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INTERVIEW

Japanese

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

2023年02月号掲載

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

Member:鈴姫みさこ 恋汐りんご ななせぐみ 望月みゆ 甘夏ゆず 大桃子サンライズ

Interviewer:藤坂 綾

-それぞれプロデュースした曲を教えてもらえますか。

甘夏ゆず:私は「愛わずらい」で、まず、この曲をプロデュースするにあたってどんなことを書きたいかって想像したら、ファンの人への想いが最初にバンッて出てきて。だからメンバーみんなでファンの人へ想いを伝えられたらなと思ったんですけど、ただそれだけだとアイドル・ソングみたいになっちゃうかなと。そこでいろいろ考えて、これまで10年やってきたことも踏まえたら、私たちってファンの代弁者でもあるのかなと思ったんです。みさこの歌詞もそうだし、そのメッセージに感銘を受けてくれてるって想いがあったので、単純にアイドルからファンへのメッセージだけではなく、恋愛をしてる誰しもがあてはめて聴いたとき、心が温かくなるような曲になったらなということで、どっちの意味合いでも歌詞をつけてもらって。サビに"キミと居たから今日までを/笑って生きてこれてるんだもん/ありがとう いつもごめんね/大好きだよ"ってあるんですけど、それは恋としてもそうだし、私自身はアイドルからファンのみんなへの想いとして歌ってます。

ななせぐみ:ぐみは「そーにゃん節」で、前にラウドロックソーラン節を作りたいみたいなことをみんなで話してたことがあって、それやりたいなって。でもただのソーラン節じゃなくて、みんなネコが好きなので、"そーにゃん節"だったらかわいいんじゃないかってことでそれにしました。

鈴姫みさこ:アイドル・フェスとかでやりたいよね。

ななせぐみ:みんなで歌って、みんなで踊って、圧倒したいっていう希望があります。

大桃子サンライズ:アイドル・シーンに"節部"を流行らせたい。

-汐りん(恋汐りんご)さんお願いします。

恋汐りんご:しお(恋汐)は、「ランラン♡ラブラブ♡ウェディング♡ソング」なんですけど、お世話になったスタイリストさんの結婚式にメンバー全員で駆け付けたとき、お祝いの曲があったらいいよねって。

望月みゆ:そのときなかったんだよね。

大桃子サンライズ:恋愛の曲とか全然なかったもんね。

恋汐りんご:意外とね。で、一人称のウエディング・ソングじゃなくて、そういうときに歌える曲、例えば大親友が結婚してお嫁さんになるときに贈りたい曲、みたいなイメージで作って。だから、いつかあるかわからないですけど、メンバーが結婚なんてことがあったら、これを贈りたいっていうくらいの気持ちで作りました。みんなで歌うところの結婚式の曲をサンプリングで入れるのと、みさこに歌詞を書いてほしいっていうのはどうしてもやりたかったのでお願いして。

大桃子サンライズ:バンもん!のファン同士が結婚することも多いし、ファンの子から結婚報告を受けることも多いから、使ってほしいよね。

恋汐りんご:そうなんです。バンもん!に出会ってしおのファン同士で結婚とかもたくさんあって。しおと出会ってなかったらそのふたりは結婚してなかったのかと思うと、人生変えちゃってると思うけど、しおたちもファンの人たちに人生変えられてるから、そう思うとほんとに大親友の結婚式くらいに気持ちが入るんですよ。だから、しおたちに出会ってくれたみんなの人生に寄り添うような曲だし、今後の人生もよろしくという気持ちの曲です。

-じゃあみゆちぃさん、お願いします。

望月みゆ:私は「「卍蛮者卍ラプソディ~全海統一伝説~」」、さっき言ってた女海賊の曲です。うちらの関係って家族でもないし、学校でつるんでるって感じでもないし、なんだろなって考えたとき、なんか海賊っぽくない? って。女海賊でそれぞれいろんな格好してそれぞれの役割があって、敵が来たら闘うし、でも基本楽しく一緒に闘ってる感じが女海賊っぽいよねって話したことがもう何年も前にあって、それを今回やっと回収できたんです。歌詞はみさこにお願いするつもりでいて、そこを汲んで書いてもらったんですけど、自分的には海賊船をバンもん!というグループに見立てて。まぁみさこがルフィ("ONE PIECE")なんですけど(笑)、一生懸命生きてるメンバーを"お前も乗れよ"って乗せてくれて、一緒に人生を歩んでるっていう。セリフの部分を担当させてもらってるんですけど、ライヴのサイリウムってすごくきれいで、自分の色を上げてくれてる瞬間って宝物のようなんですよ。その景色のことをそれぞれセリフで言ってもらってます。10年やってきてきっとそれぞれ思い浮かぶ景色があると思うので、その景色を思い出しながら言ってほしいなってお願いしたら、めっちゃみんないいテイクを録ってくれて。

恋汐りんご:宝石だ!

望月みゆ:そう、しおは宝石にしたんだよね。この曲ってワンコーラスじゃ伝わりきらなくて、2コーラス目、セリフがあってやっと完成するエモさと楽しさがあるのでライヴで観てほしい曲だし、そういう曲に成長したらいいなって思います。

-では、ちゃんもも◎(大桃子サンライズ)さんお願いします。

大桃子サンライズ:私はグループの中では攻めのロックっぽい曲を作るのがいいのかなと思って、それを大前提にしたうえでKEYTALK義勝(首藤義勝/Vo/Ba)さんに「SARABADANCE」を作ってもらいました。フェスで映える感じの曲で、正面から行くロックじゃなくて、中毒的で変態的で、爽やかなんだけど夜の爽やかさがいいとかめちゃめちゃ細かいお願いをして。歌詞は、コロナがまだこの世になかった時代、都内某所にミュージシャンとかDJとか、そういう人が好きな女の子とかが夜な夜な集まってパーティーしてる店があるんですけど、めちゃめちゃな世界線、みんなが自由にお酒飲んでわいわい乾杯して、ヒリヒリするけど楽しい夜っていうのを歌にしたいと思って義勝さんにお願いして、それをベースにみさこと桃子(大桃子サンライズ)でちょっと変えて完成しました。

鈴姫みさこ:"テキーラ!"って足したりね。

大桃子サンライズ:そう、"テキーラ!"を足したり、イントロの"ウッ!"とか(笑)、ヴァイブスをどんどん上げていったり。

鈴姫みさこ:ちょっとかわいげを足したり。

大桃子サンライズ:そうそう、歌詞には女の子の闘いの夜みたいなヴァイブスが入ってて、でもテキーラを頼んでみんなに飲ませて先に帰るっていうね(笑)。もうはちゃめちゃ。

鈴姫みさこ:ほんとはちゃめちゃ。

大桃子サンライズ:「あんま覚えてない夜」(2019年リリースのアルバム『NO LIMIT』収録)っていう曲があるんですけど、その舞台になってるお店と同じなんです。でも180°全然違う曲で、そっちはエモい曲なんですけど、こっちはもうイケイケで。

望月みゆ:同じ世界線の違う女の話ってこと?

大桃子サンライズ:そうなんです。

望月みゆ:面白い!

鈴姫みさこ:うまくいってるパターンとうまくいってないパターンかもしれない。

大桃子サンライズ:メロディとか曲調にこだわってライヴで楽しめる曲になってるので、期待しててください。そしてフェスに呼んでください。

-では最後、みさこさん。

鈴姫みさこ:みさこは「みにくいままのあひるの子」で、これはだいぶアルバムのテーマに近いんですけど、もともと女の子が女の子を卒業するという曲にしたいと話してるなか、広川(恵一)さんが作曲してくださることになって、広川さんにいただいた曲からインスピレーションを受けるようなかたちで、童話を絡められたらなと思って作りました。大人になって、子供のとき好きだった童話みたいに苦労が全部報われるわけではないし、自分はお姫様ではない。でもそれでもずっと自分の中で諦めきれずにそういうものに憧れている女の子を、私自身が救ってあげたいみたいな、現実と向き合ったうえで理想を叶える女の子の話です。だから卒業はしきれてない。卒業はしきれてないけど現実とは出会った女の子の話ですね。

大桃子サンライズ:王子様はお姫様になるまでのつらい部分を知らないっていうところが、めちゃくちゃエモくて刺さって。おとぎ話に出てくるお姫様の汚い部分とかって、たぶん男性って想像したこととかないんだろうなって。

鈴姫みさこ:白馬に乗った王子様はその美しさを知らないってね。ちょっと変化球のメロのところが2サビ終わりにあって、みゆちぃとぐみさんと汐りんに担当してもらったんだけど、どれだけ現実がつらくても不思議の国に誘ってくれるウサギもいなかったし、星に願いを伝えても叶えてくれることはなかった、毒をかじったように苦しくても自分の足でここまで来たんだってところ、そこにすべてが詰まってるかなって。

大桃子サンライズ:しかも歌ってるメンバーに歌詞もかかってる。

鈴姫みさこ:みゆちぃはもともと"アリス(不思議の国のアリス)"が大好きだし、ななせは七つの星だし、汐りんは恋汐りんごで、りんごとは書いてないけど"白雪姫"を彷彿させるしね。

大桃子サンライズ:素敵。

望月みゆ:この曲は泣かずに聴けない。あんなに聴いてるのにまだ泣くから。

恋汐りんご:頑張ってる人は泣いちゃう気がする。

鈴姫みさこ:理想と現実の狭間で生きてる人はたぶんみんな共感してくれるかな。

望月みゆ:みんな悔しい想いしてんだな。

大桃子サンライズ:自分しか知らない努力もきっと生きてたらあると思うし、そういうすべての人に響くよね。

望月みゆ:自分もこういうことあったなとか、こういうこと頑張ってきたなって思い出すんだろうな。

鈴姫みさこ:でもそれは情けないことではなくて、めちゃめちゃ美しいことだよっていうことを伝えたかったんです。

ななせぐみ:この曲大好きだし、これが最後の曲で良かった。

-では、ここからはゆずさんにお聞きしていきますが、他のメンバーのプロデュース曲の感想を教えてください。

甘夏ゆず:みさこの「みにくいままのあひるの子」は、もがいてもがいて、誰になんて言われても私の最後は私でハッピーエンドにしてやる! って今まで生きてきたので、未だにお風呂で聴きながらこっそり泣いてます。「ランラン♡ラブラブ♡ウェディングソング」もそうで、メンバーのもも(大桃子サンライズ)はポン(甘夏ゆず)の大親友なんですが、一緒に歌うところで"ももがいつか結婚した日にも同じこと伝えるんだろうな"って想像をしてこれまた泣きそうになってます。他は、「そーにゃん節」は猫ちゃんがカッコつけて歌ってる様子がどうしても出てきて"あぁぁ......かわいい......"って気持ちでいっぱいになりますね(笑)。「そーにゃん節」はギター・ソロの演奏でも参加したので、ポン(甘夏ゆず)なりのギターの音も聴いてほしいです。みゆちぃの「「卍蛮者卍ラプソディ~全海統一伝説~」」はなんか曲始まった瞬間からの最強チーム感すごい! ワクワクが、曲が進むにつれて増してくる感じ! この曲、"七海ミックス"っていうミックス(コール)が入ってるんですけど、これは全国ツアーでぜひとも聞かせてほしいです! そして、「SARABADANCE」は、ヴォーカル・レコーディング中からずっとももがディレクションしてくれてて、ポンは歌い出しで"めっちゃウザいくらいのキャラで登場してくる感じ"を頑張ってやってみました(笑)! 普段から一緒に飲むことが多いので、"あのときのあの感じで歌ってみて!"っていう指示が秒でわかりやすくて、楽しみながら歌録りした感じがテイクからも伝わるといいなって思います。

-プロデュース曲の曲割りもそれぞれメンバーが担当されたそうですが、ゆずさんの「愛わずらい」でこだわった箇所があれば教えてください。

甘夏ゆず:どの歌詞もメンバーそれぞれを想像したときに一番しっくりくる部分を割り振ったのですが、落ちサビ前のみさこの"欲張らないように/ただ「キミの隣に」"って部分を聴くと、ライヴ中でもなんでも泣きそうになってしまいます。この曲はもともと気持ちを伝えるのが上手ではないポンが、ポンズ(※甘夏ゆずファン)やもんスター(※バンもん!ファン)のみんなへもっと素直に気持ちを届けられたらいいのになって想いが、歌詞のかけらになっていて。それを作詞作曲のメイビーモエちゃんがかわいくも、どこか胸がキュッとさせられる世界観の楽曲でかたちにしてくれました。アイドルちゃんからファンのみんなへのラヴ・レターとして、または今大切な人へ素直になれないあなたが一歩を踏み出せるように背中を押してくれる曲としてあれたらいいなぁって思っています! モエ(メイビーモエ)ちゃんにお願いをして、実はラスサビにポンのソロ曲「ひ・ま・わ・り」(2015年リリース『NaMiDa / White Youth』初回限定版⑤収録曲)の続きになってる歌詞を、こっそり隠してもらったりもしました。これからもメンバーと、ファンのみんなと、一緒に楽しく笑って生きていきたいです。

-"バンもん!あちちちっ♡PIZZAツアー▽~日本全国47都道府県へ愛をおとどけ✩~"に懸ける意気込みをお願いします。

甘夏ゆず:人生初の47都道府県ツアーなので、全国のまだ見ぬポンズやもんスターに会えるのがとっても楽しみです! もう顔見知りのみんなとは、一緒に旅行に行くような気分で全国のいろんな思い出を作っていきたいと思います! ポンの元気を日本中に届けるぞ~! ぜひ受け取りに来てください!

-常に未来へと進んでいくバンもん!として挑戦したいことがあれば教えてください。

甘夏ゆず:まずは全国ツアーを6人で無事成功させます! そのあとは言葉の壁も越えて世界中にバンもん!らしさとたくさんの愛を届けていきたいです! 頑張ります!