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INTERVIEW

Japanese

SILENT SIREN

2018年07月号掲載

SILENT SIREN

Member:すぅ(Vo/Gt) ゆかるん(Key) あいにゃん(Ba) ひなんちゅ(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-ゆかるんさんはどうですか。

ゆかるん:全体的にすごくシンプルなんです。ギターとドラムとベースだけが入っている状態でもう、めっちゃ良かったので。いつもはたくさんの音色を使って、キラキラ、ピコピコっていうのが多いんですけど、今回はたくさんの音色を使うことなく、シンプルにという感じでした。コーラスも多いので、コーラスとの兼ね合いを見つつフレーズを考えていった感じで。あとは、フレーズ的に弾いていて気持ちのいい感じなんですよね。爽やかに、伸びやかに。私の中で、青い空と白い雲っていう夏の風景が思い浮かぶものっていうか(笑)。フレーズは簡単なんですけど、それがいいなと思って。

-ちなみに、歌詞はどの段階でつけたんですか。

すぅ:歌詞も、曲を作ろうぜ! って制作に入ったその日なんです。ベースとなるイメージはあって、クボ君に"適当に歌ってみて"って言われたときに、いくつかのワードは出していて。フル尺にするときに、若干2番の歌詞を変えたりはしていたんですけど、わりとすんなりとワンコーラスができあがった状態でしたね。

-ベースとなるイメージというのはどういうものだったんですか?

すぅ:青臭い感じですよね。都会の夏っていうよりは、田舎の夏っていうのがイメージとしてはあって。大人でも子供でもない19歳の、一瞬で過ぎてしまう夏っていうか。その一瞬を切り取った、儚さや疾走感を曲にしたかったんです。それがどう歌詞で表せるかな? と思っていましたね。歌詞だけだと伝わらないものも、みんなのサウンドが合わさってやっと表現できたなっていう感じだったので、良かったと思います。今回は、一応男の子目線なんです。歌詞の中では明確な性別は出てこないんですけど、男の子が、ちょっと遠くの存在に感じてしまっている女の子に恋をしていて、想いを伝えたいんだけど言えない、でも、この夏が終わる前に伝えなきゃなって、駆け出しているイメージなんです。その"今やらなきゃ"っていうハラハラ感だったりとか、今変わらなきゃ日が暮れちゃうっていう、夏終わっちまうぜっていう気持ちやドキドキ感を、一生続けたいなと思ったんです。"nineteen"という歌詞のワードは、19歳という年齢を指してはいるんですけど、19歳の歌というよりは、そのときに感じた気持ちを一生続けたいなと思って。それで、このタイトルにしました。

-この歌詞の内容を踏まえたうえで、音もつけていったんですね。

あいにゃん:そうですね、結構みんなで話し合いながら。歌詞も、最初からこれでいきますっていう感じではなくて、ベース・ラインやドラムと並行して、どんどん変わっていったんです。だから、みんなで完成形に近づけていった感じだったんですよね。

すぅ:ここはこうした方が新しいんじゃないかとか、こうした方がエモさが出るんじゃないかとか。でもエモすぎてもダメだから、ここはポップにしようとか。そういう足し引きを、みんなでしましたね。歌詞が爽やかで、掛け声もあるので、基本的にはサウンドは"バンド・サウンド"っていうのを忘れずに、骨太な感じでやってます。

-みんなでアイディアを出し合って作り上げていくっていうのは、やはり制作の楽しさも違いますか?

すぅ:でも、普段はアイディアが出すぎてまとまらないっていうことが多いんですよ(笑)。今回はツアーをやりながらだったので、みんながツアー中のいいモチベーションがあって、いろんなアイディアが出たり、まとまりやすくて。すごく、スムーズだったのかな?

あいにゃん:今までよりは、スムーズだったんじゃない? 前回のアルバム『GIRLS POWER』(2017年リリースのフル・アルバム)が熱が入りすぎていたからなのか(笑)、すごくスムーズにいった気持ちがある。

ひなんちゅ:なんか、いろんなレールを走らせていた感じだよね。私はこっちがいいと思うけど、こっちでもいいよ、じゃあそれは歌詞次第でまた考えようか、とか。

-柔軟に動けたんですね。

ひなんちゅ:かなり。それで"これはいいね、じゃあこっちもやってみる?"って実際に試してみることができて。アルバムのときは、スケジュール的にも詰め詰めな状況でやっていたので、頭でっかちになってしまうというか。

すぅ:そうだね。

ひなんちゅ:1回止まってしまうと、じゃあ何がいいの、どうしたらいいのっていう。それでいろんなパターンを出してはみるけど、全部微妙みたいな。今回は、全部いい案が出ていたので、そこから選ぶのが楽しかったですね。

-それは今行っているツアーでのいいノリ、いい状況の賜物ですかね。

あいにゃん:そうですね、ツアーと並行していた方がいいものができる気がします。

-サイサイはこれまで夏曲がたくさんありますよね、この曲はどんな存在になればと思ってますか。

すぅ:夏っていうだけで盛り上がるので(笑)。その中でも、曲として聴き続けられるものがあるといいなと思って。夏といえば? みたいな曲に育てられればいいなと思いますね。