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INTERVIEW

Japanese

阿部真央

2018年11月号掲載

阿部真央

Interviewer:石角 友香

-その方が強いと思う。Track.2は"まだ僕は生きてる"ってどうとでも取れるタイトルで。でも聴くとこれは"僕ら"でもあるんですね。

そうですね。まぁ、でも自分が最初ですね。去年あんまり表立って活動できない時期があって、そのときに"あぁ、私も落ちたな"っていうか、"這い上がらないといけないな"っていう、それこそ心身ともに落ち込んでた時期があって。そのときにファンクラブ・イベントはやらせてもらえたりとか、イベントには出させてもらえたりとか、ちょこちょこライヴはできてて。そういうとこに来てくれるお客さんってやっぱりコアなファンの人ばっかりで、まだこれだけの人が私のことを応援してくれてるなって、そのファンの人のことを意識したときに、こういう悪い時期こそ、何が自分にとって大事なのかっていうのを見ないとダメだと思って書いた曲なんですよね。だから"生きてる"って言葉を使うと結構ヘヴィだし、命に関わる"生命"とか"人生"とか、そういう言葉を使うと重いかなと思ったんですけど。無理矢理前向きになってほしいと思わない。でも落ち込んでるんだったら、そんな自分を心配してくれたり、今までと変わらず自分に声を掛けてくれたりする人をぜひ見てほしい。私はその存在に助けられたので、また気持ちを取り戻せたし、気持ちを取り戻せればほんとに前向きに、状況が良くなってくるんだなって感じたので。他の曲にも繋がるんですけど、それで書いた曲ですね。

-自分が落ちてるとき、それでも関わってくれる、話を聞いてくれる人は、そういうときにはっきりしますよね。

はっきりしますね。損得勘定なしに自分に接してくれてる人にはやっぱり気持ちがあるから、そういうところに癒されたり助けられたりするんだなぁと思うんですよ。

-生身の友達でも音楽でも、そういう存在があって良かったなと思えますね、そういうとき。阿部さんが救われる音楽ってありますか?

救われる音楽ですか? なんだろう......私、音楽をそういうふうに聴いてきてないんですよね。寄り添ってくれるっていうのとはちょっと違うんですけど、やっぱり10代のときに大好きだったAvril(Avril Lavigne)が新譜を出したのはアガりました。彼女も大変だっただけに。寄り添ってくれてるなと思って聴いてた時代が10代で止まってて、今回の復帰を機に過去作品も聴き返しましたけど、うん。やっぱりAvrilかな。嬉しかったですね、新譜出してくれて。

-いいタイミングでリンクしましたね。

あと動物が好きで、犬を飼ってるんですけど――動物とか赤ちゃんとか子供みたいな、社会とか立ち位置、損得勘定なしで生きてるものにすごく救われるというか。犬は私がどんなに落ちようが憂えようが、私のことを好きでいてくれる。で、女の子なんですけど、彼女に触ったり抱きしめたりするだけで、一生懸命熱を放ちながら生きてるっていうパワーを貰えるというか、見習うべきところがたくさんあるんですよね。赤ちゃんもそう。だからめちゃくちゃ赤ちゃんと動物の動画観てましたね(笑)。

-実物がいるのに(笑)。

犬を愛でながら、息子を寝かしながら、インスタで動画を観て、"かわいい~"みたいな(笑)。

-(笑)今回は基本、阿部真央と言われると浮かぶイメージである、ギターをかき鳴らして歌う曲ばかりで。しかもリズムを口ずさんだり、レコーディング風景が伝わる感じを残してるのはなぜなのかなと。

作り込むことに飽きちゃったっていうのはありますね。かっこ良すぎることに飽きちゃった。今はかっこいいものが多いからじゃないですかね? そんなとこまでエディットかけちゃうか? っていう音もいっぱいあるし。あとはそういうのが好きなんですよね。外国の人とかが頭にブツブツ言ってドン! て始まるとか。最後の曲(「いつもありがとう~あべまにあの唄~」)のアナウンス、曲の始まりの説明とか。

-"ピンポンパンポ~ン"のピッチが完璧です(笑)。

楽器がなかったから自分でやったんですけど、ああいうのは自分の強みというか、そういうテイストの曲も何曲か書いてきてるし、わりと素の自分がやることに近いので。さっきちょっと言ってたように、そういうところもどんどん見せていければと思って。プラス、あの曲の説明もちゃんとしなくちゃっていうのもあったので、私としては一石二鳥的な感じで、このアナウンスを入れることで、阿部真央っていうものをより深く知ってもらえたらいいなと。

-文字どおり、あべまにあ(※オフィシャル・ファンクラブ会員)のみんなからのワードが詰まってますね。そして本格的なホール・ライヴ(2018年11月~2019年1月にかけて開催する"阿部真央 らいぶNo.8 ~ Road to 10th Anniversary ~")が始まります。さらにデビュー日の翌日に武道館(2019年1月22日に開催する"阿部真央 らいぶNo.8 ~ 10th Anniversary Special ~")が空いていたなんて。

そうなんです。ラッキー。取れるとは思わなかったです。一応......っていうか、頑張って取ってもらったんですよ(笑)。すごい激戦だったみたい。その週は熱くて、月曜がデビュー日、火曜が武道館、木曜は私の誕生日なんですね。

-鼻血出そう(笑)。近年はBiSHのアイナちゃん(アイナ・ジ・エンド)とか、阿部さんを尊敬してる下の世代がどんどん出てきてて、10周年には共演や新たな曲提供にも期待しています。

いや、嬉しいですよね。曲提供とか対バンとか、いっぱいやりたいです。子供たちが歌う曲とかも書いてみたいですね。