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INTERVIEW

Japanese

Drop's

2013年08月号掲載

Drop's

Member:中野 ミホ (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-アルバムの流れとしては前半はギターが前面に出た曲が多く、後半はキーボードの存在感がある曲が多いと感じました。音のバランスはどう構築されているのでしょうか。

ギターの荒谷は......多分ジャァーン......っていうゴリッとした音が好きで。それは前から変わってなくて、凄くかっこよくて信頼してます。鍵盤の石橋(わか乃)が、今回は前に出てくるようになって。きっかけとかは分かんないですけど、音色や和音の細かいところに、彼女の色が強く出てきたと思います。

-中野さんの歌声、ゴリッとしたギター、テクニカルな鍵盤の音色は、Drop'sのサウンドを表す強い要素ですね。皆さんの音色は、ブルースやロックンロールへの愛が滲み出ていると思います。

わたしたちは昔のブルースやロックンロールが好きですけど......過去のものを焼きなおすことに興味はなくて。自分たちがグッとくるものがかっこいいという風に最近は思えてきました。

-中野さんの書く歌詞は、"夜明け"や"木曜日""夕焼け"など、時間の一部分をとても大事にしているような気がするんですよね。そのときそのときにしか感じられないような心を、丁寧に乗せているというか。

自分の中でですけど"この曲のときはこうだったな"とか......天気や、色、匂いとか、そういうものが自分で思い出せるようにしたくて。その証拠みたいな意味で(そういう言葉を)入れているのかもしれないですね。

-アコースティック・ナンバー「やさしさ」に"やさしい歌を うたいたい"というフレーズがありますが、中野さんにとっての"やさしい歌"とはどういう歌でしょうか?

うーん......聴いてて寂しいんだけど包まれるような感じというか。許してくれる感じというか。言葉の強さかな......。"頑張ろう"という言葉は、自分が強くなければ言えないような気がして。そういう強さがあっての優しさというか。(歌を聴くことで)どっかに連れて行ってくれるけど、"ここにそのままいてもいいよ"とも言ってくれる歌、っていうか。......そういう歌ですかね。

-ちなみに中野さんは今"やさしい歌"を歌えていますか?

いやぁ、歌えてないですね......。でも歌いたい。「夕やけ」とかは少しは近づけてるかな......って思いますけど、まだまだですね(笑)。誰かに向けて何かを言うって、すっごく責任の要ることだって凄く思うし。それだけ自分自身が聴いてる音楽からもらうことが大きいから、自分たちがそれを与える側だと思うと、重い責任のあることだと思うし。なので軽はずみなことは言えないんで、それを考えていくとまだ"やさしい歌"は歌えてないんじゃないかなぁ......。

-強い責任を感じているのは、バンドの状況が大きくなってきたからかもしれないですね。

ああ、自己満足だけじゃだめっていうのはあるかもしれない。基本は自己満足ですけど(笑)。

-ははは(笑)。このアルバムはよりがっちりと縫いこまれたアレンジも特徴で。5人の信頼関係が感じられるものになっていますし、バンドの未来を感じられる、渾身の作品だと思います。

このアルバムで5人の出来ることが大きくなって広がったと思うし、いろんなことが広がっているので、大きなステージや野外にも似合って、愛されるようなかっこいいバンドにもっともっと成長していきたいと思っています。