Japanese
チリヌルヲワカ
Skream! マガジン 2014年07月号掲載
2014.06.14 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 岡本 貴之
アルバム『it』の発売後、5月2日の名古屋CLUB QUATTROから始まったレコ発ツアー。満を持しての東京公演ということもあり、開演直前の場内は後方までギッシリ。観客は20代から30代、男女まんべんなくいる印象。開演前にはOASISの「Champagne Supernova」などが流れていた。
暗転後、トライバルなリズムのSEが流れ、メンバーが登場。1曲目は1stアルバム『イロハ』から「カスガイ」。ユウ(Vo/Gt)がギターをかき鳴らし歌い出すとフロアから一斉に右手が上がる。サングラスをかけGIBSON ES-335を構えるナッキーこと坂本夏樹(Gt)が狂ったようにギター・ソロを弾いて前に出る。イワイエイキチ(Ba)は野太い低音をブンブン鳴らし、阿部耕作(Dr)はユウのギター、ヴォーカルと交信するかのように冷静にビートを刻んでいる。「ホワイトホール」ではイワイが坂本の方に歩み寄りベースをうねらせると、ポジションをチェンジした坂本がモニターに登り咆哮するかのようにギター・ソロ。続く「々々々~トリプレット~」ではユウがモニターに上がり観客を煽る。
"12ヶ所まわってきて、もう、今日までしか声が持ちません(笑)。頑張りますので楽しんでいってください!"というユウの初っ端のMCに声援が起こる。かなり喉に危機感があったようだ。新作からドロッとしたメロディの「アマツカゼ」、対照的な2ビート・ナンバー「空蝉」と続き、「タルト」では変幻自在の演奏が色とりどりの照明と相まって、まるで演劇を観ているような気分になった。さらに「苔の生したこんな代は」では全員がソロをまわして盛り上げる。実にレベルの高いバンドのポテンシャル全開の演奏が続き、緊張と緩和の繰り返しに会場の熱がグングン上がっているようだ。
アルバム『it』のラスト曲、「針と糸」ではユウのヴォーカルに深めのエフェクトがかけられ、よりユウの個人的な詞の世界が伝わる名演を聴かせてくれた。それにしてもチリヌルヲワカの演奏は百戦錬磨、フレッシュでありながら老獪だ。しかも男3人の演奏に混ざりながらも埋没しないユウの鋭いヴォーカル、ギターが凄い。それをより感じたのが「逆光」だ。ピラミッドに囲まれたような照明に包まれてオリエンタルなメロディを奏でるバンドの真ん中に立つユウはまるでロックなクレオパトラ。
阿部がマイクを取りMC"無事に最終日を迎えました。ありがとうございます!"続いてご当地担当ということで坂本がMCを引き継ぐと、地方で披露したという"彼女との結婚が破談になった"をテーマとしたブルースを演奏。異様に感情が込められた(?)凄まじい泣きのギターを爆発させると、それに飽き足らずギターを置きハンド・マイクを手に今度はヒップホップ・バージョンで"これからの結婚に向けて"をテーマに"MCナッキー"に変身。ファイナルに相応しい大サービスのパフォーマンスに観客も大喜びだ。ちなみにオープニングで坂本が弾いていたブラウンのGIBSON ES-335は、もともとは亡くなったbloodthirsty butchersの吉村秀樹の物で、ゴールド・トップのレスポールと交換する予定のまま借りていたところ吉村が急逝してしまい現在に至ると、終演後坂本が明かしてくれた。吉村のソウルごと引き継いだギターなのだ。
告知MCをしながらも声がきつそうなユウ。どうやら冒頭のMCは本音だったようで、かすれ気味の声がしんどそうだが、まだまだライヴは続く。後半はユウと坂本のギターが呼応し合う「印-しるし-」からスタート。ユウが後ろ向きにアンプ上のテルミンを操作してカオスを演出。阿部のド迫力なドラミングがフロアを揺らした「マシーン」、「イロメキ」「天邪鬼」と、演奏するごとに巨大になっていくようなグルーヴは圧巻だ。イワイが"渋谷!かかってこい!"と煽ると大歓声でそれに応える観客たち。フロアが明るく照らされミラーボールがまわる中始まったのは「姫事」。この日の曲の中でもひときわ豪快な演奏で、サビでは観客たちが一斉に飛び跳ねる。ラストは続けざまに始まったアルバム表題曲「it」。4月に新宿MARSでお披露目されたときにも聴くことができたのだが、その時の何倍も迫力のある演奏になっていて圧倒された。サビでは観客もコーラスに応え、ここでいったんライヴ終了。しばらくすると全員ツアーTシャツに着替えて登場し"最後の力を振り絞って"アンコールへ。立ち上がって叩きまくる阿部、坂本のモニターからの大ジャンプで終了し再びステージを去ったものの、鳴り止まぬ拍手にWアンコール。プログレッシブ・ロック感満載の演奏、イワイのベース・ソロ、ユウのスペイシーなギター・ソロ、坂本のかき鳴らすギター、阿部のドラム、全てが塊になったエンディングでツアーのファイナルを締めくくった。ツアーを経て新作アルバム『it』の楽曲たちがあきらかに成長していたことが印象的な、楽曲が生き物であることを改めて感じさせられたライヴだった。
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