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INTERVIEW

Japanese

チリヌルヲワカ

2016年05月号掲載

チリヌルヲワカ

チリヌルヲワカ

Official Site

メンバー:ユウ(Gt/Vo) 阿部 耕作(Dr) イワイエイキチ(Ba)

インタビュアー:岡本 貴之

通算7枚目のアルバム『ShowTime』を5月13日(金)にリリースするチリヌルヲワカ。ギタリスト、坂本夏樹の脱退を経て3人編成となって制作された初のアルバムは、"いったいどうなるのか?"という心配を軽く吹き飛ばす圧倒的な音圧と演奏のクオリティ、ユウによる独特の憂いを感じさせるメロディと言葉巧みな歌詞がこれまで以上に剥き出しになった、文句なしにカッコいい作品となっている。バンドにとって大きな転機となる今作について、メンバー全員に話を訊いた。

-3人編成になって初めてのアルバムとなりますが、ユウさんはギターの弾き方やスタイルを見直すようなこともありましたか? また、阿部さん、イワイさんはアルバム制作にあたってどのような話をして臨んだのでしょうか。

ユウ:過去の曲は3人でやることを想定して作っていなかったので、最初は大丈夫かな?って思ったんですけど。3ピースの経験もあるし、慣れてるといえば慣れているので大丈夫でした。

イワイ:ギターひとり減ったぶん、ベースのフレーズを増やさなきゃ寂しくなるかなって考えてたんですけど、まあ音がひとつ減ったので、他の音が聴こえやすくなったという意味では、これまでとそんなに変えなくても大丈夫かなという感じでしたね。

阿部:これまでも、前面に出ているのはわりとナッキー(坂本)が弾いていた印象的なギターのフレーズだったんだけど、昔からずっと曲のベースになっている部分っていうのはユウちゃんのギターなんですよね。最初からユウちゃんのギターが核になっていて、そのギターと歌に対して僕らがどういうふうに色づけするか、という作り方をしているので、多少の装飾部分はなくなったんだけど、ベーシックな部分は変わらない。だからそんなに違和感はなかったですね。

-Track.1「ショウタイム」は"グォー"と叫ぶようなベースから始まって、これまで以上に図太くて荒々しい音が飛び出してきて驚きました。それは前作『アヲアヲ』(2015年リリースの6thアルバム)のリード曲の爽やかな音の印象があるせいかもしれないですが。

ユウ:今思うと、ナッキーのギターが曲に繊細さを加えていたというか。それが、私だけのギターになると荒々しくなるのかなって。どっちかというと、いい意味で大雑把なギターが好きだから。

阿部:もしかしたら、前作で言えば僕らリズム隊としてはふたつのギターとユウちゃんの歌を引き立てるために"土台作りに徹しよう"という意識も働いていたと思う。だけど、トリオとなるとやっぱり個々のカラーも前に出ないと大人しい感じになっちゃうから、そういう意識の違いもあるのかなって思います。

イワイ:1曲目はめちゃめちゃ歪んで何だかわからないっていうか、"これくらいがちょうどいい"とかじゃなくて、もう思いっきりやっちゃおうって。それで、やらないときはやらないって決めたんです。なのでああいうふうに(笑)。

阿部:そのへんはもう、曲に合っていれば遠慮なくやっちゃおうと。もうちょっとバランスを取ることもできるんだけど、「ショウタイム」はやっちゃっていいよねって。最初から荒々しくやってやろうというよりは、作っていたら、たまたまそうなったという感じです。

-ドラムも歪ませる、というのはエンジニアリングの段階でそうなると思うんですが、エンジニアさんはこれまでと一緒ですか?

阿部:『it』(2014年リリースの5thアルバム)から同じ、山口州治さんです。すごくキャリアのあるエンジニアさんなので、どういう方向でもできるし音作りもすごく早いし、経験値が高いので。前作は遠慮気味にしてくれていたというか、こっちが要求しないことはあんまりやってなかったんですけど、今回は僕らも"どんどんやっちゃってください"と言っていたので、州治さんのアイディアで"こういう音作りにしちゃったけどいい?"みたいなこともあって。僕らも楽しかったですし、すごく驚きがありました。州治さん自身が、技術者というよりはアーティストなんですよね。すごくロックが好きな人だから。

-毎回レコーディングは年明けに短期間でやっているイメージがありますが、短期間で作ったぶん、後々ライヴをやりながらアレンジを変えるようなこともあるんですか?

イワイ:変えるというか、自然にライヴを重ねるごとに弾いてたフレーズとは変わってきたりしますね。あるいは弾かなくなるフレーズが出てきたりすることもあります。

-以前、『it』のツアー初日とファイナル公演を観たら新曲の印象が全然違っていたので、曲って成長するんだなって感じたのですが、ツアー中にそう実感することは多いですか?

阿部:そうですね。特にレコーディングってだいたい書き下ろしの曲をじゃないですか? まだまだ成長の余地がある段階でレコーディングしてるから、自然に変化していきますよね。バンドならではのっていう感じですね。

ユウ:ライヴDVD『ヲワカLIVE』(2016年3月リリース)に、ツアーの初日もちょっと映っているし、ちょうど真ん中くらいのライヴも映っているし、ファイナルも入っているんですけど、その違いがすごくて(笑)。曲がこんなに変わるんだっていうくらい変わっている様子は、このDVDを観たらわかると思います。自分で観ても思うし、やってる最中でも感じてたし。そのころよく言っていたんですけど、"一皮剥けた"って(笑)。ライヴを重ねるごとに剥けていくのを、ひとつのツアーを通して感じてました。

-その一皮剥けた感じは、今作のどんなところに反映されていますか?

ユウ:自分で言うのは恥ずかしいんですけど、ヴォーカルにリズム感を出せるようになった気がしていて。結構自分が納得いくような歌い方ができるようになってきたなと感じたので、今回はそういう部分を活かしたいなと思いました。