Japanese
コンテンポラリーな生活 / バズマザーズ / チリヌルヲワカ
Skream! マガジン 2016年06月号掲載
2016.04.23 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 岡本 貴之
"百歌繚乱-朱雀の変-"と銘打たれ、3人編成になってから初めてとなるアルバム『ShowTime』をリリースしたチリヌルヲワカをヘッドライナーとして、関西からバズマザーズ、コンテンポラリーな生活が出演という、尖ったライヴ・イベントとなったこの日。土曜日の公演で、人気バンド3組が出演するということもありチケットはソールド・アウトとなった。初めてLIVEHOLICを訪れた人も多かったようで、開場するなり"こんな近くで観られるんだ!?"と興奮気味なお客さんの姿も見られた。
一番手に登場したのは、コンテンポラリーな生活だ。入り口からオーディエンスをかき分けて入場。ボーダー・シャツ姿の朝日廉(Vo/Gt)が"下北沢LIVEHOLIC!「百歌繚乱-朱雀の変-」一番手、不肖、我らコンテンポラリーな生活! いざ開幕!"との前口上から、いきなりダイヴして「死なない声を探す」にてイベントの口火を切った。藤田彩(Ba)との2人組として再発進した彼らの気合が伝わってくるオープニングだ。藤田の野太いベースがフロアの壁、床を伝って身体全体にダイレクトに響く。"ロック・バンドは好きかー!?"と叫ぶ朝日に大歓声が湧き起こる。バスドラの連打が曲を牽引する「レッツゴー外道」を終えると、"大阪府大阪市未来都市天王寺区からやってきました、コンテンポラリーな生活です! 新曲やります!"とパンキッシュな「僕は鳥」をプレイしてフロアを揺らす。途中、ギター・ソロを弾きながら客席にダイヴする朝日をステージ前方の観客が受け止める。会場はギッシリ埋まっているため、後方にいると背伸びしないとその姿が見えないほどだ。"いっせーのーで! 東京殺法!"と観客と声を合わせて「東京殺法」へ。ストレートでありながら、ときにトリッキーな演奏で飽きさせない。続く「ポップソングと23歳」ではじっくりと聴かせ、大きな拍手で称えられた。
ここで、6月8日(水)に新しいミニ・アルバムのリリース、そして7月に東名阪ライヴを行うことを発表。さらにアルバムのタイトルが"BAKEMONO in the Tennoji Park"であることを告げると、一瞬どう反応していいかわからないムードが漂うも、アルバムからの新曲「化け物になれば」を披露した途端、新曲ながらすぐにみんなで歌えそうなキャッチーなメロディに、腕を振り上げて踊る観客たち。"何回も 何回も"と繰り返すサビが耳に残るいい曲だった。ラストは「ハスキーガール」。音をぶちまけるような怒涛のパンク・チューンに手拍子を送り、バンドを盛り立てる観客たち。ベースを高々と持ち上げて高ぶる藤田。朝日は"歌ってくれー!"と煽ったのちサビを歌い、"ロックンロールは好きですかー!?"と叫んだ。
入れ替わりでバズマザーズのメンバーがステージに上がる。転換を経て暗幕の向こうからバンドが音を出すと湧き立つ観客たち。"あしたのジョー"のテーマに乗せてメンバーが姿を現すと、山田亮一(Gt/Vo)が客席にダイヴして「怒鳴りたい日本語」からライヴがスタートした。重松伸(Ba)と福岡"せんちょー"大資(Dr)らリズム隊が割れたローファイな音を叩き出し、エフェクトで揺らいだギターが冒頭からドライヴする。観客はもみくちゃになりながら手拍子、重松が"もっとこいやー!"と叫ぶ。ステージ前はギッシリと人が集まり、密度が高い。立て続けに「スカートリフティング」、「革命にふさわしいファンファーレ」を演奏すると、"大阪から来ましたバズマザーズです! よろしく!"とMCを挟み、「せっかちな人の為の簡易的な肯定」へ。早口でまくし立て、神経を狂わせるような金属的なギターの音を振りまきフロアを熱狂させる。
曲を終えるとMCでは、とあるトラブルを告白して観客が騒然となる場面も。"俺たちはここから始まるぞ、ということで今日は初ライヴの気分です! バズマザーズの憂さ晴らしに付き合ってください!"と叫ぶと今日一番の大歓声に包まれ、「ハゼイロノマチ」でライヴを再開。「カマイタチごっこ」ではテクニカルなギターのリフを中心にド迫力のサウンドを聴かせて、まさに憂さ晴らし。文字どおりギターにディレイを効かせた「ディレイアンダースタンド」、チャイナ風のフレーズから「麻婆豆腐殺人事件」とライヴは続き、まるで激辛の麻婆豆腐のような(?)照明に照らされながらプレイした。曲の途中、ベースの音に不具合があったようで、山田が新曲の弾き語りを披露しながら場を繋ぐ場面もあったが、ハイスピードで疾走する「スキャンティ・スティーラー」で一気に巻き返し。観客もバンドに応えて熱くなる中、畳み掛けるようにドラム、ベース、ギターが複雑に絡み合う「ワイセツミー」でライヴを終えた。
本日のトリ、チリヌルヲワカがステージに上がる。この日が新編成になってから4回目のライヴということで、まだ3人のチリヌルヲワカを観たことがないファンも多く、期待感が熱気となって会場に充満しているかのようだ。幕が上がり3人が音を出すと大歓声で迎えられ、「ホワイトホール」のイントロが鳴ると"オイ! オイ!"といきなりものすごい盛り上がり。2015年に結成10周年を迎えたバンドだけに、ステージ前は熱烈なファンが陣取っているようだ。白いノースリーブのワンピース姿で青いテレキャスターを刻むユウ(Gt/Vo)。飛び跳ねながらゴリゴリなベースを弾き、コーラスもとるイワイエイキチ(Ba)、クールに熱く、タイトなドラムを叩く阿部耕作(Dr)。百戦錬磨のメンバーによるギュッと締まったサウンドは「はなむけ」へと続く。オブリガードを入れながら歌うユウが間奏のソロでは昭和歌謡的なメロディを奏でる。続く「it」のオリエンタルなイントロが鳴ると、拳を突き上げて声を出し、盛り立てるファンたち。間奏でもその声が止むことはなく、ユウはそれに応えるように観客に近づいてギター・ソロを披露する。
"ありがとう! こんばんはチリヌルヲワカです! 私たち5月に7枚目のニュー・アルバムをリリースします!"と、ここで新曲を2曲披露。シンプルな8ビートの演奏でマイナー且つメロディアスな「みずいろの恋」を歌うと、1番ではじっと聴き込んでいる様子の観客が、2番になるとサビで声を合わせているのが印象的だった。チリヌルヲワカには実に熱いファンがついている。続いて阿部のカウントから「ヤミとクモ」へ。ニュー・アルバムの中でも、特に大胆で性急な演奏と歌詞のレトリックが楽しめる楽曲だ。最前列の観客は小刻みに激しくへッドバンギングしている。時折入るハウリングすらバンドの楽器のひとつのようだ。モンスターが出てきそうな豪快で不穏なベース、ギターのユニゾンから「マシーン」へ。3人編成になったことでイワイのベース・ラインがかなり目立つ。阿部のドラムとの鉄壁なコンビネーションでグイグイ前に出てくるが、ユウもそれに負けじと叫ぶようなギターで応戦する。ものすごい迫力の1曲だった。
"今日はすごくロックなイベントに出させてもらって楽しいです。3人体制になって4回目のライヴなんですけど、1回1回が貴重な時間で、今日を迎えられて本当によかったと思っています。ありがとうございます!"と、ライヴを行えることの喜びをMCで伝えるユウ。後半は「シーホース」から「松の木藤の花」へと続き、「天邪鬼」では緩急をつけた演奏で観客を圧倒する。ラストの曲は前作アルバムの表題曲「アヲアヲ」。ユウが歪んだ音色でイントロのリフを刻み、より強固になった演奏の中で歌われるきれいなメロディは、新たな3人のスタートを象徴しているかのように力強く聴こえた。いったんステージを降りたものの、鳴り止まぬアンコールの声に再びステージへ上がり、1stアルバム『イロハ』のオープングを飾る「カスガイ」を演奏し、拍手喝采の中"じゃあワンマンで会いましょう!"とライヴを終えた。
3ピース・バンドとして初のツアーへと向かうチリヌルヲワカの現在の充実ぶりがわかり、ニュー・アルバムの曲たちがツアーでどんな表情を見せてくれるのか今から楽しみだ。いずれも劣らぬ熱いファンを持つ3組によっておおいに盛り上がり、長丁場ながら飽きさせることなくあっという間に感じられるほど楽しめたイベントだった。
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