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INTERVIEW

Japanese

植田真梨恵

2016年01月号掲載

植田真梨恵

Interviewer:石角 友香

-うまく言えるようになるっていうのも良し悪しだと。

そうですね。ある種、おまじないじゃないけど、いい意味でも悪い意味でもそういうパワーが宿っているものが音楽とか歌なのかなと、すごく思いますね。

-そしてカップリングのTrack.2「カレンダーの13月」は聴く前から"ないもの"ということがわかるので切ないんですけど。

そうですね。私は切ながりなので(笑)。そもそもは2012年に毎月、その月の歌を作ってライヴをしていて、全部1~2分ぐらいしかないんですけど、全部繋げて聴くと、長い1曲として、一篇の物語として成立するっていうことをやったんですよ。で、年が明けて、2013年になったときに"カレンダーの13月"というワンマン・ライヴを開催して、そのライヴの中で12ヶ月分の曲を全部演奏しまして。よく漫画でもあるんですけど、続きというか番外編的に12月のあとの月として、バラードを1曲ちゃんと書きたいなと思って書いたのが、この「カレンダーの13月」という曲ですね。

-単純に別れの曲には聴こえない内容ですね。

たぶんずっと続くだろうなみたいな関係の中で、この人のことはずっと好きだろうなと思っているのに、なんとなくもう何もない感じというか、めくってもこれ以上がない、と感じるときというか。誰かに終わりと言われてるわけではないのに、それを感じたときがあって、すごくそれが切なかったんですよね。その感情を曲にしたいなと思いました。

-もう1曲のTrack.3「ソロジー」はじんわりきますね。安堵する気持ちと寂しい気持ちが両方湧く。

そうですね。"どんな曲ですか?"と聞かれたときにひと言では感情の名前をつけられないような。別に悲しいわけではないけど、めちゃくちゃ幸せっていう、"まぁ、幸せなんやろうけど......"って感じがしますね。

-お風呂に浮くような感じで人の背中を押したいという表現がいいなと思って。

ありがとうございます。曲を書いたのが18歳のころのもので。

-へー!

自分的にはもう、"よく書いてたねぇ、こういう曲"っていう気持ちでしかないです(笑)。

-そうなんですか。植田さんの曲って、そのときにしか書けないものなんでしょうけど、ある種のタイムレス感があるというか。

この「ソロジー」に関しては、今回"もう一度録り直しましょう"ってこともできたと思うんですけど、ヴォーカル自体も20歳ごろにレコーディングしたもので、ピアノの方とせーので。初めてグランドピアノでレコーディングをしたときの音源なので、わざわざそれを録り直すよりも絶対そっちの音源の方がいいなと思って、そのまま収録しました。もう、そのときの私にしかたぶん出せないですね。今、全然違うものもいっぱい抱えてしまってるので。今の「ソロジー」にしかならないと思うと、その曲のありのままの形ではないのかな、と思って。なるべくそのままの形で、聴いてもらいたいなと思いました。

-なるほど。1月って、1番寒い時期なので、今回のシングルはぴったりくると思います。そして2016年早々にまたツアーが開催されますね。

はい、あります。

-この[Live of Lazward Piano"Old-fashioned."]の"オールドファッション"というのは?

"Lazward Piano"というのは、私のアコギと歌とグランドピアノの編成の総称です。それで、これまでやってきた"青い廃墟"とか副題みたいなのがあって、2016年は"Old-fashioned."ってサブタイトルです。

-ちょっと古めかしいという意味合いですか?

そうですね。今回、会場がキネマ倶楽部(東京)とか、中央公会堂(大阪)とかもあるので、やるならばテーマをちゃんと持ってライヴをしてみたいなぁと思って、こういうタイトルになりました。雰囲気のある会場が多いので、お客さんにその空気のまま楽しんでもらえたらいいなと思います。