Japanese
FIVE NEW OLD
2017年01月号掲載
Member:Hiroshi(Vo/Gt) Wataru(Gt) Yoshiaki(Ba) Hayato(Dr)
Interviewer:山口 智男
-「Hush Hush Hush」は、シューゲイザーなんて言葉もさっき出てきましたけど。
Hiroshi:メロディやリード・ギター以外の、後ろで鳴っているサウンドスケープというか、音像に耳を傾けながら聴いてもらえると、たぶん単純なロック・ナンバーで終わらずに、その中にある悲壮感を感じてもらえると思います。この曲は僕がずっとテーマにしたかった現代社会の承認欲求に対する過度な依存を歌っているんです。物理的な距離は関係なく、誰もがゼロ距離で繋がれる時代だけど、結局、そういういつでもどこでも繋がれる関係って、"またいつか"、"また今度"に陥って、むしろ希薄なものになりやすいと思うんですよ。そういう自分が書きたかった内容と音像がうまくマッチした曲になっていると思います。
-「P.O.M.」はHayatoさんのドラムがひとつ聴きどころとしてある、と。
Hayato:はい、何か感じてもらえたら(笑)。
Yoshiaki:この曲はHayatoが、メロディに関していろいろアイディアを出したんですけど、僕らの中では一番J-POPに近い感覚で作った曲になっているから、それを頭の片隅に入れたうえで聴いてもらったら面白いかもしれないです。もともと、Hayatoが歌謡曲が好きで、そういうテイストがいろいろ入っているんですよ。
Hayato:これまでそういうテイストを入れる機会はなかったんですけど、この曲ならできるんじゃないかってゴリ押ししました(笑)。
Hiroshi:(Hayatoは)歌謡曲や90年代のJ-POPに詳しいんですよ。逆に僕はそういう音楽を聴いてこなくて、いろいろ聴かせてもらっているうちに、意識したわけではないんですけど、そういうテイストを吸収しながらできたメロディだったんです。変な話、日本人がやっている洋楽志向のFIVE NEW OLDってバンドがJ-POPを、自分たちのフィルターを通したうえで解釈した曲というか。だからオケも――
Hayato:ちょっと哀愁が漂うというか。
Hiroshi:山下達郎さんっぽい。で、メロは久保田利伸さんっぽい(笑)。僕はそんなふうに感じました。それをどう自分たちらしいバンド・サウンドにするかって考えたとき、ハウスっぽい16分のハネるビートにしたら気持ちいいんじゃないかってなりました。
-「Burned in The Fire」(Track.4)はクールなんだけど、ちょっとワイルドな感じもあるところが面白いです。
Hiroshi:4曲の中では一番古い曲で、『HOLE』(2014年リリースの500枚限定シングル)ができる前からあるのかな。そのとき一番やりたいと思っていたサウンドなんですけど、他の曲と合わずにずっと流れていて。でも、4人とも好きだったんで、このタイミングで掘り起こそうってことになりました。ただ、3年前に自分の中では書き上げてしまった感があったので、3年前のクオリティではなく、今のクオリティで書き上げるにはどうしたらいいかってところで、すごく苦労しました。Wataruがサウンド・デザインをやってくれたおかげで――
Hayato:ワイルドになった(笑)。
Yoshiaki:(今作には)入れるつもりはなかったんですけど、収録曲を決めるときに、"今のタイミングなら入れても全然いいんじゃない?"って提案したら、みんなも賛成してくれて。ただ、HiroshiとWataruは今のクオリティにするために相当苦労してましたけどね。曲の原形はできあがっていたのに一番難しかったっていう(笑)。
Yoshiaki:Hiroshiが家で作ったデモの段階ではヴォーカルにオートチューンがかかってたもんな。
Hiroshi:YMOとかサカナクションっぽいなと思いながら作っていたんで、ギターのフレーズもオリエンタルなところがあるんですよ。そういうところで3年前に思い描いていたイメージの名残を感じてもらえるんじゃないかな。
今作をきっかけに、僕たちをまだ知らない人たちに気づいてもらえるような1年にしたい
-ところで、「Stay (Want You Mine)」のMVはワンカットで録ったんですよね。撮影は大変だったのでは?
Yoshiaki:カメラマンさんは大変だったと思います。
Hiroshi:僕たちは新しい経験ができて楽しかったし、次はこんなことやってみたいとか、ダンスしてみたいとか、今後、MVでやりたいことが増えて、いい経験になりました。
Yoshiaki:うん、広がるという意味ではね。
-さて、2017年はどんな活動をしていこうと考えているんでしょうか?
Hiroshi:年の初めに『WIDE AWAKE EP』という目覚めとか気づきっていう意味を込めたEPをリリースするので、僕らにとっても覚醒する1年にしたいです。さらにもう一段階、二段階成長して目覚めていく1年にしたいと思っているし、僕たちをまだ知らない人たちに気づいてもらえるような1年にしたいです。
Yoshiaki:挑戦やな。ツアーも初めての渋谷CLUB QUATTROがファイナルなので、いろいろなことに挑戦する1年にしたいですね。
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