Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ヲドルマヨナカ

2023年10月号掲載

ヲドルマヨナカ

2ndアルバム『The Singularity is Near』をリリースし、来年1月には単独公演"レイニースマイル"を控えた15人組ダンス・ロック・アイドル ヲドルマヨナカ。月の虹彩のようなギター・ロック・チューン、中毒性の高いステップに揺れる水面――ライヴではキュートでエモーショナルなヴォーカルと大人数ながら息の合ったダンスで、しっかり魅せるステージを作る。個性溢れるメンバーそれぞれの強み、ヲドルマヨナカの歴史や軌跡も刻まれた2ndアルバム『The Singularity is Near』の楽曲について、そしてこだわりのライヴやここからの夢や目標について、話を訊いた。

Members:稀崎 さき 白羽 ひな 星影 獅音 紫王 雅琴 柚ノ葉 さぁや 咲間 瞳 魔希波 ののの 坂本 博士 
葵彩 瑠莉 鮭川 いくら 雨宮 志乃 紅月 双葉 結城 ななみ 
※猫束 みずな、月野 ひめかは取材時不在
Interviewer:フジジュン

-9月9日、2ndアルバム『The Singularity is Near』をリリース。来年1月には、Spotify O-WESTでの単独公演"レイニースマイル"を控えたヲドルマヨナカ。まずはメンバーそれぞれ自己紹介も兼ねて、お名前と自分の強みを教えてください。

結城:結城ななみです。私の強みは、パフォーマンス中の笑顔と神対応です。記憶力がすごいので、一度会ったら名前と誕生日とか結構、細かいところまで覚えてます。

白羽:白羽ひなです。強みはふわふわした喋り方って言われるんですけど、人を癒やすことができることです。あと、鳩を見つけるのが早いです(笑)。

坂本:坂本博士です。私の強みはメンバーの中で一番音楽に詳しいことです。好きなジャンルはメロコアで、ドラムやってて。ギター、ベース、ドラムができることが強みです。

鮭川:鮭川いくらです。私の強みはパフォーマンスで、全部、全力でパフォーマンスすることができます。

星影:星影獅音です。強みは迫力あるパフォーマンスと、メンバーで一番身体を張ることができることです。NGナシでなんでもチャレンジしていて、バンジー・ジャンプをやったり、獄激辛やきそばを完食したり。みんなが笑ってくれるなら、なんでもできるのが強みです。

魔希波:魔希波のののです。強みは本気でアイドルオタクだったことと、存在が"生きる一発芸"なことです(笑)。自分のキャラを作るのが苦手でいつも素で喋っちゃうんですけど、友達に"そこがいいし、みんなの人生のスパイスになる"と言っていただけて嬉しくて。自分の存在を生きる一発芸として、武器にしようと思いました。

紫王:リーダーの紫王雅琴です。見た目もマインドも圧倒的ギャルというのが強みです。

柚ノ葉:柚ノ葉さぁやです。私はメンバーで一番身長が低いんですけど、それを感じさせない踊りが強みで。特典会のとき、"思ってたより小さい!"って言われることがあったり、小ささを感じさせないパフォーマンスが魅力です。

稀崎:稀崎さきです。私の強みはクセのないダンスと、かわいくもカッコ良くもなれるので、いろんな人が来てくれることです。キャラによって、お客さんの層も決まってきちゃうことがあると思うんですけど、私にはいろんなタイプの人が来てくれるんです。

紅月:紅月双葉です。強みは人のいいところをいっぱい見つけることができることです。"この人は笑顔が素敵だな"とか人のいいところを見つけて、思ったら言っちゃうんですけど、"はいはい"って流されちゃうことも多いです(笑)。

咲間:咲間 瞳です。くまが好きな咲間 瞳って覚えてもらえると嬉しいです。私はみんな個性がいっぱいある中で、私が一番王道系のアイドルかな? と思ってます。私、2次元のアイドルが好きで、アニメのアイドルに憧れてアイドルになりました。

葵彩:葵彩瑠莉です。私の強みは人に文章で伝える力があるのと、めちゃめちゃアイドルオタクしてたことです。ギャップのある人が好きで、カッコいい中にかわいさがあったり、アイドルだけど文章で言葉を伝えられたり、そういうアイドルになりたいと思ってます。

雨宮:雨宮志乃です。私は個性的な声と、ステージの上で髪の毛を操ることができるのが強みです。髪の毛がきれいに動くアイドルに憧れて、"こうすればきれいに見えるな"というのを研究していて。もっときれいに見せられるようになればいいなと思ってます。

-ありがとうございました! ではリーダーの紫王さんに聞きたいのですが、15人組グループということで、人数が多くて良かったこと、大変なことを聞かせてください。

紫王:良かったことは、人数が多いからひと目で覚えてもらえて、印象に残ることですね。大変なことは、人数が多いから移動が大変で。学校の引率の先生みたいにみんなを引き連れて歩くんですけど、メンバー全員で渋谷とか歩いてると"なんの集まりだ?"みたいに振り返られますね(笑)。見た目もみんな結構バラバラなので、よくさぁやと一緒にご飯行ったりするんですけど、別のグループだと思われて。

柚ノ葉:そう、間に人が入り込んで来ちゃったりするんです(笑)。

紫王:いっぱいいて良かったことは、やっぱり人数が多いから、自分に足りないところを誰かが補ってくれたり。助け合いができることですね。

-いいことも悪いことも誰かが見てくれてて、支え合うことができると。ではヲドルマヨナカの活動についても聞かせてもらいたいのですが、1stアルバム『FLY ME to the MOON』がリリースされたのが2022年7月。前作から今作の完成に至るまでの1年間は、ヲドルマヨナカにとってどんな期間でしたか?

紫王:結成当初は10人組だったんですけど、今年の1月から新しいメンバーを迎えて16人組になったのが、グループとしては一番大きな出来事だったと思います(現在は1名脱退して15人)。10人のときも"個性すごいね"って言われてたんですけど、さらに全然違う雰囲気の子が6人入ってきて、とにかく賑やかになりました(笑)。

-ステージでのパフォーマンスにも大きな変化があったでしょう?

紫王:ステージでひとりひとりが使えるスペースが限られてくるので、いかにぶつからないか? を考えたり(笑)。全員の顔が見えるようにフォーメーションを組んでいるので、自分たちにしかできないことをやってるなと思いますね。

柚ノ葉:"人数いるのに、めっちゃ踊るね"ってよく言われます(笑)。大人数でやってるアイドルさんとかってもっと踊りが少なかったりするんですけど、私たちはグループ名にあるように"ヲドルマヨナカ"なので、すごい細かく振りが分かれてるし、細かくフォーメーションが動くんです。だからめっちゃ見応えのあるライヴができてるなと思います。あと、どうしても15人で立てないときに備えて、半分の人数でやる歌割とフォーメーションがあって。1曲に対してふたつのフォーメーションと歌割を覚えてるんです。だから10曲あったら、20個覚えていて。それもめっちゃ強みです。

-強みであり、大変さですよね(笑)。今年加入したメンバーは、ヲドルマヨナカに入っての感想はいかがですか?

結城:私は卒業したメンバーさんの色だったミントグリーンを担当したので、もともといたメンバーやファンにどう思われるかな? っていうのが心配だったのと、さぁやさんが言った通り、フォーメーションを覚えるのがとにかく大変で。もともと社会人と両立して入ったので、夜まで仕事して、深夜までレッスンしてみたいな生活をしてて、それも大変でした。でも加入した直後に"TIF2023全国選抜LIVE セカンドチャレンジ"があって。すごい数のお客さんを見て"私のやりたいことはこれだ!"と思えたので、もっと頑張ろうと思って、気が引き締まりました。

雨宮:私は研究生も少しやってたんですけど、アイドルの経験がほとんどないまま加入したので、10人のメンバーや、一緒に加入するメンバーとの差もすごく気になって、必死で練習したのを覚えてます。でもずっとなりたかったアイドルだったので、"大変だな"と思いつつ、"楽しい"のほうが勝ってたから頑張れたところもあるし、ここからもアイドル楽しんでいけるんじゃないかな? と思いました。

-特に覚えてるステージ、思い出のステージはありますか?

紅月:私はやっぱり一番最初に立ったステージが一番印象的で。"立てないよぉ~!"って言いながら、楽屋で大号泣して。"大丈夫だよ、できるできる!"ってみんなに励ましてもらって、いざ立ってみたら楽しかったんですけど、やっぱり緊張しましたね。

稀崎:双葉は最初のステージだけじゃなくて、2~3回目のステージでも泣いてました。最近泣かなくなったから、"良くなったな"と思って。

結城:7月のワンマン("5ヶ月連続ヲドルマヨナカ強化ワンマンライブ2023 #5")も泣いてましたよ(笑)。

紅月:初めてMCを任されたので、"できないです、どうしましょう!?"って(笑)。

-あはは。これまでリリースされた配信楽曲が収録された2ndアルバム『The Singularity is Near』は、ヲドルマヨナカの軌跡みたいなところもあると思いますが、特に思い入れのある楽曲はありますか?

紫王:「クラン」を出したタイミングが"TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)"の予選("TIF2023全国選抜LIVE セカンドチャレンジ")のときだったんですけど、「クラン」をお披露目したライヴの前にも予選("TIF2023全国選抜LIVE")が1回あって、そのときは惜しくも負けてしまって。自分たちも悔しかったんですけど、お客さんもすごく悔しがってくれて、負けたのは悔しいけど、その気持ちがすごく嬉しかったんです。で、「クラン」を引っ提げて予選に挑んだんですが、"クラン"には"仲間"って意味もあって、ライヴで初披露したら、お客さんが初披露と思えないくらい盛り上がってくれて、"私たちの仲間、ヤバっ!"と思ってすごく嬉しかったし、お客さんも「クラン」にすごく思い入れを持ってくれて。1周年記念のとき好きな楽曲を投票してもらったら、大半が「クラン」だったり。自分たちにとっても、お客さんにとっても思い入れの強い曲です。そしてそれを思い出して、柚ノ葉が泣いてます(笑)。

柚ノ葉:(※ウルウルしながら)思い出すと泣いちゃう......(笑)。その大事なステージの結果発表のとき、私が代表で立って、結果負けてしまって、"これをひとりで受け止めなきゃいけないのか"と思ってたとき、目の前に100人近くのお客さんが見守ってくれてて。"大丈夫だよ、俺らがいるよ"っていうのを感じて、すごく心強かったのを思いました。

-いい話です! では、2ndアルバム収録のほかの曲についても聴きどころや思い出を聞きたいのですが、まずは1曲目「故に僕は望む」について聞かせてください。

坂本:この曲はBメロのリズミカルさと、そこからサビの開放に向けていくメロディがすごく良くて。サビの開放感は、何回も聴きたくなる中毒性がある曲です。男女の掛け合いがあるストーリー性のある曲で。すごくいい歌詞なので、歌詞にも注目してほしいです。

結城:私は初めてレコーディングやレッスンで合わせたのが「クラン」と「故に僕は望む」で。自分の声をサブスクで聴くのが初めてだったし、すごく嬉しかったです。

紫王:あと、この曲はいつ公開できるかわからないですけど、このメンバーで初めてのMVも撮っているので、それも楽しみにしてほしいです。

-2曲目「高く跳べ」はいかがですか?

紫王:「高く跳べ」は、曲中に32回大きくジャンプするところがあって(笑)。最初の頃はお客さんも驚いてたし、"え、俺らも飛ぶの!?"みたいになってたんですが、"一緒に飛んでよ!"ってやり続けたら、今は一緒に飛んでくれるようになりました。最後の曲とか後半にこの曲が来ると、私たちも大変です(笑)。

柚ノ葉:だから生誕祭とかは、メインのメンバーだけをずっと飛ばせてます(笑)。

魔希波:私は反復横跳びが特技なので、ワンマンのときに反復横跳びでメンバーと対決して、私が勝って「高く跳べ」を私ひとりで反復横跳びで跳ばされて。あの日は私がターゲットになっていました(笑)。

紫王:ターゲットじゃない、ご褒美だよ(笑)。

-あはは。「ノア」はいかがですか?

白羽:"強化ワンマンライブ"というのがあって。目標を達成すると何かご褒美が貰えるんですが、そのライヴで獲得した曲が「ノア」で。メンバー全員で苦労して獲得した曲だったので、"曲を貰えることが当たり前じゃないんだな"と思った曲でした。曲中の台詞を言わせていただいてるんですけど、言い方がすごく難しくて苦労しました(笑)。

咲間:私はちょうど「ノア」を貰ったときがこのグループに加入したタイミングだったんですが、私はすごい音痴で、グループの中で一番音痴なんで、レコーディングもめっちゃ緊張したけど、次のレコーディングのときには"前より上手くなったね"と言ってもらえて。少しずつだけど、成長できてるのかな? と思ってます。

紫王:今、初期メンが6人いるんですけど、初期メンのあとに初めて加入してきたのが瞳で。新しい曲を貰って、新メンバーも入ってという、ヲドルマヨナカの1個目の節目がそのときだったんです。

-続いて、「改心テンプテーション」はいかがでしょうか?

鮭川:この曲が16人体制になって初めての曲になるので、今年の1月に入った私たち6人が初めて覚えた曲で。MVも作っていただいたので、16人で作った初めてのMVになって、すごく思い出に残ってます。完成してMVを観ての感想は、"私、緊張してるなぁ!"と思いました(笑)。でも今はライヴで一番自信を持ってやれる曲になってます。

葵彩:私も加入して初めての曲だったんですけど、加入まであまり時間がなくて、カツカツでこの曲を覚えて。レコーディングまで少し時間があったので、そのタイミングでほかの曲も全部歌と振付を覚えたんですが、まだ研究生だったので、夜ライヴをやって、深夜練をして、朝レッスンをしてっていうスケジュールで、ボロボロになりながら活動して、毎日泣きながら頑張っていたんです。今考えるとあの期間があったから、自分がすごく強くなったなと思うし、ライヴでこの曲を披露したときは、自分で感動して泣いちゃって。"なんで泣いてたの?"ってお客さんに言われたんですけど、今もあのときのことを思い出すと泣いちゃうくらい、自分の中ですごく大きな出来事でした。