私にとっては不思議な体験でもあって。そんな自分の気持ちの整理をするために、誰に聴かせるためでもなく書いた1曲が「FAR」です。