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INTERVIEW

Japanese

植田真梨恵

2015年08月号掲載

植田真梨恵

メンバー:植田真梨恵

インタビュアー:石角 友香

インディーズ時代を含めるとすでに10年近いキャリアを24歳の若さにして持つ植田真梨恵。昨夏のメジャー・デビューから徐々に、より開かれた音と言葉を自然と発するようになってきた印象がある彼女からの新たな提示(=作品)は、またも一瞬驚くようなタイトル――"わかんないのはいやだ"というもの。あっという間に過ぎ去る夏のような濃厚さと爽快さがないまぜになった曲の中で彼女が伝えたいこと、そして植田真梨恵という人物の現在地とは。

-自分で音楽を作ろうと思い始めたきっかけはなんだったんですか?

中学時代に好きになったアーティストはシンガー・ソングライターが多かったんです。そのころまではずっとオーディションなどで歌って映えるような、熱唱系のバラードであるとか、"歌うため"に作られている曲を聴いていたんです。自我の芽生えじゃないですけど(笑)、好きなものを聴くようになったんですね。で、もともと作ったり書いたりすることに興味があったので、そのときは"いつか書けたらな"ぐらいに思っていて。そのあと、今のマネージャーさんと出会ってから時間がありあまっていた時期に"歌詞を書いてみたら?曲をちゃんと作ってみたら?"と。でもどうしたらいいかまーったくわからないけど(笑)、とりあえずやってみるっていうところから始まりましたね。

-何がフィットしたんでしょうね?

面白かったんですよね、歌詞とかメロディが。特に私が当時聴いてたのは、aikoさん、椎名林檎さん、YUKIさんとか。男性の作品も聴いてたけど、特に乙女心的にグッときてたのはそのお三方で。aikoさんの歌詞とか、全部携帯に打ち込んでましたよ。なんでかわからないけど(笑)。

-(笑)インディーズの活動も長かった植田さんですけど、去年、メジャー・デビューしてからは物の考え方とか、何か大きく変わったことはありますか?

変わりましたね。すごく歌を作ることに熱中して、届けていて。自分がきちんと納得したものでちゃんとそれが"いいと思うんだ"っていうものをまじりっけなく出していくっていうことが、インディーズの中でやっていく重要なことになっていたんですよ。でもそれをずっとずっと続けながら、少しずつライヴ会場を大きくしていく中で、なんかこれ以上に歌いたいことがなくなってきたというか。どんどん会場が広くなる分、いろんな人の耳に届いていくのがわかったんですけど、こんなに大げさな大きい音を出してまで、歌いたいことじゃないなと思い始めて。自分の例えば、なんか"苦しい!"みたいなことを歌いたいのではないなぁと。それで、そのぐらいのタイミングでメジャー・デビューの話が上がって。そうであれば今のままの曲をメジャーから出しても全然一緒だなぁ、むしろやりたいと思ってることが少し制限される可能性があるなら、インディーズでやる方がいいなと思って。だとしたらもっと......視野を広げて曲を書きたいなという気持ちの変化がありましたね。

-気持ちの変化に気づくきっかけにもなったと。

7年ぐらいインディーズで活動していて、成長というか歳を重ねていく中で、そこまでの......負に傾いた大きい感情みたいなのは、どんどん抱えないようになってきてるのかな?って自分自身の変化としても感じていて。それもあって、ちょっとでも前向きな作用があるものにしたいなぁと思いながら、メジャー・デビューの曲を書こうって思ってました。

-あるとき"何を私はこんな大きな声で歌っているのか?"と思ったと。それはリアルタイムの自分の方が先に行ってるわけで、どんな気分でした?

あー、たまたま自分の波でそれがハマるときもあれば、全然やっぱり今、こんなこと思ってないということもあったんで。そういうときは変な力の入り方しながら歌ってるなっていうのは思ってましたね。力の入れようがないというか。歌ってても追っかけているような状況になってしまうので。それがすごくライヴの中で変な思いが混じってくるのがすごく嫌だったんです。かと言って今となってはこの曲歌ったからといって、そのときの気持ちを追っかけてるみたいな感覚はもはやないんですけど、当時はありました。

-今は曲として客観的に見られるように?

そうだと思いますね。うん。だし、前向きなものを書いていこうと思ったときにも、そこに今まであった影の部分っていうのは変わらずあってくれて。それはすごく安心する要素ではあるので。だから認めやすくなっているのかもしれないです。

-メジャー・デビュー・アルバムが『はなしはそれからだ』という、"さぁこれをどう思う?"という部分もあった作品だと思うんですが、手応えはいかがでしたか。

そうですねぇ......今まだ実は整理途中で。そもそもそのメジャーになってから1枚目のアルバムを出すということで、いくつか自分の中でテーマはあったんです。それは味つけを濃くしすぎないとか、内容がしっかりあることを歌うということであったり、シンプルにストレートに届けるみたいな気持ちで、どれだけいろんな色の歌を作って届けられるかな?みたいなところで作ってる1stアルバムなんですね。ま、別にそういうものですっていう注釈なしで聴いてくれた人たちが、どのくらい......なんだろうな?この感じで物足りなくなかったかな?とか、逆にこの情報量で届けられたかな?みたいなところとか、ものすっごく自分で気になってて。でも、1番嬉しかったのが"何度も何度も繰り返し聴きやすかった"とか"初めて聴いたときからなんとなく初めて聴いた感じじゃなくて、知ってる感じがあった"とか、そういう感覚がすごく嬉しかったので、"届いているのかな"ぐらいですね、今は(笑)。