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DISC REVIEW

A Letter Home

繊細なシンガー・ソングライターと荒くれたロッカー両方の顔を持つ御年68歳のベテラン。しかし、やっていることは若い連中よりよっぽど乱暴だ。2012年にリリースした2枚のアルバムも轟音ロック・サウンドがシーンを震え上がらせた。そんな御大の最新作

もう君はいい人じゃなくていい

私が初めて聴いた彼らの曲はインディーズ2ndアルバム『この世界を僕は許さない』収録曲「スローダウン」だった。"来年の誕生日には死なせて"という歌詞があまりにも痛烈で、頭からかぶったような絶望を忘れられずにいる。あれから彼らはメジャー・デビュ

Consider and forget

音楽が言葉を持たないことは不思議でもなんでもない。しかしロックの文脈において、言葉がもたらす"意味"は時に音そのものよりも重要視されてきた。だからこそ、00年代の初めに"ポスト・ロック"というタームがシーンに浸透した時、そこには言葉を持たず

clepsydra

残響recordが送り出す京都の4ピース・バンド、chouchou merged syrups.の2ndミニ・アルバム。前作『since』時点での彼らは、ポスト・ロックやポスト・ハードコア、オルタナを昇華した疾走感と構築美で魅せる、ある意味

Ultraviolence

David Lynch作品にも通じるデカダンを打ち出して、ノスタルジーは美しいものという幻想を破壊した前作『BornTo Die』から2年、"ギャングスタ界のNancy Sinatra"を謳い(Nancy Sinatraの「Summer W

エマ

どこか懐かしく温かい、そして最高にポップなロックンロールを鳴らすgo!go!vanillasがTOWER RECORDS限定でリリースするニュー・シングル『エマ』。"1・2・3"と威勢良く始まる冒頭の表題曲から軽快なビート全開で聴く者をいと

Early Morning

3年前、彼らの「POOL」という曲のMVを見る機会があった。明でもなく暗でもない、エモーショナルなのにどこか淡々としている音と、素朴なメロディに乗る凛とした日本語の佇まいが妙に耳に残り続けた。前身バンドからメンバー・チェンジをせず10年間活

電波

岐阜を拠点として活動している4ピース・ロック・バンド、鳴ル銅鑼(ナルドラ)が新作をiTunes限定でリリースする。彼らはRO69JACK 2014入賞という実力を持ち、今作はピース・ミュージックの中村宗一郎がマスタリングを手掛けたとのこと。

Hard Believer

プロデュースに関わった故Amy Winehouseをはじめ、John Legend、RADIOHEAD、BON IVERらを虜にしてきたイギリスのシンガー・ソングライター、Fin GreenallことFinkによる6作目のアルバム。ゴシック

回遊記 -Round About-

2012、13年のSUMMER SONIC連続出演、今年2月より開催した東名阪ワンマン・ツアーも大成功を収めたKIDSがリリースする初のフル・アルバム。いきものがかりなどを手掛ける本間昭光、amazarashiらを手掛けるデワヨシアキ、そし

サマータウンとアドベンチャー

ほぼ日刊イトイ新聞、東急ハンズのウェブCMへの楽曲提供や、FUJI ROCK FESTIVALをはじめとするフェス出演でコアな音楽ファンの間で知名度を上げている、伊豆の山奥にある"かわいい女の子スタジオ"を拠点に活動するバンド、ヤングのTO

NANO-MUGEN COMPILATION 2014

このコンピの充実度は毎年計り知れないが、今回はASIANKUNG-FU GENERATIONの新曲「スタンダード」を聴くだけでも相当、価値ある1枚。ゴッチ自身が"これは先の都知事選についての歌"と明言しているが、何も変わらないと諦めたら非難

Your Charizmatic Self

ロンドンのアンダーグラウンド・ダンス・ミュージック・シーンでファッションやカルチャー方面からも熱い注目を集めるクリエイター集団"Night Slugs"の首領BOK BOKことAlex Sushon。彼が日本限定盤としてボーナス・トラックを

人間の鱗

自主企画ライヴなどでじわじわと人気を集めている5人組ギター・ロック・バンドの2ndミニ・アルバム。自らジャケット・アートワークも手掛け、歌詞も全て担当する紅一点のヴォーカル、ワイコが先導してさまざまな人間像をテーマに描いている。「DILEM

Reflection"A"

ベーシストのRyo-Heyがサウンド・アレンジャーに転身し、新メンバーのMASAMUが加入したばかりのトライアンパサンディが、初作品から約1年4ヶ月振りの新作をリリース。前作で示した電子音×生楽器がせめぎ合うサウンドスケープは更にシンクロ率

Bounds Away

90年代半ばのグランジ終焉後、世界の若者たちの心を最も強く捉え、癒したのは、メロコアを始めとするパンクと、ハードコアの土壌から生まれたエモだった。JIMMY EAT WORLDや、日本だとHi-STANDARDなどが当時の若者たちに与えた影

MANTLE

ファストなビートにキラキラしたメロディやコーラス、だけどパレードの中にいて虚無を感じてるようなオープニングの「Amazing Parade」からして、音楽的にもメッセージ的にも今のチェコはポップでエクストリーム。打ち込みの気だるいダンス・チ

Disgraceland

結成からわずか4年で世界に飛び出してきた5人組がいよいよメジャー・デビュー。彼らの存在をアピールしてきた破天荒なライヴ・パフォーマンスとは若干印象が違い、20歳そこそこのメンバーがここで奏でるガレージ・ロックンロールは荒々しさのみならず、曲

Greatest Hits ~Special Edition~

結成10周年記念、9mm Parabellum Bullet初のベスト・アルバム。Track.1「The World」の音像の、ある種の素朴さに驚くが、これは彼らが初期楽曲をライヴで演奏し、進化し続けていることの証明でもある。シングルとEP

Crazy Crazy/桜の森

跳ねたジャズ・ピアノではじまり軽快なビートで踊り続ける「Crazy Crazy」、70年代のダンサブルで煌びやかなソウル・ミュージックを下地に詩的な歌心をのせた「桜の森」、そしてブルースやジャズを都会的に、かつリラックスしたナイト・ソングへ