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INTERVIEW

Japanese

Drop's

2013年08月号掲載

Drop's

Member:中野 ミホ (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-コンテストでグランプリを取ってからは高校在学中にミニ・アルバムをリリースしたり、爆弾ジョニーとスプリット・アルバムをリリースしたりと本当にとんとん拍子というか、バンド環境ががらりと変わったと思いますが、若くしてその状況ということに戸惑いなどなかったでしょうか。

最初"CDを出さないか?"と言われたときは嬉しかったですけど"自分らでいいのかな?""こんなに恵まれてていいのかな"とも思いました。けど......心の中でわたしはどこか、根拠のない自信もあったりして。短期間での(バンドの状況の)変化はありますけど、しっかりと音楽活動をしていくというのは元々あるので、自然な流れだと思っています。

-メジャーのお話があったのはいつ頃だったんですか?

大学受験をするメンバーがいたので、受験の頃はバンド活動をしていなくて。でもその頃からわたしの弾き語りを(レコード会社の人が)見に来てくれたりしていて。そこから少しずつ少しずつ話を進めてもらいました。まだメジャーは始まったばかりなので分かることはまだ少ないですけど......メジャーに来たことでわたしたちの音楽を聴いてもらえる幅も広がると思うし、お会いする人も増えて、凄く嬉しく思っています。

-今も皆さんは札幌にお住まいとのことですが、上京したいという願望はありますか?

個人的には、わたしは東京に興味があります。やっぱり東京はいろんな刺激が強い街じゃないですか。人が多いし、どこに行っても建物があって"うわぁ!"って感じで......。でも細い路地や住宅街もいっぱいあって、それが凄い好きで。わたしの住んでいるところはちょっと歩けば山、みたいなところなんで(笑)。時間が流れる速さが全然違うような気がして、東京は単純に凄いところだなって。札幌は碁盤の目のような道なんですけど、東京は細かったり坂があったり地下もあったり......。それが魅力的に見えるときもあれば、汚く見えるときもあって、とても大きいところだと思います。そこに飛び込んでいきたい、というときもありますけど、札幌で出来ることもたくさんありますし、焦ることもないと思っています。そこら辺はみんなのタイミングですね。

-Drop'sの歌詞に描かれている風景は東京を彷彿させます。ビルという言葉も多いですし。

「カルーセル・ワルツ」や「DIRTY Smoke」など、今回のアルバムは東京のことを歌っている曲もあります。ビルは......ただ、好きなんですよね。昼と夜では全然違うものに見えるじゃないですか。天気とかでも違うし。こういう街の中の、晴れた日のビルはすっごい綺麗だと思うし輝いているし、けど曇りだと凄い威圧感だったり。夜は灯りでキラキラしてドキドキするような感覚があって。ビルって無機質なイメージかもしれないけど、わたしはいろんな顔している気がして。だからビルを見ているのが好きです。......なんか変な人みたいですけど(笑)。

-いやいや(笑)。ひとつのビルの中には本当にたくさんの人がいますからね。

そうですよね。それも凄いと思うし。マンションとかもそうですけど、中の人のことを考えると......ちょっとゾッとするときもあります(笑)。引いてみると四角だけど、ひとつずつの窓に人がいて、そこに人間関係や生活があるじゃないですか。それは......ちょっと凄いなと思っちゃうし。ビルがただの無機質に見えないところは、そういうものがあるからかもしれないですね。

-そういう情景を"泥臭い"音楽で表現するというのはどういう感覚でしょうか。

昔のブルースとか、わたしもそんなに詳しくないですけど......歌っていることは生活って大きいじゃないですか。だから、音とかは古かったり泥臭かったりしても、歌詞で歌っていることはリアルな生活の中で感じることが歌いたいと思うので。東京のビルや近代的な街も、見たまんまで歌いたいので......そこに違和感を感じたりすることはないです。

-中野さんはヴォーカルもそうですが、10代とは思えぬ大人っぽい歌詞を書かれますよね。自分の心情を吐き出すというよりかは、自分の目の前にあるものと自分を照らし合わせているような気がします。だから聴いていて"中野さんには世界がこう見えているんだな"と思えるというか。

景色を見ているときとかは......俯瞰しているときもあると思います。でも自分の気持ちは絶対に書こうと思っています。でもそれと景色を照らし合わせるような書き方はしているかもしれないですね。