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DISC REVIEW

N

NUMBER GIRL 無常の日

NUMBER GIRL

NUMBER GIRL 無常の日

ナンバガ、2度目のラスト・ライヴである2022年12月11日、ぴあアリーナMMの壮絶な3時間を音源として約2時間半に収録したライヴ・アルバム。思い入れは人それぞれだろうが、音源としての価値は必要以上にエモくない臨場感と明快な音像だ。センチメンタルな気持ちより4度にわたって演奏された「透明少女」の趣きの違いや、ロック・バンドにおける疾走感のなんたるかを4人全員が証明するようなTrack.3の速度や、向井秀徳の怜悧で洗練されたテレキャスの音や田渕ひさ子の一刀両断するようなリフや、アヒト・イナザワの性急で手数の多いドラムや中尾憲太郎 48才の五臓六腑を揺らす鉄の弦という"物理"に圧倒されればいい。そしてもはや自分の記憶なのかわからなくなった鮮やかで眩暈のするような真夏に何度も出会えばいい。(石角 友香)

LIVE ALBUM『感電の記憶』 2002.5.19 TOUR 『NUM-HEAVYMETALLIC』日比谷野外大音楽堂

NUMBER GIRL

LIVE ALBUM『感電の記憶』 2002.5.19 TOUR 『NUM-HEAVYMETALLIC』日比谷野外大音楽堂

再結成の一報に後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION/Vo/Gt)や川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。/Vo/Gt etc)などが反応したことで、チェックしている若いリスナーもいるかも。今回発掘されたのはこの半年後に解散したのが信じられない、いや、むしろこの緊迫感から納得してしまう、アンサンブルや演奏が高次元な2002年の"TOUR『NUM-HEAVYMETALLIC』"日比谷野音公演のライヴ音源。日本のオルタナティヴ・ロックの礎で、今聴いても色褪せていないどころか、ファンクや祭囃子的なグルーヴをソリッドに昇華したり、アティテュードにジャズ的な部分が散見されたりと、先見性というか独自性に驚愕。"少女"をメタファーにした純粋さと毒を孕む詩情も響くはず。(石角 友香)

ナイトソングス

Number the.

ナイトソングス

グループ魂などでも活動中の富澤タク、SHERBETSのドラマーとしても活躍中の外村公敏らからなる4人組Number the.。昨年は宮藤官九郎、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎、高橋 優らと東日本大震災のチャリティ配信シングルをリリースするなどしていた彼らが、活動19年目にして2枚目のフル・アルバムをとうとう今月リリースする。“ナイト・ソングス”というタイトル通り11のナイト・ストーリーが綴られているのだが、どの曲も溜息が零れるほどロマンティック。富澤のソフトなヴォーカルと、余裕と渋さを滲ませる男気溢れる音が揺らめく。都会の夜に繰り広げられる大人の恋愛模様を覗いているようで、何だかドキドキしてしまった。飾らない真っ直ぐな思いが颯爽と、ドラマティックに駆け抜ける。(沖 さやこ)

みらいいえ

NUMBER VOGEL

みらいいえ

5月末のライヴを以て、9年間の活動に終止符を打つNUMBER VOGELのラスト・アルバム。収録されるのは、"NUMBER VOGEL"というバンドの志向が作り上げられた初期の曲、ライヴの定番となっている曲、そして新たに作り上げた「ネガティブスター」も加わった全18曲。最近、ソロでカバー・アルバムを発表したもとつね番ちょうのハスキーで中性的なハイトーンの歌声を活かした、メロウなメロディが冴えるバラードから、近年のアップテンポでダンサブルな曲など、このバンドの幅広さがわかる内容になっている。バンドとしての活動は終えるものの、その音楽は残り、いつでも帰ってこれる場所としてあり続ける。そんな意味合いと、NUMBER VOGELがこれまでその歌とサウンドに込めてきた願いをタイトルに込めた、大きな"いえ"の完成。(吉羽 さおり)

番ちょうCOVERS

NUMBER VOGELもとつね番ちょう

番ちょうCOVERS

NUMBER VOGELの、もとつね番ちょう(Vo/Gt)によるソロ・カバー・アルバム。かなり好きで歌い込んでいるという秦 基博の曲を始め、彼自身が、ひとり路上ライヴで歌ってきた曲が並ぶ。小田和正、槇原敬之から、JUJU「やさしさで溢れるように」、一青窈「ハナミズキ」、荒井由実/松任谷由実の名曲まで、女性シンガーをも、そのスモーキーなのに、艶やかさも持った声で歌う。取材で"バンドマンとしてのプライドは捨てて歌っているところもある"と語っていたが、たしかに、各曲の持つソウルに忠実に、丁寧に歌を紡いでいく感覚は、バンドマンとしての看板やエゴのようなものはない。初めて聴く人にとっては、いいヴォーカリストを発掘した感覚にもなるだろう。そして、1枚聴き終えるころには、独特の歌のグルーヴに魅せられていると思う。(吉羽 さおり)

かくかくしかじか

NUMBER VOGEL

かくかくしかじか

もとつね番ちょうの中性的なハイトーンヴォーカルが冴えるキャッチーなメロディ、加速感が気持ちのいいダンサブルなドラム&ベース、そしてインパクトの強いフレーズと第二のメロディたる存在感でぐいぐい前に出てくるギターと、なかなかにアクの強い個性がせめぎ合っているNUMBER VOGELサウンド。このEPでは、収録曲4曲ともにそのせめぎ合いの面白さが全面に出ている。全曲BPM150前後の疾走感で、「ナリユキマカセ」ではファンク・テイストのヨコノリ感もあったり、曲の展開も一筋縄でいかないパターンも多い。それでいて耳馴染みはフレンドリー。J-POPも好きだと聞くと、それも納得だ。マニアックなこだわりは随所で感じさせつつ、キャッチーな曲として昇華していく、腕によりをかけたバンドの今を見せるEPだ。 (吉羽 さおり)